守谷おもちゃ病院にて修理したおもちゃ2点です。
いずれも外装部品が著しく破損しており、まるで
外科手術(整形外科)のような修復作業になりました。
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・ピアノ脚取り付け部の破損 |
実際に演奏ができるグランドピアノのおもちゃです。
脚の取り付け部周辺が大きく破損しています。
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内側から見ると、脚取り付け部が本体内部に
くい込み、割れが進行して脱落寸前です。
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脱落しかかった部品を元の位置に戻し、
傷口を半田鏝で加熱して溶融接着します。
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縫合跡がなるべく目立たないよう
丁寧かつ強固に接合します。
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一部材料が欠損している部分がありますが
接合部周長があるので十分かと思います。
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縫合部をエポキシ接着剤で覆い、
縫合部に化粧と補強を加えます。
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エポキシ接着剤が固化する
のを待って修理完了です。
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・クレーンゲーム背面プレートの変形 |
人気があるのかクレーンゲームの
修理が少なくありません。
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側面ドアから覗き込むと、背面プレートの上側が
歪んでいます。「本体の破損」とはこれでしょう。
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動作させてみるとクレーンの動きが異常です。
ボールチェーンが1本垂れ下がっています。
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スプロケットのすぐ外でボールチェーンが
破断していました。何とかつなぎ合わせます。
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背面プレートの上端が恐ろしいことに
なっています。大きく変形しています。
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何か熱源に近づけたことにより、熱可塑性
樹脂の塩ビ板が軟化・変形したようです。
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この変形がクレーンユニットの走行を
妨げています。熱を加えて修復します。
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変形が著しいためヒートガンでかなり
広範囲を加熱し材料を軟化させます。
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板材を押し当ててプレートを平面に
保ち、冷えて固化するのを待ちます。
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平面を出すことを優先した結果、あらたに
加熱による材料の収縮が生じています。
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クレーンの走行障害の問題は解決したので
シールを元に戻して修理完了です。
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