海外サイトで見つけたBOSEプレーヤーWMSの修理記事は、メイン基板に使用
されている中国製低品質SMDキャパシタ(コンデンサ)の劣化が、動作不良の
原因であることを指摘しています。2枚の基板上にある全SMD(40個)の交換が
必要とされていますが、CPU基板側に不具合があることが分かっており、作業上の
リスクも考慮した結果、部分的・段階的に交換作業を進めています。CPU基板の
金属板によりシールドされた部分を除き、他のSMDの交換を終えた段階で、まだ
不具合は解消されていません。気は進みませんが、内部の部品交換に挑みます。
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シールドの金属カバーを取り外します。CPUを含む
デジタル回路から生じるノイズを遮断しています。
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シールド部分の内部です。左側のLSIが制御用
プロセッサでしょう。6個のSMDが含まれます。
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デバイスの不良が不具合の原因となっている
ことを確認するため、パーツを冷却してみます。
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不良が疑われるSMDに冷却スプレーを吹きかけて
みます。モードの切替が完全に機能しなくなります。
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逆にヘアドライヤーを使用して
パーツを温めてみます。
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不安定さは残るものの、何とかモード切替やCD再生が
できるようになります。SMDの不良が明らかです。
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チップ部品が密集する中、サイズの
大きい100μFから取り外してみます。
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引きちぎった後、配線パターンの
半田面を綺麗に整えます。
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半田をごく少量盛り付けて、新しい
コンデンサの取り付けに備えます。
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普通のアルミ電解コンデンサを
横に寝せた状態で取り付けます。
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品質に問題のないSMDに交換することも可能
ですが、手作業による半田付けは困難です。
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コンデンサの頭がシールドケースの
高さを超えていないか確認します。
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ここでも動作を確認してみます。
まだ不具合が解消しません。
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記事にあった通り、本当にSMD不良が
不具合の原因なのか不安がよぎります。
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次に、ペアで取り付けられている
10μF16Vコンデンサを交換します。
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ケミコンのサイズが小さく、周囲にスペースが
あるので簡単に取り付けることができます。
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右上に取り付けられている47μF6Vを取り
外します。押さえ付けた状態でひねります。
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以前は、先を細く加工した半田ごてで半田を溶かして
外していましたが、この方法は安全かつ確実です。
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新しいアルミ電解コンデンサに交換します。
取り付けスペースに問題はありません。
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再び動作を確認します。リモコンの信号を受信して
いますが、まだ動作が不安定です。もう後がありません。
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残るは最後の22μF6Vだけです。この2個が
不具合の原因である確率は・・かなり低いです。
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もしこれで不具合が解消しなかったら、既にメーカー修理の
道も途絶え、ご依頼主に何とお詫び申し上げたら良いのか。
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しかし、現時点で打てる手は全て打ちました。結局、CPU基板上のSMDコンデンサは
全て新しいケミコンに交換されました。これで不具合が解消しなければ、作業は振り出しに
戻ります。ここまでのめり込み、実際に手を加えてしまった以上、1から原因を探り直します。
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CPU基板から取り外されたSMDです。潰れて
いるので劣化の有無を確認することはできません。
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シールドの金属カバーを
元通りに被せます。
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CDドライブユニットも
取り付けます。
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電源を入れてみます。モード切替を操作すると、
まずラジオ受信のモードにすんなり切り替わります。
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次にAUX入力に切り替えてみます。
問題ありません、再起動は起こりません。
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そして、CD再生に切り替えてみます。BOSEプレーヤーの
致命的な不具合が解決しました。安定して切り替わります。
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ピックアップユニットに問題がなければCDは正常に
再生するはずです。スピーカーユニットを取り付けます。
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表示部をスピーカーユニット
前面に取り付けます。
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あらためてCDを再生してみます。TOCを読み込むと間もなく再生が始まります。
非常に安定した再生です。シーク音は全く聞こえてきません。トラックの移動も
全くスムーズです。BOSEらしいパワフルでかつ品のある再生音が響きます。
不具合の直接原因は、最後に交換した「2個の22μF6Vコンデンサ」ということに
なります。このSMDの劣化が、リモコンによる操作の不具合、およびCDドライブの
サーボ制御不良をもたらしていたといえます。BOSE社の製造欠陥となりましょう。
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工房内の他のBOSEプレーヤーも一挙に修理を
進めます。これ以上お客様をお待たせできません。
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ところで、このグレーメタリックの1台は
後から発売された新型で新色のようです。
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スピーカーコードの保護材が、変質しそうに
ない新しい材料に変更されています。
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表示基板の上辺に、本体カバーとアースを取る
金属クリップのような部品が追加されています。
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製品プレートを確認するとWAVE music system Ⅲです。
この1台はピックアップユニット交換だけで修理完了です。
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試しにCPU基板、および金属
シールド内部を確認してみます。
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不具合の直接原因と目される、最後に交換した2個の22μF6Vコンデンサが
無くなっています。周辺の回路が設計変更されています。何故変更されたか?
この2個のSMDが致命的な不具合を引き起こすことが明らかだからです。日本は
おろか世界中で販売された高名なBOSEプレーヤーが、世界中で同じトラブルを
巻き起こした結果、マイナーチェンジにより基板の設計が変更されたのでしょう。
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BOSE社自身が製品の欠陥を認めた動かぬ証拠です。BOSE社は明らかに欠陥のある
製品に対して何ら購入者に救済措置を採っていません。工房から直営店に確認したところ
修理は有償で、一律19440円(税込み)に送料が加わるとのことです。担当者の対応は
非常に親切で丁寧でしたが、そうではなくてBOSE社は無償で修理に応ずるべきです。
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