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掃除機ホースの修復(2019.4.28)


掃除機のホースだけ送られてきました。ホースが切れかかっていて、
本体への差し込み方により、手元スイッチによる電源のON・OFFが
できたりできなかったりするそうです。ご自身でも修理されたようです。

 

凄いことになっています。ハンドル部とホースの接続が大きく
破損しています。ビニルテやガムテで補修されています。

 

ホースはハンドル部から完全に抜けており、
テープでかろうじてつなぎ留められています。

 

取りあえずテープ類を引き剥がします。ビニルテープの
下にブチルゴム自己融着テープが巻かれています。

 

ブチルゴムがビニルテープを強烈に固着させて
います。指先を汚しながらも強引に取り除きます。

 

テープを取り除くと、ホースはハンドルから抜けて完全に
分離しています。モーターを制御する信号線も切り離します。

 

ハンドル内側の固定ネジを緩めます。
意外や面倒な内部構造をしています。

 

ネジで固定されていたキャップを、隙間に
ドライバーの先を入れて少し浮かせます。

 

キャップの内部にホースソケットを固定するツメが出て
おり、キャップを浮かせることで固定が解除されます。

 

ハンドルからホースソケットを引き抜きます。
先ほどの信号線が引き込まれています。

 

ソケットの外側に軟質樹脂製のブーツが被せられ
ています。突起の位置を合わせて引き抜きます。

 

本来ホースはソケットにねじ込まれて固定
され、その外側をブーツが覆う構造です。

 

忘れないうちにブーツを
ホース側に入れておきます。

 

ホースとソケットの接続をやり直します。同時に、
2重スパイラル鋼線を通した信号線も修復します。

 

形の崩れた部分を切り落とし、
新たに接続端子を作ります。

 

ホースの外装を最小限に取り除きます。ホースの
途中で外装が破れることも少なくありません。

 

鋼線の被覆を5mmほど除去します。
非常に硬い鋼製の芯線が出てきます。

 

2重スパイラルにすることで2本の信号を伝達
します。半田付けによりビニル線と接続します。
 

鈑金用のフラックスと大容量の半田ごてを
使用することで、強引に半田付けします。

 

半田が鋼線にもしっかり喰い付いていることを確認します。
内部でこの2本が短絡することがあってはなりません。

 

予め通しておいた熱収縮
チューブを接続部に被せます。

 

熱を加えて接続部に密着させます。ホースの
外装により分離されていても十分ではありません。

 

ホースをソケットにねじ込みます。ソケットを右回転させながら
ねじ込むと、ホースの鋼線は左回転方向にねじられます。

 

スパイラル(撚り)が戻る方向にねじられるので径が開いて
簡単に入ります。その逆は、径が閉まるので抜けません。

 

引き込んでおいたブーツを、突起の
位置を合わせてソケットに被せます。

 

ソケット表面のリブに刻まれた溝にビニル線を収め
ます。瞬間接着剤で固定しておくと後の作業が楽です。

 

キャップのツメが下りてくる位置にソケット側の溝を
合わせ、ソケットをハンドル部に差し込みます。

 

キャップを押し込んでツメを溝に
差し込み、ソケットをロックします。

 

ツメによりソケットがロックされていれば、ハンドルに対して
ホースは回転しません。ロックを確認しキャップをネジ固定します。

 

ホースの補修は完了ですが、信号がスイッチ
端子に届いているか確認しなければなりません。

 

ハンドル上部のスイッチカバーを外し
ます。簡単な風量調整だけのようです。

 

スイッチのスライドプレートを取り外すと
コネクタを介して信号線が接続されています。

 

本体側接続端子との間で導通を確認します。
本体がないのでできることはここまでです。

 
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