MTR(Multi Track Recorder)の修理に挑みます。カセットテープを使用する
4チャンネルの小規模レコーディングミキサーです。チャンネルごとに独立した
フェーダーやパンを備え、計測器のようなレベルメータがプロスタジオの雰囲気を
醸し出します。デッキは4トラック録音ヘッドを搭載し、倍速の9.6cm/s走行です。
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「TASCAM」は米国TEAC社のプロ用オーディオ部門、
Porta Studio244が米国で発売されたのは1982年です。
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目が出るほどの値段だったと思いますが、デジタル化された
現行機種DP-32SD(32チャンネル)は5万円を切ります。
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電源を入れてみます。レベルメーターに照明が
灯り、最低限の電気回路は動作しています。
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テープデッキ部の操作ボタンが破損しています。
キートップが陥没して押し込むことが出来ません。
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カセットテープのイジェクトボタンは紛失しています。
ドライバーの先で押し込むとカバーを開けられます。
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FF・REWなど他の操作ボタンも正常では
ありません。テープカウンターの表示はOKです。
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本体を逆さにして底部カバーを取り外し
ます。周囲の固定ネジを緩めます。
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4チャンネルの小規模録音機器とはいえ、
カバーを外すとこの密着・密集ぶりです。
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家庭用オーディオの設計・実装とは次元が異なることが分かります。高度な
回路技術が投入され、高品質の電子部品がふんだんに使用されています。
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隣接するデッキ部です。打って変わり、いかにも荒廃した空気が漂います。
フレームやプーリに黒い汚れが広がり、見るほどに動作しそうにありません。
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こちらはキャプスタン軸を回転させるプーリとゴム
ベルトです。汚れたベルトがプーリから外れています。
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ヘッドユニットをロジカル動作させるベルトです。
経年劣化でゴム材が溶け出しています。
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年代物のデッキに、溶けたゴムベルトは付き物
です。カバーにもカーボンの汚れが飛んでいます。
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デッキ部を重点的に修理することにします。
ユニットを取り出すには配線が邪魔です。
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コネクタを抜き、陰に隠れている固定
ネジを見つけては緩めて行きます。
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デッキ下部に組み込まれているロジック制御
用の基板です。やはりフレームに干渉します。
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操作ボタン基板との接続
コネクタを切り離します。
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上下2枚の基板で構成されています。
ロジック制御だけにしては大袈裟に思いますが、
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フルロジックデッキ制御用チップなど無い時代です、
TTL-ICレベルでロジックが構成されています。
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デッキのフレームを固定しているネジが
外れ、何とかデッキが持ち上がってきます。
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しかし、まだ何本もの
ケーブルを引きずっています。
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2枚構成のロジック制御基板を分離し、
間に差し込まれているコネクタを抜きます。
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よくぞTTLのみで複雑な
ロジックを実現したものです。
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ピン数と色分けにより、何とか
ソケットを区別できそうです。
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フラットケーブルが普及していないので
全てビニルコードの束による配線です。
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ようやく隣のミキシング回路へ延びる配線が
出てきます。シールド線が使用されています。
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デッキヘッドとプリアンプ間の
微少アナログ信号接続です。
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デッキの脱着に干渉する基板・ケーブル類が
全て分離され、デッキを取り出すことが出来ます。
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高級カセットデッキレベルの堅実な造りです。フレームに厚手の金属板を使用して剛性を
高め、テープの安定走行が図られています。やはりプロ用機材の仕様が滲み出ます。
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最初の修理目的地は
まだこの先にあります。
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デッキユニットの先、本体表側のパネルに
出ているデッキ操作ボタンを目指します。
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ミキシングアンプの回路基板やデッキユニットは、
内側のベースフレームを介して固定されています。
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操作ボタン基板はベースフレームを
取り外した下に位置しています。
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隙間なく各ユニットが配置された隙間を縫い、
ベースフレームの固定ネジが打ち込まれています。
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4チャンネル分のプリアンプ基板を外します。
芸術的な実装技術に目を奪われます。
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プリアンプ基板を引き起こすと、その下に4チャンネル分が
独立したミキシング基板が現れます。こちらも芸術的です。
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ミキシング基板の間に、プリアンプを固定する6角のポストが
立っています。同時にベースフレームも固定しています。
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固定ネジをほぼ緩めたところで、
表側からツマミ類を引き抜きます。
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ベースフレームを引き離してみます・・が、
本体背面側でまだ何かに干渉します。
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背面側にも固定個所があるようです。
2枚の金属プレートを取り外します。
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金属プレートは1枚で、その下にある
2個のレベルメーターを押さえ付けています。
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レベルメーターの固定が解除されないと、
メーターへの配線が分離を妨げます。
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ベースフレームが本体直下の姿を現しました。
ようやく操作ボタン基板にも手が届きます。
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タクトスイッチを備えた操作ボタン基板です。
FL発光のテープカウンターが隣接します。
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取り外した本体カバーの裏側です。
破損した操作ボタンを確認します。
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成形加工された樹脂材料が、経年により固化して材質が脆くなっています。
また、繰り返された押し込み操作により疲労が加わり、いくつかの折り曲げ
部分が破断しています。残りのボタンも破断寸前の状態にあります。幸いな
ことに、紛失したテープイジェクトのキートップは本体の中から見つかりました。
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折れた樹脂部品を修理するために、
ここまでの分解作業は釣り合いません。
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破断した部分を補修します。1mmのプラ板を
切り揃え、折れた部分に添木のように貼り付けます。
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接着剤劣化による脱落が起こらないよう、
溶着型の樹脂用接着剤を使用します。
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さほど疲労が進行していないボタンは、操作タッチを
大きく損なわないよう貼り付け補修を見合わせます。
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分解の途中で目を背けていたデッキユニットの修理にかかります。
駆動用ゴムベルトは、言うまでもなく新品に交換です。しかし、
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経年による変質が進み、
ゴム材が溶け出しています。
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含有するカーボンが周囲を著しく汚染します。
ユニットの内部にまで汚れが広がっています。
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ゴムベルトが通過する範囲を
全て分解しなければなりません。
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キャプスタン軸を回転させるエンジ色のゴムベルト
です。巨大なフライホイールが組み込まれています。
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ヘッドユニットを駆動するプーリを引き
抜きます。スナップリングを解除します。
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溶け出したゴム材がプーリの溝に
入り込んでいます。完全に取り除きます。
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ティッシュの小片にアルコールを含ませ丁寧に
洗い落とします。指先が黒く汚れて行きます。
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モーター軸に圧入されている
小型プーリも洗浄します。
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溝に入り込んだ汚れに
なかなか手が届きません。
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プーリ溝の一番深い部分は、細いニードルを
使ってもどうしても手が入らず、汚れが残ります。
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キャプスタン駆動用モータ軸に圧入されている
金属製プーリを洗浄します。比較的作業しやすいです。
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ベルト走行を安定させるため、プーリ溝の
中心がやや膨らんだ形状をしています。
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キャプスタン軸とピンチローラを点検します。「PLAY」状態で停止しており、長い期間
押し当てられたままだったようです。幸いピンチローラの状態は良好で、キャプスタン軸
による段付きも見られず、ゴム材の劣化もありません。表面を研磨・整形しておきます。
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キャプスタン軸の上方に、早送り・巻き戻し
リールを回転させるアイドラーがあります。
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アイドラーの周囲にはゴム製タイヤが嵌め込まれて
いますが、そのゴムが悲惨なことになっています。
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夏のさなかに溶け出したアスファルトのような手に負え
ない事態です。どこまで汚れが広がっているのでしょうか。
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アルコールを含ませたティッシュ片で
ひたすら溶けたゴムを取り除きます。
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スナップリングを外しアイドラーを持ち上げると、
・・さらに奥まで汚れが入り込んでいます。
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アイドラーの駆動モーター取り付けプレートまで
分解しないと、入り込んだ汚れを除去出来ません。
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モーターの制御基板を外すと、プレートの
固定ネジを緩めることが出来ます。
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奥まったところにもう1枚アイドラーがあり、
こちらもタイヤのゴムが溶け出しています。
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アイドラーを取り出して徹底的に洗浄します。
ティッシュ片を何度も取り替えながら拭き取ります。
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溶けたゴムを完全に除去してしまうと、
当然フリクションを維持できなくなります。
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フリクション(回転時摩擦)を復活させるため、
タイヤを補います。ゴムシートを細く切り出します。
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アイドラーのプーリ溝に
一致する幅に切り出します。
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シート端に接着剤を付けて、
撒き初めの位置に貼り付けます。
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シート表面に接着剤を付けながら
プーリ溝に巻き付けて行きます。
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アイドラーの径をシート1枚分の厚みだけ
上回ったところで巻き終わりとします。
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巻き終わった部分には
このような突起が残ります。
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ヤスリまたはペーパーにより
突起を削り取り、平滑にします。
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元のサイズ通りのタイヤなど入手できない
ので、タイヤに代わる補修方法を採ります。
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テープ巻き取り量による回転数調整を行うフェルトを
巻いたプーリが、アイドラーの下に重なっています。
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モーター軸のフリクションスリーブ
ともに汚れを取り除きます。
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補修したアイドラーを組み込み、「FF」・「REW」機構を元通りに組み
上げます。早送り・巻き戻しとも正常に機能すると良いのですが・・。
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ヘッドユニットを移動させる駆動プーリを洗浄します。
トルクが必要なので大きな減速比が与えられています。
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洗浄を終え、新品のような
外観を取り戻しました。
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各プーリにかかるゴムベルトを
全て新しいものに交換します。
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角断面のゴムベルトから
サイズが適合するものを探します。
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ヘッドユニット移動用の駆動ベルト、
交換完了です。確実に動作します。
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続いてキャプスタン駆動用の平ベルトを選びます。
モーター軸側プーリの溝幅にベルト幅を合わせます。
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こちらも交換完了です。分解ついでに、回転軸周りには少量の注油を行います。
デッキユニットを修理・調整しても、ようやく手が汚れなくなりました。分解時の
逆手順で本体を元通りに組み上げ、配線の束を注意深く接続し直します。
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「PLAY」が正常に動作し、通常の倍速で
音楽が再生されます。カウンターも正常です。
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「FF(早送り)」・「REW(巻き戻し)」も軽快に動作します。
デッキユニットが堅牢なので、動作音が軽く聞こえます。
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レベルメーターが小気味良く信号に反応します。
2チャンネル分はテープB面の逆方向再生です。
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紛失していたイジェクトボタンも復活し、カバーが
一瞬で開きます。テープ自体は手で取り出します。
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プロ志向の製品なので、デッキ部の操作性や反応は抜群に軽快です。モーターの
性能劣化や機構の動作不良もなく、デッキ部は完全に蘇ったと言えるでしょう。本来
ならばミキシングアンプやプリアンプの調整(キャリブレーション)も実施するべきですが、
基準信号のジェネレータや歪測定器などミキサーならではの専用測定器が揃わないのと、
中途半端な調整で逆に全体のバランスを崩すことにもなりかねないので、見合わせます。
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