守谷おもちゃ病院は市内にある公民館や児童館を会場としてお借りしています。
児童館では訪れる子供のために多くのおもちゃを常備しており、それらも修理の
対象です。今回は幼児向けおもちゃボンゴの修理を担当します。「おいかけて!
ボンゴボンゴ」という商品名で、根強い人気があるらしく現行の製品です。
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機能や遊び方は、製品のリンクを参照下さい。ライトは点灯するけれど
音が鳴らないという故障です。音が鳴らなければ「ボンゴ」になりません。
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会場で途中まで分解し、時間切れで工房に持ち帰って
きました。内部の配線がおかしなことになっています。
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左右のボンゴユニット間を配線が通っており、その
中間部分にかなり太いビニル線が使われています。
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ボンゴユニットに近い部分は細いリボンフィーダ線で、おそらく
断線が生じて、中間部分をビニル線に置き換えたのでしょう。
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接続部は熱収縮チューブで保護され、根元にタイラップがかけ
られています・・が、チューブ端から芯線が飛び出ています。
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接続処理の作業精度が十分ではないため、新たに
接続不良・断線が生じている可能性を否定できません。
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もう少し丁寧に、接続処理をやり直す必要があります。
元々使われていたであろう、リボンフィーダ線を用意します。
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ボンゴユニット側に残っているリボンフィーダ線の
残り長さは十分ではありません。失敗できません。
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5線を分離し、先端のビニル被覆を2mmほど取り除きます。
ワイヤストリッパが入らないのでカッターナイフで作業します。
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先端を半田コーティングします。指で芯線を撚り合わせる
ことが出来ないので、ばらけないようそのまま処理します。
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反対側のボンゴユニットから出ている配線端も同様に処理
します。こちら側は残りに余裕があるので作業が容易です。
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芯線を半田コーティングします。短過ぎるため
接続端を互いに撚り合わせることは諦めます。
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リボンフィーダ線の先端も同様に処理します。
取り除くビニル被覆は同じく2mmほどです。
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リボンフィーダ線の先端も、先に
半田コーティングしておきます。
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接続部分を保護・絶縁する熱収縮チューブを
用意します。2mm径の細いものを使用します。
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長さに余裕のあるリボンフィーダ線側に通しておきます。
十分に離さないと半田付け時に熱の影響を受けます。
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左右のボンゴユニット間で5線のカラーが一致
するよう、1本ずつ先端を半田付けしていきます。
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半田ゴテの先を当てた瞬間に接続が終わるように
作業します。僅かな時間でビニル被覆が溶け出します。
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退避させておいた熱収縮チューブを
戻し、接続部に覆い被せます。
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半田ゴテの先を近づけるなどして、チューブを収縮させます。接続強度を高めるには、
さらに外側に大径のチューブを入れますが、リボンを変形させるので取りやめます。
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フィーダ線どうしがすんなりと繋がりました。しなやかな
リボンフィーダ線が使われているのは、理由があります。
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左右のボンゴユニットを組み付ける
アームの中を通さなければなりません。
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この狭い隙間をしなやかにすり抜けるには、
薄く柔らかいリボンフィーダ線が適当です。
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アームを通り抜けたところで、反対側
ボンゴユニットからの配線と接続します。
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先端を半田付けにより接続し
熱収縮チューブを被せます。
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熱を加えてチューブを収縮させ
接続作業を完了させます。
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接続部の前後で5線が分離したままですが、
まとめる必要がある場合には接着剤を用います。
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アーム部分を組み立てます。この時点で一度
動作確認しておきます(正常に機能しました)。
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ボンゴユニットをアームに組み付けます。ボンゴが
90度回転する際に、内部でアームがスイングします。
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アームのスイングにフィーダ線が巻き
込まれないよう、注意深く配置します。
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修理完了です。ボンゴを叩くと軽快な音楽が流れます。音が鳴り始めると、
今度はまぁ賑やかと言うか・・。よく見ると、音量が2段階に変更できます。
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右側ボンゴのライトが点灯した瞬間です。這い這い~よちよち歩き段階の幼児に
ついて、知的・身体的発達状態や、興味の対象・程度が様々に検討され開発
された玩具です。修理もまた、開発に見合ったレベルを提供したいものです。
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