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布団乾燥機復活(2019.5.5)


サイズ100を超える荷物が2箱届きました。一様に年季の入った古い
家電製品がいくつも入っており、ご依頼主がそれぞれの不具合状況を
詳しく書いたメモが添えられています。その一つが布団乾燥機です。

 

ナショナル(松下電器)の製品です。
型番シールの傷みにも年代を感じます。

 

付属品は完全に揃っています。
丁寧に扱われてきたようです。

 

横カバーを開け中からマットと
接続ホースを取り出します。
 

電源コードも折り畳まれて
本体内に収納されています。

 

電源コードをコンセントに差し込み電源スイッチを
入れてみます。メモに書かれていた通り動作しません。

 

内部を点検するため
本体を分解します。

 

付属品収納部の内側にも
固定ネジがあります。

 

本体外側は左右に分離します。構成
部品は片方にまとめられています。
 

送風ブロア、導風ダクト、ヒーター(ダクト内)、タイマー内蔵電源スイッチ、
温度スイッチがゆったりと配置されています。これら部品どうしの接続、
あるいは部品のどれかに不具合があるはずです。順に点検します。

 

点検を始めて間もなく、不具合個所発見です。
電源スイッチONの状態で接点に導通がありません。

 

薄い緑色のタイマー内蔵電源スイッチに
問題があります。取り外して点検します。

 

電源スイッチに接続されている
コード(コネクタ)を全て抜きます。

 

冷風・温風切り替えスイッチとともにベース
プレート(金属板)を介して固定されています。

 

本体外側から差し込まれている
操作ツマミを抜いておきます。

 

ベースプレートごと取り外します。
コードを引きずらないので作業が楽です。

 

ベースプレートから電源スイッチを外します。
プレートの表側からネジ固定されています。

 

調べるまでもなく補修部品は入手不可能
です。スイッチそのものを何とか補修します。

 

昔は樹脂製ボックスの組み立てに、この
木ネジのようなピンがよく使われていました。

 

タイマー用の減速ギヤ群と、レバーを
介して開閉される電極が組み込まれています。

 

電極の状態はさほど悪くありません。
念のため回路計を当ててみると・・

 

電極を接触させても導通がありません。
よく見ると接点の表面が黒く変色しています。

 

ON・OFFのたびスパークによりカーボンが発生し接点表面を
覆ってしまったのでしょう。サンドペーパーを入れて研磨します。

 

電極は簡単に取り外すことができました。
まだ接点表面に浸蝕の痕が残っています。

 

カーボンの付着も浸蝕痕も完全に落とし
ました。これで接触が回復するでしょう。

 

電極全体を軽く曲げることで、電極間の
クリアランスを少し狭めておきます。
 

スイッチボックスを元通り組み上げます。
部品のデザインにもレトロ感が漂います。

 

木ネジのようなピンを圧入します。もしかすると
再利用してはいけないのかも知れませんが・・

 

ベースプレートごと本体内
元の位置に戻します。

 

外しておいたコードを
全て元通り接続します。

 

コンセントに接続し電源スイッチを入れて
みます。ブロアが勢いよく回転し始めました。

 

冷風・温風スイッチを「温風」に切り替えてみます。ヒーターに通電して
吹き出してくる風が一挙に熱くなってきます。布団乾燥機の復活です。

 

本体カバーを元通りに組み付けます。
性能は新品時と何ら変わりません。

 

抵抗加熱方式の電熱器具は、最新型でも消費電力に
ほとんど違いがありません。まだまだお使いになれます。

 
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