どなたかのご依頼ではなく、自分が所有する自転車の整備です。健康維持のため
意気込んで購入したものの、乗らず終いで雨晒し。自転車は放置しておくと傷みが
早く進むものです。自転車整備は昔から技術科の「基本」、中学生の頃、まだ白黒
印刷だった技術科資料集に、手書きのイラストだけで自転車の構造と整備方法が
隅々まで極詳細に説明されており、暇さえあれば眺めていたことを思い出します。
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サドルの表皮が破れています。ここから中の
緩衝材に雨水が侵入し、座るとパンツが濡れます。
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長い屋外放置の結果、メッキ層を突き破り
ハンドルバー表面に錆が浮き出ています。
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ラバーグリップは捻れ、破れ、擦り減りが
進み、材質も劣化して無残な外観です。
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新品時は光り輝いていたスポークです。光沢が
失せたどころか、錆が広がり出しています。
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乗る気にならない最大の原因はタイヤのパンクです。何度かチューブの修理や虫ゴムの
交換をしましたが、どうしても空気が抜けます。タイヤ自体もトレッドにヒビが見られます。
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前輪後部の樹脂製泥除けです。MTB仕様なので前部は
省略されています。表面が白く変色しかかっています。
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後輪泥除けも表面が劣化し斑状態です。
取り付け金具や固定ネジは錆だらけです。
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整備作業にかかります。手始めに
後輪泥除けから取り外します。
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ネジが回らないほど錆は進んでいま
せん。ネジを2か所緩めると外れます。
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前輪泥除けを外します。フロントフォークの
根元に貫通穴があり、ボルトで固定されています。
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ここまで表面が劣化してしまうと
塗装により補修するしかありません。
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前輪を外します。左右両側の
ハブボルトをレンチで緩めます。
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ブレーキアームの上部がタイヤ幅以下に狭まって
いるので、このままではタイヤが抜けません。
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固定ネジを緩めてブレーキワイヤーを
解放し、アームが広がった状態にします。
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前輪にはブレーキ以外の装備が
何もないので、簡単に外れます。
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空気バルブのリム固定ネジを
緩め、虫ゴムも抜き取ります。
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空気が抜けたところでリムとビードの間に
ドライバー(-)を差し入れタイヤを外します。
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タイヤは以前に一度交換しています。材質が
硬化しトレッドに細かなヒビが入りやすいようです。
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シャフトを支えて車輪を回転させると、
かすかに「コツコツ」音がします。
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ベアリングボールか玉押しに傷が入っているのかも知れま
せん。グリスを追加し玉押しボルトを調整して様子を見ます。
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続いて後輪を外します。先に
ブレーキを解放しておきます
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購入以来ブレーキシューを一度も交換して
いません。ほぼ限界近くまで摩耗しています。
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チェーン駆動部が組み込まれており、
後輪の取り外しには手間がかかります。
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転倒時のディレーラー(変速機)ガードを
外します。ハブボルトにレンチが掛かりません。
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左右両側のハブボルトを緩めます。ディレーラーを
押し込みチェーンを弛ませながら車輪を抜きます。
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後輪が外れました。こちら側のハブ
ベアリングに問題はないようです。
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タイヤとチューブを取り外します。
いずれも新品に交換します。
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スポークの錆を出来るだけ落とします。
スチールウールに水を含ませて擦ります。
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新しいチューブをリムにセットします。径が小さ目
なので、引き伸ばしながら捻れないように入れます。
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空気バルブが傾かないよう位置を
合わせ、固定ナットをねじ込みます。
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チューブに空気を少し入れ、
リムとの密着具合を確認します。
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新品のタイヤです。MTB用、26インチ径、1.95インチ幅のHooked
Edge
規格です。ネット通販で購入すると、自転車店店頭価格の半額以下です。
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後輪を先に取り付けた方が作業しやすくなります。
タイヤが新しいだけで見栄えが大きく変わります。
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続いて前輪も取り付けます。幸いこの自転車は
フレームチューブにほとんど傷みがありません。
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ボロボロのグリップラバーを取り除きます。
表面に切り込みを入れ引き剥がします。
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交換用の新しいグリップです。配達後
開封してみると長さが合いません。
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カッターナイフで余分を切り落とします。
隙間が出ないよう垂直に加工します。
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ハンドルバー、グリップの両方に
洗剤を塗り付けて押し込みます。
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元のグリップの方が高品質でしたが、それでも新品には
遠く及びません。握りやすくしっとりした良い感触です。
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前後の泥除けを補修します。劣化した
樹脂表面を軽くペーパー研磨します。
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劣化面を落とすのではなく
塗装のための足付けです。
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プラサフを2回吹き付けます。
艶消しに仕上げるので研磨しません。
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プラサフの乾燥を待って艶消し黒を吹き
付けます。雨天のため載りが今ひとつです。
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泥除けを元の位置に取り付けます。固定
ネジは後でステンレスネジに変えましょう。
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前輪泥除けも取り付けます。
新品時の見栄えが戻りました。
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破れたサドルも交換します。サドルカバーを
被せてしまう方法もあるのですが・・、
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細身で固いスタイリッシュなサドルは、
長時間乗車時にお尻に優しくありません。
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新しいものをネット通販で一緒に購入しま
した。表面材質が柔らかく面積があります。
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何とネット価格550円!です。
サドルカバーよりも安いのです。
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ブレーキワイヤーの調整を済ませ、今回の整備作業は終了です。
ブレーキシューや伸びたブレーキワイヤー・変速ワイヤーも交換
したいところです。自転車に乗って部品を買いに行くことにします。
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