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パトロールカーミニカーの修理(2015.11.14)

守谷おもちゃ病院に修理の依頼をいただいた
長さ143mm・幅55mmのダイキャスト製ミニカー。
 

プルバックにより走行し、走行中LEDが
点滅してサウンドが出るそうです。
 

その電気系が作動しなくなったそうです。
内蔵のボタン電池はまだ寿命範囲です。
 

情報家電類と同レベルの高密度
電子基板が実装されています。
 

リード線の半田付けが乱れています。
既に一度修理されているようです。
 

走行中に基板の電源をONにするタクトスイッチ
ですが、内部が劣化しているようで通電しません。
 

タクトスイッチの新品交換で修理完了かと思いましたが、取り付け部のランドを
短絡(電源ON)しても回路が動作しません。中央に見える樹脂で覆われたチップが
破損しているようです。残念ながらこの状況は(基板交換以外に)打つ手がありません。
 

ところでこのパトカーにはタイヤが装着されていません。遊んでいるうちに
ゴム製部品が外れてしまったのでしょうが、パトカーとして精悍さに欠けます。
 


電気系の修理ができなかったお詫びに
タイヤを復活して差しあげましょう。
 

ゴム製は無理ですが3Dプリンタで
PLA樹脂製を自製することは可能です。
 

リムの寸法を正確に計測し、外側から
嵌め込めるよう形状をデザインします。
 

段差部分を下に(先に)配置し、PLAの
収縮を考慮して105%でスライスします。
 

データをホストに渡して出力パラメータを設定します。
デルタ型がメンテ中のためPrusaを使用します。
 

しばらくぶりにPrusaを稼働させました。
特に問題なく成形が進行します。
 

このような円形・円筒状の成形ではデルタ型を
使用した方が正確かつ綺麗に出力できます。
 

Prusa(XY型)でも問題はありません。
1個5分ほどで出力が完了します。
 

周の一部に突起が残っているので
手作業で軽く修正しておきます。
 

4輪分を完成させます。

 

一度ホイールに嵌めて、具合を確かめます。
プラス5%で丁度良かったようです。
 

塗装に入ります。4個同時に塗装する
ため、曲げた針金に部品を吊ります。
 

先にプラサフを2回吹きます。

 

プラサフは速乾(5分ほど)ですが30分以上
おいてから艶消ブラックを吹き付けます。
 

PLA樹脂の場合、今ひとつ艶消しに
ならず、僅かに光沢が残ることがあります。
 

塗装・乾燥を終えた4輪分のタイヤです。

 

ホイールの内側に少量の
接着剤を入れます。
 

タイヤを嵌め込んでいきます。

 

ホイールとの位置関係・サイズ関係
いずれも丁度良いようです。
 

4輪とも装着を終えました。シャシー部
だけの状態でも安定感が出ています。
 

ダイキャスト製の上部本体を合体させました。後の
バンパー間際と電池ボックス内でネジ止めします。
 

パトカー仕様トヨタマークXの精悍さが蘇りました。
クロムメッキ仕様のホイールも引き立ちます。
 

LED点灯やサウンドが復活しないのは残念ですが、ダイキャスト製で重量感もあり
ディスプレイモデル・スケールモデルとしても楽しんでいただけると思います。

 
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