今週定例の「守谷おもちゃ病院」で2件目に担当した玩具です。
高度に設計された2重ローターで飛行するヘリコプターです。
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「玩具」と呼ぶ理由が分からないほど巧緻性に富んだつくりをしています。
とりわけローターのバランス機構が巧妙にデザインされています。
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手強い修理物件だなと思いつつ、充電アダプタが差し
込めないだけのトラブルと聞き、まずは本体を分解。
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手持ちの中で最も細い精密ドライバー
(+)が、何とかネジ穴に入りました。
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本体カバーが外れると、中からパーツが落ちて
きました。分解前から何やら音がしていました。
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超小型のDCジャックです。充電アダプタが差し
込めない(充電できない)理由が分かりました。
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表面実装のチップ部品が並ぶ中に、半田が盛られたランドが4カ所見えます。ここから
DCジャックが脱落したようです。相当の力が加わり、半田がもぎ取られたようです。
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本体内に脱落していたDCジャックを半田付け箇所に当てて見ます。幸い
端子形状がパーツの両側に足を広げているので、半田鏝が届きそうです。
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先輩ドクターからお借りした高級半田鏝です。
先端の形が実に使いやすくできています。
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ランドの損傷を最小限にするため、1回の加熱で半田付けを
終わらせたいものです。残っている半田の高さを揃えます。
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物理的な力で引きちぎれたため、DCジャックの
端子にも半田が不規則に残っています。
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基板上のランドと同じように半田の
高さ(厚み)を揃えておきます。
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半田の吸い上がりを良くするため、
端子の先にペーストを少量塗り付けます。
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DCジャックの向きを微調整しながら半田付けします。
プッシュスイッチに挟まれた1カ所はぎりぎりです。
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うまく作業できました。半田の肉盛りも丁度良いようです。ローターの特性に
自立性を持たせているためか、モーターの制御系は意外とシンプルです。
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DCジャックの差し込み口が、本体の切り
欠きの位置に合っていることを確認します。
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1mmの微小ネジを締めて、
本体を元通りに組み上げます。
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充電器(コントローラ)のプラグを立てて本体に
差し込み、内部のキャパシタに充電します。
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コントローラのボタンを押すとローターが勢い良く回転します。
反転式2重ローターはバランスが取れて実にスムーズです。
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シンプルかつ高精度の設計と部品構成により、見事に
自立飛行します。やはり「玩具」と呼ぶ理由が・・・、
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元のパッケージに大事に保管されていたことも
修理の成功につながっていると思います。
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