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ジェットバスを復活させる3(2024.12.31)
元の電源ユニットを何とか修理したく
タナテック
の田辺氏にも
ご指導を仰ぎましたが、パワー段(スイッチング電源)以前に
リモコンとの通信部分やドライブ段の論理回路に問題がある
ようです。論理が把握できないことには解決の見込みが全く
立たず、当てずっぽうに部品を交換しても意味がありません。
電源ユニットの修理を諦め、ユニバーサル
電源を現地に持参し接続してみると、
ジェットポンプは健在で、代替電源に
より動作することが確認されます。
ならば元の電源に代わる電源ユニットを用意するまでです。
5年前・10年前に比べると、より高性能のスイッチング電源
ユニットが開発され、しかも低価格化して販売されています。
元のユニットが15~20V、10~15Aの
仕様でしたので24V、20Aの電源を選びます。
実際に480Wの出力は期待できませんが、
元が最大300Wなので十分でしょう。
元のユニットの金属製ケースを、内部を
取り出してそのまま再利用します。
電源ユニットのケースの一部が、
サーキットブレーカーに干渉します。
ケースの一部を切断し
干渉を避けます。
元のケーブル配線やそれらの接続
コネクタも再利用できて好都合です。
電源ユニットを固定するネジ穴を
開けます。紙を1枚あてがい、
本体のネジ穴位置に
印をつけておきます。
穴位置が印された紙を
元のケースに当てます。
新しいネジ穴の位置をケースに
写し取り、ドリルで穴を開けます。
手に入れた新しい電源ユニットには、電圧調整用
(0~24V)のポテンショメータ、さらに出力電圧と
電流を表示する3桁数字LEDが2組取り付けられて
います。電源ユニット本体に組み込まれていては
使いにくいので、外部に取り出す改造を施します。
ポテンショメーターは六角ナットで
側面に固定されているだけです。
ポテンショメーターではシャフトの回転数が多く、
さして精度も必要ないので付属のVRに交換します。
数字LEDへの配線も丁寧に
コネクタが使用されています。
ですが、LED自体の固定は
横着にもグルー接着です。
簡単に取り外すことができる点は
助かりますが・・どうなんでしょう。
元の金属ケースの
側面に移設します。
元々ジェットポンプのケーブルを接続する
コネクタが嵌め込まれていた開口部です。
穴の周囲を少し広げることで
数字LEDが収まりそうです。
これでケースの外から出力
電圧と電流を確認できます。
背面基板のはみ出し部分を固定に利用します。
パターンの露出部分にアクリルを挟み絶縁します。
ケース本体への固定も
瞬間接着剤で済ませます。
元と同じく接着剤による安直な固定ですが、
樹脂-金属間接着の強度は強烈です。
元の位置に電圧と電流を
表すシールが貼られています。
丁寧に剥がして新しい
位置に貼り直します。
数字LEDへの配線を取り出すため
上側のケースに切り欠きを設けます。
このようにして配線を
外部に引き出します。
金属板の切り欠きはそのままでは
ビニルコードの被覆を傷付けるので、
電源コードから外被覆を
切り出して2つ割りにし、
切り欠き部の周囲に接着して保護、
はみ出し部分をカットしておきます。
数字LEDへの配線を通し
上側カバーを戻します。
電源ユニット1次側(AC100V)の
配線を(動作確認用に)用意します。
ターミナル列の右端、
NとLに接続します。
ジェットバスのON・OFFには、この
無線モジュールを使用します。
リモコンでAC100Vを直接ON・OFFできるモジュールで、
有難いことに防水仕様しかも電池など電源が不要です。
引き込んだAC100Vを仮接続してみます。
押しボタンは少し重く、内部で発電するようです。
受信側モジュールのLEDが点灯し、
内部のスイッチが入り出力ONになります。
元の電源ユニットおよびリモコンには、ジェット流の強弱を
調整する機能があります。電圧調整VRを複数の固定
抵抗器に置き換えてスイッチングすることで再現は可能
です。ですが、普段ご依頼主は「強」・「中」・「弱」のうち
「強」でしかお使いになっていないそうで、ご了解の上
省略することにします。もし必要があれば電源ユニット
まで手を伸ばし調整用VRにより強弱を調整可能です。
電源ユニットをケースに収め、予め
開けておいた穴からネジ固定します。
数字LEDへの配線を
コネクタ接続します。
出なツ調整用のポテンショメーターは
付属する可変抵抗器に交換済みです。
過電流のインジケータが覗いて
いた穴を再利用し固定します。
ジェットポンプ(モーター)への配線も
中継コネクタごと再利用します。
ケースの穴から内部に引き込み、
電源ユニットの出力端子に接続します。
電源ユニット1次側に接続した
配線を隙間から引き寄せます。
リモコン受信モジュールの
出力に接続します。
VFFケーブルの単芯線が簡単に
ネジ固定できて楽なものです。
受信モジュール自体は
両面テープで固定します。
電源はケースごと浴室の天井裏に設置されるので、
水分の侵入などさほど気にする必要がありません。
最小限の構成として、新しい
電源ユニットが出来上がりました。
リモコンのON・OFFが正常に機能しています。ONの状態で
数字LEDに表示されている電圧がモーターの配線に出ています。
モーターの配線がケースの穴をくぐる際、
金属板の切り口に直接触れています。
元々貼り付けられていたシールに印刷
されている文字が、現状と異なります。
そこで元のシールを
綺麗に剥がしてから、
アクリル板で新しい
プレートを製作します。
必要な開口部に合わせて
正確にカットしてあります。
位置を合わせ瞬間接着剤で
ケースに貼り付けます。
数字LEDの横に貼られていた
単位のシールを丁寧に剥がし、
プレート上の数字LEDの
横に貼り直します。
電圧調整用VRも
取り付け直します。
プレートの上から
六角ナットを締めます。
ここまで作業した時点で、いくつか変更案を思い付きます。
ひとつは水位センサーが未接続であることです。浴槽内に
水が入っていれば導通状態になる単純なスイッチですが、
そのON・OFFに電源ユニットが対応しなければなりません。
そしてジェット流の途中すなわち浴槽近くにあるセンサーは、
安全のため定電圧で動作させる必要があります。そこで、
電源ユニット2次(出力)側に12V駆動のリレーを入れます。
リレーを駆動する12Vは、この
小さな電源モジュールで作ります。
12V出力とリレーのコイル端子の
間にセンサーの配線を入れます。
追加する2個のモジュールを固定するため、
絶縁用のプラ板を両面テープで貼り付け、
その上にモジュールをグルー
ガンで接着固定します。
写真のリレーモジュールはAC・DCとも容量10Aの
ものですが、余裕を見込んで後で30Aに変更します。
12V電源モジュールを使用せず、電源ユニットから
低圧を引き出して駆動した方がより安全でしょう。
水位センサーを接続する
元のコネクタです。
プレート上のスリットを通して
ピンを内部に引き込みます。
予めコネクタのベースを固定
する枠を接着しておいて、
その内側に瞬間接着剤で
固定し補強します。
ケース内部側に出たピンに配線を
接続し熱収縮チューブを被せます。
熱収縮チューブを加熱し
ピンの周りを絶縁保護します。
新しいプレートによりモーターへの配線も
傷付けることなく保護されます水位センサーの
コネクタも十分に強度が保たれています。
水位センサーのピンを
ピンセットで短絡すると、
リレーに通電して
接点が導通します。
電源ユニット出力の片側を
リレー接点を経由させます。
リモコン受信モジュールの出力に
電源ユニットの1次側を配線します。
電源ユニットのターミナルと
ケースの隙間がギリギリです。
ターミナルのネジを十分締めて
配線を確実に接続します。
工房での作業は以上です。各部の
接続関係を念入りに確認します。
電源コードをコンセントに差し込むだけ
では、電源ユニットには通電しません。
リモコンを押すと通電して電圧が表示されます。
まだモーター配線には出力されていません。
調整用VRで電圧を増減できます。
無負荷なので電流はゼロのままです。
モーター配線にダミーの負荷(2Ωほどのセメント抵抗)を
接続し、水位センサーを短絡すると電流が流れます。
元の電源ユニットとほぼ同じ状態が再現されていますが
実際に現場でジェットバスに接続してみるまで成否は
分かりません。新しいユニットを携え現場に出向きます。
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