サイズ100を超える荷物が2箱届きました。一様に年季の入った古い
家電製品がいくつも入っており、ご依頼主がそれぞれの不具合状況を
詳しく書いたメモが添えられています。その一つが布団乾燥機です。
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ナショナル(松下電器)の製品です。
型番シールの傷みにも年代を感じます。
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付属品は完全に揃っています。
丁寧に扱われてきたようです。
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横カバーを開け中からマットと
接続ホースを取り出します。
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電源コードも折り畳まれて
本体内に収納されています。
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電源コードをコンセントに差し込み電源スイッチを
入れてみます。メモに書かれていた通り動作しません。
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内部を点検するため
本体を分解します。
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付属品収納部の内側にも
固定ネジがあります。
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本体外側は左右に分離します。構成
部品は片方にまとめられています。
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送風ブロア、導風ダクト、ヒーター(ダクト内)、タイマー内蔵電源スイッチ、
温度スイッチがゆったりと配置されています。これら部品どうしの接続、
あるいは部品のどれかに不具合があるはずです。順に点検します。
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点検を始めて間もなく、不具合個所発見です。
電源スイッチONの状態で接点に導通がありません。
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薄い緑色のタイマー内蔵電源スイッチに
問題があります。取り外して点検します。
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電源スイッチに接続されている
コード(コネクタ)を全て抜きます。
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冷風・温風切り替えスイッチとともにベース
プレート(金属板)を介して固定されています。
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本体外側から差し込まれている
操作ツマミを抜いておきます。
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ベースプレートごと取り外します。
コードを引きずらないので作業が楽です。
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ベースプレートから電源スイッチを外します。
プレートの表側からネジ固定されています。
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調べるまでもなく補修部品は入手不可能
です。スイッチそのものを何とか補修します。
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昔は樹脂製ボックスの組み立てに、この
木ネジのようなピンがよく使われていました。
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タイマー用の減速ギヤ群と、レバーを
介して開閉される電極が組み込まれています。
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電極の状態はさほど悪くありません。
念のため回路計を当ててみると・・
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電極を接触させても導通がありません。
よく見ると接点の表面が黒く変色しています。
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ON・OFFのたびスパークによりカーボンが発生し接点表面を
覆ってしまったのでしょう。サンドペーパーを入れて研磨します。
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電極は簡単に取り外すことができました。
まだ接点表面に浸蝕の痕が残っています。
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カーボンの付着も浸蝕痕も完全に落とし
ました。これで接触が回復するでしょう。
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電極全体を軽く曲げることで、電極間の
クリアランスを少し狭めておきます。
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スイッチボックスを元通り組み上げます。
部品のデザインにもレトロ感が漂います。
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木ネジのようなピンを圧入します。もしかすると
再利用してはいけないのかも知れませんが・・
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ベースプレートごと本体内
元の位置に戻します。
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外しておいたコードを
全て元通り接続します。
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コンセントに接続し電源スイッチを入れて
みます。ブロアが勢いよく回転し始めました。
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冷風・温風スイッチを「温風」に切り替えてみます。ヒーターに通電して
吹き出してくる風が一挙に熱くなってきます。布団乾燥機の復活です。
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本体カバーを元通りに組み付けます。
性能は新品時と何ら変わりません。
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抵抗加熱方式の電熱器具は、最新型でも消費電力に
ほとんど違いがありません。まだまだお使いになれます。
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