中央公民館でのおもちゃ病院診療日、時間内に修理できずお預かりしてきました。
学研ステイフル製、年代物のようでamazonでは既に取扱いがありません。
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安全性も考慮されアンテナには柔軟性に富んだ樹脂が
使われています。U字に曲げられパッキングされています。
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実際のコードレスフォンのデザインが研究
され、程よいデフォルメが与えられています。
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乾電池(UM-3×2)を装填し、
動作状況を確認します。
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双方向で通話ができるはずですが、一方向
しかできません。片方の音声が出ません。
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発話ができて受話ができないので、スピーカ
および音声出力段に問題があるようです。。
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2本のネジを緩めるだけで、簡単に本体カバーを分解
することができました。厄介な篏合構造はありません。
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昔ながらのトランシーバで、懐かしいRFコイル(可変
インダクタ)と、一方でクリスタルやDIPも見えます。
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音声の最終出口、スピーカを点検します。
振動版にPETが使われたマイクロSPです。
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端子版が脱落しています。ボイスコイルの
接続が2本とも切れているようです。
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接着されているスピーカを
ペンチで引き離し取り出します。
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ボイスコイルの極細エナメル線がここで切れています。
しかし、よく見ると線の端が僅かに残っています。
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無理をせず素直にスピーカを交換すれば良いものを、再生を試みます。
僅かに残った線端の向きを整え、エナメルコーティングを剥がします。
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ビニルコードから銅芯線を取り出し、
2本を撚り合わせておきます。
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スピーカのベース材(樹脂製)が溶けないよう、
ボイスコイル線端に素早く半田付けします。
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2本とも接続に成功しました。照明
付き拡大鏡下で作業しています。
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このままでは接続がとても弱く不安定です。追加
した銅線を引き回すと再び断線が起こりそうです。
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手遅れにならないうちに瞬間
接着剤を差して補強します。
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ボイスコイルの導通を確認します。回路計
から流れ込む電流によりカリカリ音がします。
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切れた極細ボイスコイルの接続に成功し、俺って
すげぇだろ、とほくそ笑みながら元に戻します。
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スピーカを接着剤で固定し、続いて
端子板も元の位置に戻します。
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真下にボイスコイルとの接続部があるので、
その保護も兼ねて接着剤を入れて固定します。
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両側に引き出しておいたボイスコイルの
延長線を端子板に半田付けします。
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接続を終え再生成功と思いきや・・駄目です。ボイスコイルの
導通がなくなっています。どこかで再び断線したようです。
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瞬間接着剤で固めてしまった以上、作業のし直しは不可能です。いい気になってる
からこうなるのです。おもちゃ病院の部品在庫の中から相当品を頂戴してきました。
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元のスピーカはインピーダンス32Ωで0.1W、在庫のスピーカは
8オームで0.25W。インピーダンスが4倍も違う点が気になります。
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直接耳に当てて聞き取るので、音量の差は問題に
ならないでしょう。接続用ランドに半田を盛ります。
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回路基板からの信号線を
端子板に半田付けします。
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再びスピーカを本体内に戻します。結局チェンジニア
(change+engineer)でしかありませんでした。
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問題なく双方向に通話ができるようになり
ました。本体を元通りに組み立てます。
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家の中でインターホン代わりにも十分利用できるおもちゃです。時間があれば
周波数帯域や出力、変調方式なども勉強させていただきたかったのですが。
お待たせしてはいけませんので、公民館を通してご依頼主の元にお返しします。
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