![](Onkyo_MDCD/180926-141428.jpg)
浦安市から工房までご依頼主が持参されたMD・CDコンポです。MD・CDとも
再生ができず修理をご希望です。一流メーカー製の比較的新しい機種で、MD・CD
いずれのピックアップユニットも十分入手可能なので、修理をお引き受けしました。
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ONKYO社の製品です。MDはほとんど聴かない
そうで、CDのみ修理してほしいとのことです。
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背面側の様々な端子群です。かつてこのような
メカニカルな外観が喜ばれた時代がありました。
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背面側下部に飛び出した部分は電源ユニット
でしょう。銘板に「FR-155A」とあります。
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元はシステムコンポINTEC155シリーズ
X-A7にセットされていたセンター部分です。
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電源を入れて動作確認を行います。CDを
入れていないので「No Disc」の表示が出ます。
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テスト用のCDを入れてみます。
トレイのローディングは正常です。
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トレイが引き込まれTOCを読み
込みます。この動作も正常です。
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再び「No Disc」の表示です。
CDを認識していないようです。
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ピックアップレンズの汚れ、レーザー出力の低下など
色々原因を考えながら、取りあえず本体を分解します。
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年数が経過しているので、基本的には
CDピックアップユニットを交換します。
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FR-155A用の補修用ピックアップユニット
KSS-213Cは間違いなく入手可能です。
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CDドライブは本体底部近くに組み込まれて
います。ドライブを取り出す作業が厄介です。
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前面の化粧パネルを取り外しています。
音量つまみの内側に固定ネジがあります。
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左右で噛み合っている爪を外します。
ドライバーの先を入れて浮かせます。
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前面化粧パネルが外れたものの、その
内側にもう1枚別のパネルがあります。
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![](Onkyo_MDCD/180926-142221.jpg)
内側のパネルも取り外さないと
CDドライブにアクセスできません。
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底面に1本、側面にも固定ネジがあります。
巧妙に設計された立体的な実装構造です。
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何となく一体型デスクトップPCの
内部実装を想像させる構造です。
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内側パネルが外れてきます。前面化粧パネルと別部品に
するとは、ONKYOの製品デザインへのこだわりでしょう。
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![](Onkyo_MDCD/180926-142702.jpg)
内側パネルにはスイッチ基盤、LCD等が取り付け
られ、本体とリボンケーブルで接続されています。
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![](Onkyo_MDCD/180926-142847.jpg)
CDドライブを取り出せる一歩手前まで来て
いますが、最後の固定ネジが分かりません。
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![](Onkyo_MDCD/180926-142946.jpg)
本体の向きを変えると、底面に金属カバーが取り付け
られています。簡単にネジ止めされているだけです。
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![](Onkyo_MDCD/180926-143037.jpg)
驚くべき設計がされていることに気づきました。底面カバーを取り外すと、
そこには「こんちは」とでも言わんばかりにCDピックアップユニットが・・
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![](Onkyo_MDCD/180926-143239.jpg)
底面カバーを外すだけで、ピックアップユニットを
メンテナンス出来るよう設計されているのです。
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![](Onkyo_MDCD/180926-143413.jpg)
固定ネジとサスペンションスプリングを取り外します。
本体底部の手の届き難い位置ではなく、全く逆です。
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![](Onkyo_MDCD/180926-143455.jpg)
いとも簡単にピックアップユニットを取り出すことが出来ます。接続ケーブルも
ピックアップ基板側で脱着可能です。本体の分解など・・不要だったわけです。
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![](Onkyo_MDCD/180926-144941.jpg)
先に言ってくれれば・・と思うも、見事な設計に
感心しながら、ピックアップの点検を進めます。
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![](Onkyo_MDCD/180926-145006.jpg)
確かにピックアップユニットはKSS-213Cです。
手前の半固定抵抗はレーザー出力調整用でしょう。
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![](Onkyo_MDCD/180926-145111.jpg)
ローディングトレイ式のCDプレーヤーは
ピックアップレンズの清掃が困難です。
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![](Onkyo_MDCD/180926-145103.jpg)
念のためレンズ表面の清掃を行います。
綿棒の先を柔らかくほぐして使用します。
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![](Onkyo_MDCD/180926-145200.jpg)
少量のアルコールを含ませ、レンズのサーボ
機構に力が加わらないよう優しく撫でます。
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![](Onkyo_MDCD/180926-144641.jpg)
いったんピックアップユニットを元に
戻し、動作を確認してみます。
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![](Onkyo_MDCD/180926-144352.jpg)
前面パネルを外したことで、セットしたCDの端が確認できるように
なりました。TOCを読み込んでいる途中、CDが回転していません。
モーター音が聞こえるのでモーターは回転しているようです。
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![](Onkyo_MDCD/180926-150450.jpg)
本体を持ち上げ、底から指先を入れてピック
アップユニットを軽く持ち上げてみると・・
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CDが回転し曲が正常に再生されます。
手を放すと回転は止まってしまいます。
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ピックアップユニットを支えているサスペンション
スプリングです。ヘタリにより高さが縮んだようです。
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その結果、スピンドルパッドがCDに十分接触出来なくなった
ことが原因です。スプリングを伸ばして高さを復活させます。
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ピックアップユニット自体には何も問題がありません。
レンズも清掃したので当分使用できるでしょう。
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![](Onkyo_MDCD/180926-151629.jpg)
本体を元通りに組み上げ、再度動作確認を行い
ます。ヘッドホンから綺麗な再生音が聴こえます。
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![](Onkyo_MDCD/180926-151647.jpg)
希望されなかったのでMDピックアップユニットは修理を見合わせました。
仮に修理した場合、交換用ユニットはKMK260でまだ在庫があります。
某海外ショッピングサイトで購入すれば僅か1000円ほどです(少々不安)。
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