一時期大きな注目を浴びた「ペット型おもちゃ」、最近のAI搭載ロボットの前身と
言えるでしょうか。実際の犬の仕草に近いリアルな動作をします。SONY製
AIBOに倣い、価格を玩具レベルに抑えた製品がいくつか販売されていました。
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音声認識や音声合成による対話型製品を
開発するsensoryとの技術提携製品です。
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「うんともすんとも言わない」そうですが、
犬なので「うん」も「すん」も言わないでしょう。
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取り合えず餌を与えて(乾電池を入れて)みます。何が
どうなれば「うん・すん」になるのか・・が分かりません。
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単2乾電池3本が必要ですが、1本
足りず単3を入れて間に合わせます。
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立った姿勢から目の形が変わり、次にお座りをして大人しくしています。機構・回路とも一応
機能しているようです。この先どこをどうしていいのか皆目分からず、スマホで取扱説明書を
必死に探すも見つかりません。個人のブログに簡単な遊び方があり、(飼い主が)頭を撫で
たり色々話しかけていくうちに様々に動くようになるそうです。話しかけるほどに飼い主の声を
学習(sensory)するのです。具体的に故障の診断が出来ない以上、何も手を加えられません。
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犬のお世話は何もできず、というより犬から相手にしてもらえず、次の
クレーンゲームに取り掛かります。こちらも「うんともすんともいわない」
そうですが、クレーンゲームがどのように動くかは・・分かっています。
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電源を入れます。大概クレーンを初期位置に戻す
動作が先に起きますが、何ら音も聞こえません。
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乾電池は正しく入れられています。
電池が切れているのでは・・と思いつつ、
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乾電池ホルダーの端子間で
電圧を確認します。正常です。
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内部の電源配線に断線が
あるのでは・・と思いつつ、
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ネジを全て緩め、本体底面のカバーを外します。
部品点数が少なく、設計の合理化が進んでいます。
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本体上側に制御基板が取り付けられています。うっすらと
腐食が進み、基板表面の状態があまり良くありません。
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乾電池ホルダーからの配線(電源)が
ここにコネクタ接続されています。
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コネクタまで電源が来ていないことには
始まりません。引き抜いて点検します。
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問題ありません。コネクタ端子に
乾電池の電圧がかっています。
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原因究明先は、回路基板・基板上のパーツへ移ります。
ディスクリート部品の破損であって欲しいものです。
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しかし、コンデンサーや抵抗器は数えるほどしか使用されて
いません。面倒な制御はロジックICに依存しています。
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小さな別基板上に樹脂モールドされた専用チップがあります。
そこに電源が到達しています・・出来ることはありません。
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9月2回目のおもちゃ病院は、ペット犬・クレーンゲームとも修理らしいことが
できず、何か満たされない気分で解散となりました。翌週3回目のおもちゃ
病院は、このフォルクスワーゲンバス2台組を担当します。スタイリッシュに
EV化したI.D.BUZZが発表され(2022年発売)話題となっています。
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色違いの2台はそれぞれに送信機が付属する
ラジコンカーです。バス本体も送信機も上質です。
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動作を確認します。グリーンの1台は、
ステアリングコントロールは正常ですが、
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前進・後進に不具合があります。内部から
モーター音が聞こえるもタイヤが回りません。
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赤の1台も同じく前進・後進出来ません。
ギヤボックス内に問題がありそうです。
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バンパーを一緒に固定するネジ、シャシーを
本体に固定するだけのネジに分かれています。
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バンパーを外した奥にさらに固定
ネジがあります。全て緩めます。
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車体本体を外します。実車に忠実かつ上質に成形された車体です。後輪車軸上に
モーターユニット(駆動部)、シャシー中央下部に乾電池ホルダーと重量配分の良い配置
です。モーターユニットの真上にRF受信部を含む回路基板が取り付けられています。
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先ほどの動作確認により、回路基板は
正常に機能していると考えられます。
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回路基板の固定を外すと、モーター
ユニットの上側カバーが現れます。
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上側カバー4本の固定ネジを緩めます。ネジ穴の
周囲が1箇所破損しているので後で修復します。
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モーターおよびギヤが見えてきました。モーター
軸のピニオンから2段のギヤで減速されます。
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中間にある平歯車ですが・・、遊んでいます。シャフトがなくギヤボックスの中を
勝手に動いてしまいます。モーター軸のピニオンが空回りするだけで、駆動力が
タイヤまで伝わりません。モーター音だけが聞こえてくる原因はこれです。
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もう1台赤色のバスを分解してみます。
やはり平歯車に短いシャフトが入っています。
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このシャフトが、上側カバーにより押さえ付けられて
平歯車は定位置に固定され、正しく駆動力を伝達します。
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何かの拍子にシャフトが脱落・紛失したのでしょう。
2mmネジを加工してシャフトの代用品を作ります。
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ギヤボックスのシャフト溝に嵌め込み
ます。これで不具合は解消するはずです。
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その直後です、モーターを取り付けようと持ち上げた時、モーターの側面にシャフトが
へばり付いているのを見付けました。モーターのマグネットにスチール製のシャフトが
吸い付けられています。できればネジを加工する前に発見したかったところです。
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太さといい長さといい、紛失していたシャフト
そのものです。もちろんこちらを使用します
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シャフトを元に戻して歯車を組み込みます。
グリーンの1台はこれで不具合解消です。
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上側カバーのネジ穴周囲欠損を修復し、
もう1台赤色バスの修理にかかります。
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同じ製品を2台並べると、故障の原因が簡単に見つかり
ます。上側カバーのシャフト押さえ部分が欠損しています。
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このためやはりギヤが遊んでしまいます。欠損部分の
補修は面倒なので、シャフトを軸受部に接着固定します。
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周囲はグリスまみれなので、溶剤で十分に
脱脂してから瞬間接着剤を注入します。
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2台のバスそれぞれに送信機が付属しているものの、
同じ27MHzで同時に動いてしまいます。左旋回です。
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右旋回が機能しません。バス本体では
なく送信機内部に問題があるようです。
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送信機を分解します。操作レバーでON・OFFする
スイッチが、基板上に直接取り付けられています。
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そのスイッチを押し込む突起が折れていま
した。接着剤で元の位置に取り付けます。
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察するに、2人の子供さんがいらしてそれぞれに同じおもちゃを買い与えたので
しょう。1台のバスをめぐり喧嘩をしなくて済みますが、どちらの送信機でも2台の
バスが同時に動いてしまいます。子供さんがどのような知恵でこの問題を乗り
切るのか、遊んでいる様子を見てみたいものです。盛況なおもちゃ病院でした。
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