守谷おもちゃ病院はほとんど木曜日に開催されており、東京で非常勤講師の仕事と
重なるためなかなか参加できません。今週は水曜日開催だったので、しばらくぶりで
顔を出すことが出来ました。随時ドクター(会員)を募集しています。本当に面白くて
素晴らしい市民サークルですので、ご興味のある方々、是非参加をご検討下さい。
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簡単なLED玩具の修理後、回ってきたのがこのパワーショベルです。
本物らしさとおもちゃらしさを兼ね備えた、造りのしっかりした1台です。
故障状況は、ショベルの上下のみ出来ません。他は問題ありません。
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ショベルアームの駆動系に問題があるはずです。
該当部分にアクセスするには全体の分解が必要です。
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キャタピラを外し、本体底部の分解を
進めます。走行系を分離します。
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走行系をまとめた底部、アーム駆動系をまとめた上部、
アーム旋回軸を含む中間のカバーから構成されています。
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上部をさらに分解します。底部が取り外れて
いないとこのネジにアクセス出来ません。
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上部のアーム駆動系は、正確にはさらに
ベース部と外側車体部に分かれます。
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両者が分離した隙間から、何やら
部品の一部が落ちて来ました。
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ラジオコントロール受信部も含む、
一連の制御機能を担う基板が見えます。
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問題個所はさらに先に延びるアーム内にありそうです。
アームを上下させるモータをブラケットごと外します。
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ブラケット両端にネジ穴が加工されています。
一方はアーム駆動シャフトのネジ穴を兼ねています。
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アーム駆動シャフトが固定されることで
アーム自体も固定される構造です。
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ショベルアームが丸ごと外れました。程良い
デフォルメで実物の迫力が伝わってきます。
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アーム駆動シャフトには小型の
歯車が1枚入れられています。
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同軸のパーツを除けると、歯車はピニオンを伴い
フェーズギヤを介して方向を変えています。
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動力の伝達は、さらにアームの内部に
延びています。アームの分解に進みます。
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固定ネジの1本は、シールの下に打たれて
います。シールを最小限にカットします。
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ドライバーを入れてネジ固定を解除します。
油圧シリンダや配管のパーツが効いています。
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アーム部を構成する左右パーツを分離しました。内部に
アームを上下させる機構が見えますが、様子が変です。
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動きを伝えるリンクの一部が明らかに破損しています。そして、
最初に本体内部から出てきた部品の一部を照合すると・・・
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ぴたりと一致します。この連接棒が折れたため
アームを上下させる運動を伝えられません。
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シャフトを通す軸穴周りに、破断
しかけている亀裂があります。
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接着による修復を試みます。先にアクリル用
接着剤で、破断面を正確に接合します。
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リンクによる運動伝達は各部に相当の荷重を加え
ます。エポキシ接着剤を併用して強度を補います。
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接合部分の周囲に樹脂を肉盛りします。10分
硬化型ですが、十分時間をおいて硬化を待ちます。
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あらためて連接棒をアーム内部に組み
込みます。先にショベル側を差し込みます。
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連接棒は中間にある軸を中心に
シーソーのように運動します。
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シーソーの手前側は、回転する
カムの溝に沿って駆動されます。
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本体から延びてきたシャフトの先にウォームギヤが
あり、低回転数・高トルクでカムが回転します。
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リングを伴った連接棒は、駆動力を本体側に
戻しています。下側アームを別途上下動させます。
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一度アーム中間部まで動力を伝え、そこからさらに
先と手前方向に分割して駆動する巧妙な仕掛けです。
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各部分を元通りに組み上げます。そうしながら
接着剤がさらに硬化する時間を稼ぎます。
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シャベルが下りた状態です。
リモコンの青レバーを奥に倒します。
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青レバーを手前に引くと、アーム駆動モータが回転して
アームを持ち上げます。動作するようになりました。
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工房以外の出先での作業は、用具が足りずに苦戦することも少なくありません。しかし、
6・7名のドクターが集まると必ずどなたかが所有していて、ほとんどの場合何とかなり
ます。用具のみならずテクニックも融通し合い、数多くのおもちゃを復活させています。
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