
元の電源ユニットを何とか修理したくタナテックの田辺氏にも
ご指導を仰ぎましたが、パワー段(スイッチング電源)以前に
リモコンとの通信部分やドライブ段の論理回路に問題がある
ようです。論理が把握できないことには解決の見込みが全く
立たず、当てずっぽうに部品を交換しても意味がありません。
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電源ユニットの修理を諦め、ユニバーサル
電源を現地に持参し接続してみると、
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ジェットポンプは健在で、代替電源に
より動作することが確認されます。
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ならば元の電源に代わる電源ユニットを用意するまでです。
5年前・10年前に比べると、より高性能のスイッチング電源
ユニットが開発され、しかも低価格化して販売されています。
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元のユニットが15~20V、10~15Aの
仕様でしたので24V、20Aの電源を選びます。
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実際に480Wの出力は期待できませんが、
元が最大300Wなので十分でしょう。
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元のユニットの金属製ケースを、内部を
取り出してそのまま再利用します。
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電源ユニットのケースの一部が、
サーキットブレーカーに干渉します。
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ケースの一部を切断し
干渉を避けます。
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元のケーブル配線やそれらの接続
コネクタも再利用できて好都合です。
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電源ユニットを固定するネジ穴を
開けます。紙を1枚あてがい、
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本体のネジ穴位置に
印をつけておきます。
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穴位置が印された紙を
元のケースに当てます。
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新しいネジ穴の位置をケースに
写し取り、ドリルで穴を開けます。
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手に入れた新しい電源ユニットには、電圧調整用
(0~24V)のポテンショメータ、さらに出力電圧と
電流を表示する3桁数字LEDが2組取り付けられて
います。電源ユニット本体に組み込まれていては
使いにくいので、外部に取り出す改造を施します。
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ポテンショメーターは六角ナットで
側面に固定されているだけです。
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ポテンショメーターではシャフトの回転数が多く、
さして精度も必要ないので付属のVRに交換します。
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数字LEDへの配線も丁寧に
コネクタが使用されています。
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ですが、LED自体の固定は
横着にもグルー接着です。
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簡単に取り外すことができる点は
助かりますが・・どうなんでしょう。
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元の金属ケースの
側面に移設します。
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元々ジェットポンプのケーブルを接続する
コネクタが嵌め込まれていた開口部です。
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穴の周囲を少し広げることで
数字LEDが収まりそうです。
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これでケースの外から出力
電圧と電流を確認できます。
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背面基板のはみ出し部分を固定に利用します。
パターンの露出部分にアクリルを挟み絶縁します。
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ケース本体への固定も
瞬間接着剤で済ませます。
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元と同じく接着剤による安直な固定ですが、
樹脂-金属間接着の強度は強烈です。
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元の位置に電圧と電流を
表すシールが貼られています。
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丁寧に剥がして新しい
位置に貼り直します。
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数字LEDへの配線を取り出すため
上側のケースに切り欠きを設けます。
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このようにして配線を
外部に引き出します。
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金属板の切り欠きはそのままでは
ビニルコードの被覆を傷付けるので、
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電源コードから外被覆を
切り出して2つ割りにし、
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切り欠き部の周囲に接着して保護、
はみ出し部分をカットしておきます。
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数字LEDへの配線を通し
上側カバーを戻します。
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電源ユニット1次側(AC100V)の
配線を(動作確認用に)用意します。
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ターミナル列の右端、
NとLに接続します。
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ジェットバスのON・OFFには、この
無線モジュールを使用します。
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リモコンでAC100Vを直接ON・OFFできるモジュールで、
有難いことに防水仕様しかも電池など電源が不要です。
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引き込んだAC100Vを仮接続してみます。
押しボタンは少し重く、内部で発電するようです。
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受信側モジュールのLEDが点灯し、
内部のスイッチが入り出力ONになります。
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元の電源ユニットおよびリモコンには、ジェット流の強弱を
調整する機能があります。電圧調整VRを複数の固定
抵抗器に置き換えてスイッチングすることで再現は可能
です。ですが、普段ご依頼主は「強」・「中」・「弱」のうち
「強」でしかお使いになっていないそうで、ご了解の上
省略することにします。もし必要があれば電源ユニット
まで手を伸ばし調整用VRにより強弱を調整可能です。
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電源ユニットをケースに収め、予め
開けておいた穴からネジ固定します。
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数字LEDへの配線を
コネクタ接続します。
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出なツ調整用のポテンショメーターは
付属する可変抵抗器に交換済みです。
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過電流のインジケータが覗いて
いた穴を再利用し固定します。
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ジェットポンプ(モーター)への配線も
中継コネクタごと再利用します。
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ケースの穴から内部に引き込み、
電源ユニットの出力端子に接続します。
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電源ユニット1次側に接続した
配線を隙間から引き寄せます。
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リモコン受信モジュールの
出力に接続します。
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VFFケーブルの単芯線が簡単に
ネジ固定できて楽なものです。
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受信モジュール自体は
両面テープで固定します。
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電源はケースごと浴室の天井裏に設置されるので、
水分の侵入などさほど気にする必要がありません。
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最小限の構成として、新しい
電源ユニットが出来上がりました。
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リモコンのON・OFFが正常に機能しています。ONの状態で
数字LEDに表示されている電圧がモーターの配線に出ています。
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モーターの配線がケースの穴をくぐる際、
金属板の切り口に直接触れています。
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元々貼り付けられていたシールに印刷
されている文字が、現状と異なります。
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そこで元のシールを
綺麗に剥がしてから、
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アクリル板で新しい
プレートを製作します。
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必要な開口部に合わせて
正確にカットしてあります。
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位置を合わせ瞬間接着剤で
ケースに貼り付けます。
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数字LEDの横に貼られていた
単位のシールを丁寧に剥がし、
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プレート上の数字LEDの
横に貼り直します。
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電圧調整用VRも
取り付け直します。
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プレートの上から
六角ナットを締めます。
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ここまで作業した時点で、いくつか変更案を思い付きます。
ひとつは水位センサーが未接続であることです。浴槽内に
水が入っていれば導通状態になる単純なスイッチですが、
そのON・OFFに電源ユニットが対応しなければなりません。
そしてジェット流の途中すなわち浴槽近くにあるセンサーは、
安全のため定電圧で動作させる必要があります。そこで、
電源ユニット2次(出力)側に12V駆動のリレーを入れます。
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リレーを駆動する12Vは、この
小さな電源モジュールで作ります。
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12V出力とリレーのコイル端子の
間にセンサーの配線を入れます。
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追加する2個のモジュールを固定するため、
絶縁用のプラ板を両面テープで貼り付け、
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その上にモジュールをグルー
ガンで接着固定します。
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写真のリレーモジュールはAC・DCとも容量10Aの
ものですが、余裕を見込んで後で30Aに変更します。
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12V電源モジュールを使用せず、電源ユニットから
低圧を引き出して駆動した方がより安全でしょう。
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水位センサーを接続する
元のコネクタです。
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プレート上のスリットを通して
ピンを内部に引き込みます。
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予めコネクタのベースを固定
する枠を接着しておいて、
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その内側に瞬間接着剤で
固定し補強します。
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ケース内部側に出たピンに配線を
接続し熱収縮チューブを被せます。
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熱収縮チューブを加熱し
ピンの周りを絶縁保護します。
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新しいプレートによりモーターへの配線も
傷付けることなく保護されます水位センサーの
コネクタも十分に強度が保たれています。
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水位センサーのピンを
ピンセットで短絡すると、
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リレーに通電して
接点が導通します。
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電源ユニット出力の片側を
リレー接点を経由させます。
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リモコン受信モジュールの出力に
電源ユニットの1次側を配線します。
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電源ユニットのターミナルと
ケースの隙間がギリギリです。
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ターミナルのネジを十分締めて
配線を確実に接続します。
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工房での作業は以上です。各部の
接続関係を念入りに確認します。
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電源コードをコンセントに差し込むだけ
では、電源ユニットには通電しません。
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リモコンを押すと通電して電圧が表示されます。
まだモーター配線には出力されていません。
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調整用VRで電圧を増減できます。
無負荷なので電流はゼロのままです。
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モーター配線にダミーの負荷(2Ωほどのセメント抵抗)を
接続し、水位センサーを短絡すると電流が流れます。
元の電源ユニットとほぼ同じ状態が再現されていますが
実際に現場でジェットバスに接続してみるまで成否は
分かりません。新しいユニットを携え現場に出向きます。
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