昨年の内にご相談があり、下準備をしながらご用命をお待ちしておりました。
施設を囲むデッキに設置された廂(ひさし)に雨樋が取り付けられています。
その縦樋が劣化しているので補修して欲しいとのことです。部材を交換します。
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北西方向から南東方向に
伸びる駐車場側のデッキです。
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9本ある支柱のうち7本に
縦樋が取り付けられています。
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北東から南西に伸びる道路側のデッキ
です。支柱8本のうち7本に縦樋があります。
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横樋が受けた雨水をオフセット位置の縦樋に
導くため、蛇腹呼樋が使われています。
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この蛇腹呼樋から雨水が垂れてくるそうです。経年劣化により材料が
変質し、近くから見ると蛇腹が所々割れています。ビニルテープで
修復されたものもあります。新しいものに交換するしかありません。
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蛇腹呼樋と縦樋(42mm丸)の連結部です。
蛇腹を固定するキャップが白化し始めています。
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縦樋にも材質の劣化が見られますが
割れが生ずるほどではありません。
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支柱に縦樋を固定するサドルが
何か所か破損・紛失しています。
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縦樋最下部はエルボを介して横方向に雨水を
排出します。出口部分も横を向いています。
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縦樋周りの部材を全て交換することにします。42mm丸縦樋(2000mm長)、
42mm蛇腹呼樋、42mm丸アタッチメント、42mm丸サドル・バンド受けセット、
42mm90度エルボなどを必要数分、さらに塩ビ用接着剤などを調達します。
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縦樋の長さは1800mm強ですが、下部で
横方向に導くため120mm程度延長します。
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2000mm長の縦樋を切断し
余りを延長分に利用します。
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ネット通販の製品は格安ですが1800mm長なので、
ホームセンター扱いの2000mm長を使用します。
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横方向に向きを変えるため
42mm90度エルボを使います。
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縦樋の端(外周部)に塩ビ用
接着剤を塗り付けます。
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縦樋を受ける方にはメス側を使用
します。内周部に接着剤を塗ります。
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塩ビ用接着剤は意外と速乾性で、2・3分で
動かなくなります。手早く位置を決めます。
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6本(駐車場側)+7本(道路側)=13本の
縦樋に、90度エルボを接着しました。
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エルボの先に横方向の
延長部を取り付けます。
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丸樋側は内周部に
接着剤を塗ります。
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エルボはオス側を使用するので
外周部に接着剤を塗ります。
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縦樋の切断とエルボ・延長部の取り付け
まで、事前に工房で済ませておきます。
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交換作業の当日です。工房テクニカルパートナーの方2名の協力を得て作業を
進めます。工房で縦樋の加工を終えているので、新旧を交換するだけの作業です。
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最初に元の部材を全て撤去します。傷みの
少ない材料も、再利用は考えません。
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丸アタッチメントの固定ネジが錆で固着しています。
上向き垂直方向なのでドライバーの扱いが大変です。
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古いアタッチメントを外し、代わりに
新しいアタッチメントを取り付けます。
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蛇腹呼樋のジョイント部はアタッチメントに
合わせてあり、嵌め込むだけでロックします。
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並行して、支柱の古いサドルを取り
去り、新しいものをネジ固定します。
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蛇腹呼樋はフリーサイズで長さに余裕が
あります。縦樋キャップを上に移動させます。
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縦樋に蛇腹を通します。蛇腹の余分は
切り詰めず、縦樋に入れたままにします。
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縦樋キャップを下げて縦樋に嵌め込みます。
かなりきつく嵌まるので接着剤は使用しません。
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縦樋の取り付け位置を確認します。
エルボが床面から僅かに浮くようにします。
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縦樋にバンドを掛け、支柱の
サドルに押し込みます。
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押し込むだけで「カチッ」と音が
してしっかり固定されます。
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サドルは支柱1本に3個取り付けられています。
上段・中断・下段にバンドを掛けていきます。
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3本のバンドで十分強く固定されます。
縦樋を上下方向に動かすことも出来ません。
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蛇腹呼樋の収まりを
再度確認・調整します。
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取り付け作業は「嵌め込む」だけ
なので一挙に作業が進みます。
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横方向延長部の出口は、エルボをもう1個追加し
垂直方向に雨水が排出されるようにしました。
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出口部エルボは、延長部の長さに変更が生ずる可能性が
あったため、現場で接着・取り付けることにしました。
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テクニカルパートナーの方が分業体制で能率良く
作業を進めた結果、計画の半分の時間で完了です。
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新品の部材に交換され、
光沢を放ち見栄えがします。
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延長部出口が下方を向いているので、豪雨時に
道路方向に雨水が吹き出る心配がありません。
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交換する部品が全て、元の部材と同等規格の製品なので、現場で部材同士の
接合按配や寸法調整など一切必要ありませんでした。工業規格品の有難さを
実感させられる作業になりました。ネットショップを利用することで部材を安く
調達すれば、3名分の作業料と若干の利益を載せても格安で受注できます。
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