自宅にて窓の断熱対策を進めております。リビングの掃き出し窓は高性能サッシに
丸ごと交換(工事外注)、和室の障子は障子風の内窓に交換(外注)、その他の小窓は
DIYにてポリカーボネート製内窓を取り付け。最後に残ったのが2面ガラスの出窓です。
建築時は明るくお洒落だった出窓も、今や冷気を最大限に呼び込む暖房のバックドア。
デザイン重視の凝った建付けだけに、ここに断熱対策を施すには工夫が必要です。
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開放感を持たせるため、2枚のガラス板を接着して
短い妻手部分を含むL字型に構成されています。
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大部分がFIX窓(ハメ殺し)ですが、右端に
縦滑り出し窓と網戸が入れられています。
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数週間考えた末の断熱方法は、窓(ガラス)の二重化です。キットを使って内窓を
取り付ける方法が簡単ですが、折角の出窓なので天板の面積を犠牲にしたくあり
ません。二重化とはいえガラス板ではなく、加工の簡単なアクリル板を使用します。
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アクリル板の取り付け・固定方法、および現場への収まりを検討するため
フリーハンドスケッチを元に、CAD上に現状形状・寸法を再現します。
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現状(ガラス板1枚)の平面見取り図です。アクリル板を追加するには
板の全周にわたり、固定具の取り付け面を確保する必要があります。
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幸いなことに窓の下面は出窓の天板面、上面と左側側面には窓サッシの平面が
張り出しています。右側側面には滑り出し窓との境をなすサッシ縦桟があります。
固定具にL字型チャンネルを使えば、両面テープにより簡単に施工できるはずです。
出窓のL字型に合わせ、アクリル板も接合によりL字型を構成することにします。
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通販で押し出し成形5mm厚アクリル板を購入しました。出窓の長手方向は
縦1178mm、横1306mmと非常に大きく、1枚でカバーできるアクリル板は
既製品(規格品)の中には見当たりません。止むを得ず不足分を継ぎ足すことに
します。手間や失敗を考慮し、予め必要寸法に裁断してもらうことにしました。
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固定具に使用する10mm角のL字型チャンネル、
樹脂製です。断熱性がありしかも低価格です。
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このチャンネルを必要な長さに切り、アクリル板
取り付け位置の周囲にひたすら貼り付けていきます。
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チャンネルの2面に両面テープを貼ります。樹脂面も
窓サッシの金属面も非常に接着性に優れます。
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保護シートを剥がします。現在の両面テープ(強力型)は、
接着力のみならず耐候性・耐久性にも富んでいます。
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窓サッシと化粧木枠の境界に合わせて接着します。
上面と左側側面はアクリル板接着面を手前に向けます。
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アクリル板を取り付け・嵌め込む際に、固定具が
奥側からアクリル板を支える構造にするためです。
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上面長手方向のチャンネルを取り付けます。アクリル板を
接着する両面テープを、既に手前側に貼り付けてあります。
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想像以上に強力に固定されます。耐久性に優れるとはいえ、
限度があるでしょう。しかし、剥がれてくれば補修もできます。
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左上のコーナー部分に固定具が取り付けられました。
L字型チャンネル手前側の面にアクリル板が接着されます。
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左側側面、縦方向の固定具を取り付けます。
L字型チャンネルの外側2面に両面テープを貼ります。
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チャンネルの付き合わせ部分は、場所により
干渉するので追加の加工が必要です。
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片面をチャンネルの幅分だけ切り欠いておきます。
付き合わせ部分に隙間が生ずることを防ぎます。
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出来るだけ隙間を残さず、ガラス板と
アクリル板間の密閉を目指します。
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出窓のL字型部分を作ります。既に必要寸法に
切断されている2枚のアクリル板を接着します。
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L字型の外側(写真には写っていない側)をマス
キングテープで固定し、接着剤を流し込みます。
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わずか5mm幅の切断面による接着ですが
非常に強力に接合されています。
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保護シートを剥がします。この大きさの
5mm厚アクリル板はかなりの重量です。
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L字型部分がコーナーに収まりました・・が、実はアクリル板の縦寸法が間口の高さ
ぎりぎりのため、前後左右どの方向にも傾けることができず、最初は嵌め込むことが
できませんでした。止むを得ずL字型に組み上がった状態で、高さ寸法を調整し(数
mm切り落とし)何とか入りました。2枚を嵌め込んでから接着する方法もありました。
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L字型チャンネルの表面に既に両面テープが貼られて
いるので、アクリル板を押し当てた瞬間に接着します。
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下端にはまだチャンネルの用意がありません。
窓サッシの僅かの段差が位置を決めています。
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長手方向の1枚板を嵌め込めば完成です。準備は整っているはず
ですが、保護シートを付けたまま念のため収まりを確認してみます。
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不足分との接合には、断面が「エ」字型の樹脂製チャンネル
(ジョイント)を使用します。5.5mm規格なので余裕があります。
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恐ろしいことが発覚しました。上部端に何と7mmもの
隙間があります。建物家屋の歪みによるものです。
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5mm厚を7mm調整するには・・、作業は大変ですが
仕上がりを重視し木工鉋で左右を斜めに削ります。
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仕切りのない1枚板で仕上げたかったのですが、
出来上がってみるとチャンネルは気になりません。
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貼り付けておいた両面テープが
アクリル板を強力に固定しています。
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最後に、アクリル板の下端も固定しなければなりません。
出窓のサッシが作る僅かな段差が位置を決めています。
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アクリル板右端は、滑り出し窓との境界仕切りに
既に両面テープで接着・固定されています。
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再びL字型チャンネルを使用します。下側では
アクリル板の手前側から押し付けて固定します。
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連続するチャンネルが干渉し隙間が
生じないよう、端を切り欠き加工します。
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アクリル板をつなぎ合わるジョイントに
干渉しないよう、ここも切り欠きます。
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外観を損なわないよう正確に位置を合わせ
ます。ここで、接着には少々コツが必要です。
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保護シートを残しておき、端から貼り付けながら徐々に
引き剥がして行きます。ずれて接着しても剥がせません。
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日が暮れるのが早くなりました。作業を終えると外は薄暗くなっています。外観を損なわず、
天板面をほとんど犠牲にすることもなく、アクリル板を使用した窓の二重化工事が完成です。
アクリル材自体の断熱性は分かりませんが、右端の何も断熱対策をしていない滑り出し窓は、
既に結露による水滴が全面に広がっています。外気温がみるみる低下してくるこの時間帯、
二重化した左側はアクリル表面の下3分の1あたりがうっすらと曇っている程度です。
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