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ノートPCディスプレイ内部ケーブル交換(2019.3.15)


ノートPCの液晶ディスプレイの調子が悪く、画面が表示されたりされなかったり
するそうです。既に家電量販店に相談され、液晶パネルの接続ケーブル不良との
ことです。補修用のケーブルを入手され、交換作業のご依頼をいただきました。

 

SONY製VAIO、PCG-7131N。Core2Duo
T8100搭載で、普段使いには十分でしょう。

 

ビビッドピンクの外装にはほとんど傷がありません。
電源を入れると取りあえず画面が表示されます。

 

ディスプレイパネルの状態も申し分ありません。
ディスプレイに手をかけ傾きを変えてみます。

 

手前に倒してくると、途中で画面の表示が消えます。バック
ライトが消えているだけで、パネル表示は残っています。

 

傾きを元に戻すと再び画面は正常に表示され
ます。ご依頼主がおっしゃっていた通りです。

 

修理品と一緒にお送り下さった補修用のケーブルです。
どのように入手されたのか教えていただきたいものです。

 

今一つ新品の印象がありませんが、間違いなくVAIO用の純正部品
です。コネクターをパネル裏面に固定するシールも付属しています。

 

ディスプレイ部を分解します。液晶
パネル交換時と全く同じ作業です。

 

外側カバーは4隅でネジ固定されています。
ネジの頭を隠す化粧キャップを外します。

 

ラバー製キャップは両面
テープで固定されています。

 

両面テープの残りを
完全に取り出します。

 

キャップを外した奥に
固定ネジが見えます。

 

ドライバーを入れて
ネジを緩めます。

 

ディスプレイ下側のネジも緩めます。
周囲に傷を付けないよう注意します。

 

ネジ穴の奥にディスプレイパネルの
金属部分が見えています。

 

ディスプレイ部の外側カバーは、前後2枚でパネルを挟む
構造です。緻密な嵌合により隙間なく組み立てられています。
 

隙間をこじ開けなければなりません。傷を
残さないために樹脂製のピックを用います。

 

専用のケースオープナーを揃えたいところですが、以前にスマホのタッチスクリーン
交換の際に付属してきたピックを流用しています。これで十分に用が足ります。

 

ツメの位置を探りながら、無理をせず
少しずつ隙間を広げていきます。

 

ツメの近くにピックが入れば
嵌合は簡単に解除されます。

 

上辺、左右辺の順に外します。この嵌合ツメを絶対に
折らないよう、かつ傷を付けないよう慎重に作業します。

 

次に底辺の嵌合を解除します。ヒンジ部を
跨いでいるので構造がやや複雑です。

 

ヒンジ間のスパンの長い部分は
比較的簡単に外れてきます。

 

全てのツメが完全に解除
されたことを確認します。

 

手前側カバーは、内窓の周囲が両面
テープで液晶パネルに接着されています。

 

樹脂製カバーを破損しないよう、ゆっくり
少しずつ接着を引き剥がしていきます。

 

両面テープは耐衝撃性に優れますが、
静荷重が長く加わると剥離しやすくなります。

 

手前側のカバーを慎重に取り外します。
無理をすると歪みや変形が残ります。

 

手前側カバーが外れ液晶パネルおよび下部の配線周りが現れました。
ここまでのカバーを外す作業が最も厄介かも知れません。カバーに傷を
残したり破損する可能性が少なくないからです。また機種により組み立て
構造がまちまちです。ご依頼主はその辺りを懸念されたようですが、守谷
工房とて100%作業に自信はありません。丁寧・慎重に進めるだけです。

 

左側ヒンジ部から接続ケーブルが引き出されています。
一部が分岐してバックライト用高圧回路に接続されます。

 

通電した状態でケーブルの手前を
ピンセットで摘まんでみます。

 

軽く動かすとパネルの表示が消えます。この中で
高圧回路への配線が内部断線しています。

 

ディスプレイ開閉の度にひねりが加わる部分なので、
長期間のうちに断線が起こっても不思議ではありません。

 

高圧回路のコネクタを外し、パネルの裏側に
回って映像信号の接続コネクタを外します。

 

極薄のフラットコネクターは、脱落防止用に
粘着テープで補強固定されています。

 

粘着テープを丁寧に剥がし
コネクターを引き抜きます。

 

パネル裏側に回り込んだところにも
テープによる仮固定があります。

 

ここから先の作業は、本体底面
カバーを外す必要があります。

 

「⇒」マークのあるネジを全て緩めると大概
分解できます。家電製品全般に共通します。

 

HDDユニットは底面カバーを通して
本体にネジ固定されています。

 

従ってHDDユニットも
取り外す必要があります。

 

バッテリー収納部の内部にも
小ネジによる固定があります。

 

本体底面カバーが外れます。ネジ本数が多い
もののディスプレイ部カバーに比べると簡単です。

 

液晶パネルの接続ケーブルが、ヒンジの脇から内部に引き込まれます。
冷却ファンの横を通り、メイン基板のソケット位置まで延びています。

 

左チャンネルスピーカーの取り付けマウントに
ケーブルのトラップが成型されています。

 

トラップからケーブルを外し
基板からコネクタを引き抜きます。

 

カメラへの配線もいったん
コネクターを抜いておきます。

 

ケーブルを取り出すにはヒンジの
カバーを外す必要があります。

 

ヒンジカバーの固定ネジは、ヒンジを取り外した状態で締め
られるようです。ドライバーがネジ溝に完全に入りません。

 

ヒンジカバーの干渉がなくなり
元のケーブルを引き出します。

 

断線部分には極細のビニル線が使用されていると思います。外覆を剥がして
ビニル線を取り出し、断線該当部分を修復することも不可能ではありません。
今回はご依頼主が補修部品を用意して下さったので楽をさせてもらいます。

 

新しいケーブルです。フラットコネクタの側を
背面側ディスプレイカバーとパネルの間に通します。

 

外した時の逆順でコネクターを取り付けます。
映像信号のコネクタをしっかり差し込みます。

 

カメラ配線のコネクタを差し込みます。ソケットの根元がぐら
ついていたので、周囲に瞬間接着剤を入れて補強します。

 

高圧回路への電力供給用でしょうか、
残るコネクターも差し込みます。

 

スピーカーマウントにあるトラップにケーブルを
かけます。巧妙に設計されているものです。

 

ヒンジの脇を通りディスプレイ側にケーブルを延ばします。
繰り返されるひねりに耐えるよう余裕を持たせます。

 

液晶パネル裏側の映像信号コネクターを接続
します。粘着テープの保護紙を剥がし貼り付けます。

 

パネル下部で本体側に折り返す
手前を、テープで仮固定します。

 

バックライト点灯用高圧回路へ
コネクターを差し込みます。

 

ディスプレイの開閉によりひねりが
加わる部分を再度確認します。

 

ヒンジカバーを元に戻します。ネジ位置に
ドライバーが合わないので慎重に締めます。

 

この段階で動作を確認してみます。
問題なく電源が入り画面が表示されます。

 

ディスプレイ部を前後に繰り返し傾けて
みます。表示は全く安定しています。

 

手前側のカバーを取り付けます。
ほとんど「嵌め込む」作業です。

 

手前側カバーの内窓周囲を接着する両面テープは、まだ粘着力が
低下していないようなので交換せず再利用します。ディスプレイを
動かすたび、表示が付いたり消えたりする煩わしさが解消しました。

 

手前側カバーを固定するネジの頭を
隠す化粧キャップです。元に戻します。

 

元の粘着テープを取り去っているので
新たに両面テープを用意します。

 

両面テープの片面にキャップを貼り付け、
キャップ形状に合わせて切り取ります。

 

簡単に接着剤で貼り付けて
しまう・・わけにはいきません。

 

両面テープの裏紙を剥がし、
元の位置に貼り付けます。

 

このキャップはディスプレイ部を閉じる
際に、本体との緩衝材の役も果たします。

 

ここまで作業してくると、液晶パネルや外側カバーの表面は
手垢だらけです。最後に全体をクリーニングして作業完了です。

 
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