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工作教室教卓の修繕(2021.4.10)

 
工作教室に備えられている教卓を修繕します。教室や校舎自体も老朽化して
いますが、この教卓の壊れ方は半端ではありません。元々別の施設から譲り
受けてきたもので、想像するに50年以上経過していると思われます。分厚い
天板に太い角材が組み合わされた堅牢な構造なので、現時点でも骨組みは
何とか保たれています。が、手前の破れた側板が生徒側から丸見えです。

*写真をクリックすると修繕後の写真にジャンプします。
 

何故か床面近くに打ち抜かれた
ような穴が並んでいます。

 

備品としての耐用年数はとうに過ぎているので新調されても
良いのですが、これだけ頑丈な木製教卓は非常に高価です。

 

前面の側板を全て交換することにします。框に
加工された溝に合板が嵌め込まれています。

 

力づくで引き剥がしてしまいますが、
製作当時の丁寧な仕事が分かります。

 

縦方向の框を介して側板が5枚並び、左右の両袖に引き出し、中央の
3ブロックには棚板が取り付けられています。中央部には補強となりうる
支柱がなく、無垢材の天板に梁としての強度を求める剛健な設計です。

 

骨組みを分解しない限り元の溝を再利用する
ことは困難です。別の方法を採用します。
 

側板が嵌め込まれていた溝の奥側に
新しい合板を固定する桟を取り付けます。

 

内枠に合わせて長さを取ります。全体が
変形しているので現物合わせです。
 

合板が固定できれば良いので
ラフな採寸で問題ありません。

 

桟を固定する釘を、取り付け
前に打ち付けておきます。

 

材料を取り付け場所に当てた状態では、
この細いほぞ釘を打ち付けるのは困難です。

 

桟に接着剤を塗ります。接合を
担うのは釘ではなく接着剤です。
 

しかし、接着剤は乾燥固化するまでに
時間がかかるので釘を併用します。
 

内枠に合わせて桟を
取り付けていきます。
 

周囲を囲む桟が新しい
合板を受け止めます。
 

5ブロック全てに桟を取り付けました。框の一部で、側板が嵌まり
込んでいた溝が割れて框の外側まで及んでいます。接着剤を入れて
補修し、乾燥固化するまでマスキングテープで仮固定しておきます。

 

側板に使用する新しい合板です。明るい
色合いの木目調化粧合板を使用します。

 

薄板なのでカッターナイフでカットします。右利き
ですが写真撮影の都合で左手で作業しています。

 

先に縦方向の長さを合わせ
木目も縦方向に取ります。

 

横方向は枠に当てながら
現物合わせで取ります。

 

枠の溝に嵌め込まないので、元の
側板よりもひと回り小さくなります。

 

全体が不均一に歪んでいるのでぴったり
には入りませんが、後の化粧で隠れます。

  

合板にも先に釘を(途中まで)打ち付けておき
ます。ほぞ釘を4辺に各4本ずつ打ちます。

 

合板固定用の桟と同じく、材料を
当ててから釘を入れるのは面倒です。

 

合板を切断しているうちに桟を固定している接着剤が
効いてきました。合板を固定する接着剤を入れます。

 

内枠全てに接着剤を入れます。桟自体の
接着は釘打ちに耐える強度に達しています。

 

合板を当てます。元の溝に落ちない
よう位置を決めなければなりません。

 

予め打ち付けてあるほぞ釘の先が出ているので
軽く押し付けておけば位置はずれません。

 

釘を打ち込みます。桟を確実に捉えるため
やや外向きに傾けて打つようにします。

 

釘の頭が飛び出ないように
最後まで打ち込みます。

 

合板5枚分の取り付けを終えました。なんかこう、すっきりして
いい感じです・・、というのも元が酷かったからでしょうか。

 

化粧打ちなど要らないのではないかと
思いますが、予定通りに仕事します。

 

さらに細い桟を用意します。隅を45度の留めに
加工するためスライドソーを使用します。

 

工作教室の備品があることを知っていたので、
工房のスライドソーを持参しませんでした(確信犯)。

 

現物合わせとはいえ、化粧打ち
なので正確に長さを取ります。

 

仮固定用のほぞ釘を2・3本
打ち付け、接着剤を塗ります。

 

化粧打ちなので、釘は途中まで打って
接着剤の乾燥後に抜いてしまいます。

 

45度の留め継ぎにしながら
周囲に化粧打ちします。

 

接着剤のはみ出しは、乾燥後に
半透明化して目立たなくなります。

 

やはり化粧打ちを端折らなくて正解です。合板を打ち付けた隙間が
隠れるばかりでなく、周囲が引き締まり品が違います。接着剤が
ある程度効いてくるのを待って、仮固定のほぞ釘を抜き取ります。

 

作業完了です。写真をクリックすると修繕前にジャンプしますので
比べてみて下さい。工作教室の周囲の雰囲気まで違ってきそうな
変わり様です。重量がある教卓を定位置から動かすこともできず、
床面近くの低い姿勢で作業を続けたため、かなり腰にきています。

 
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