乳児用のホームシアター、最近は乳飲み子も映画鑑賞するのでしょうか・・。
乳児用とはいえ、Audio+Visual機能を装備した驚きのおもちゃです。
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ネット検索すると、製品名は「ディズニーキャラクターズ
天井いっぱい!!おやすみホームシアター」です。
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子守歌のメロディーを奏でながら、天井面に
プロジェクターでキャラクターを映し出します。
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いやはや乳児用玩具も凄いことになっています。
が、電源を入れても全く動作しません。
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おもちゃ病院の出番です。ツマミをスライドさせると
上部蓋が跳ね上がり、中にカートリッジが入っています。
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カートリッジには映し出すスライドが組み込まれており、
交換していくつかのタイトルを楽しむことが出来るようです。
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この円形窓を光源が通り、上部蓋に取り付けられた
レンズにより天井面に映像が投影される仕組みです。
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カートリッジにはICチップも組み込まれており、記録
された音源データは本体側端子から読み込まれます。
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感心しているばかりでは問題は解決しません。
不具合の原因を探るべく本体を分解します。
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本体外装は大きく2ピースに分離します。組み
付け構造が分からないので慎重に引き離します。
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乾電池ホルダー側を引き離します。
電源コードが相互に跨っています。
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本体外装を開けた瞬間、動作しない原因が判明します。電源コードの片側、
黒色なのでマイナス側の配線が切れています。単純な故障でほっとします。
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回路基板側の接続箇所を探します。赤色
プラス側配線の隣に半田付け跡があります。
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半田付けのし直しで簡単に修理出来そう
ですが、ビニルコードの長さがぎりぎりです。
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さらに、直接半田ごてを当てられないので、
基板を固定しているフレームを外します。
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モールドされた表面実装LSIが2個取り付けられています。
1個は全体の動作制御用、1個は音源再生用でしょう。
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ビニルコードを継ぎ足して延長します。
長さに余裕のないことも断線の原因です。
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半田付けを終え、ビニルコードの
接続部をテープで保護・絶縁します。
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あらためて電源を入れてみます。投影レンズからスライドの画像が映し出されます。
乾電池とランプによる照射なので、数~数十ルーメンでしょうか。乳児を寝かしつける
には丁度良い明るさです。であれば「ホームシアター」の名称はどうかと思います。
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小出力とはいえ、光源のジャケットは放熱対策されたしっかり
したものです。隣接してモーターユニットが組み込まれています。
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モーターユニットの機能が分からず、動作している様子も
確認できません。モーター端子に電力は供給されています。
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動作確認も含め、モーターユニットを分解してみます。内部は
おそらくギヤ減速機構でしょうが、かなり厚みがあります。
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ユニットの裏側に出力軸が2本あり、高さの
異なるスプロケットが平ギヤで連動します。
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ユニットのカバーを分解します。
電気製品レベルの精巧な造りです。
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内部が姿を現します。モーター軸から初段プーリーにゴム
ベルトが掛けられ、その先は大減速比のギヤが連なります。
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モーター自体は問題なく回転します。減速ギヤにも問題ありません。
分解時に確認し損ないましたが、もしかするとモーター軸と初段
プーリーに掛かるゴムベルトが脱落していたかも知れません。
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モーターユニットを組み直し電源を入れてみます。減速比が
大きいので、スプロケットは極めて低速で回転しています。
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高さの異なる2個のスプロケットは、本体の
カートリッジ装填部の端に顔を出す構造です。
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一方、カートリッジに内蔵されているスライドは2枚の
円形のフィルムで、周囲に歯が刻まれています。
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この時点で凝った機構にようやく気付きました。2枚の円形
スライドが逆方向に回転し、異なる映像を重ねて投影します。
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映像に奥行き・深みを与える工夫です。ゴムベルトが外れて
いたとすれば、不具合をもう一つ解決したことになります。
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もしかすると回転が低速なあまり、正しく動作して
いることに気付かなかった可能性もありますが・・。
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全体の組み付けを終え、カートリッジを
装填して再度動作を確認します。
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上下2枚の円形スライドの歯が、高さの異なる
スプロケットにそれぞれ噛み合っています。
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玩具のメカニズムがここまで完成度を高めると、ここから先は再生する映像と
音楽、すなわちコンテンツの勝負になるでしょう。ですが、世界的なエンター
テインメント会社とタイアップしている製品です。それは愚問であります。
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