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ホンダこまめF200 燃料コック修理(2016.10.21)

数日前にキャブレター交換を終えたホンダこまめF200、燃料コックから微量のガソリン漏れがあります。
その後、ご依頼主から燃料コックも交換して欲しいとの連絡を頂戴しました。
近くのホームセンターはホンダの認定整備店になっており、店舗の端末で純正部品の検索と注文を取り次いでくれます。
燃料コックは税抜き1500円と安くありません。オークションでも見かけますが、何と2200円もの価格が設定されています。
取り寄せてもらうと1週間ほど時間もかかり、ご依頼主を待たせてしまいます。
ダメモトの守谷工房です。分解修理を試みます。
 

1時間ほど放置しておくと、ハウジングの
下部にガソリンが水滴状に付いてきます。
 

燃料コックを取り外してきました。カバーが
カシメにより組み付けられています。
 

アルミ合金製ハウジングの突起がカバーを固定
しています。カシメ部分をドリル刃で削り取ります。


膨張した突起部が、カバー貫通
穴の内側に固着しています。
 

ドライバーの先を当て、軽く
叩いて固着を解放します。
 
 
少しずつ隙間を開けるように
してカバーを分離させます。
 

分解された燃料コックの構成部品です。汚れのような錆のような
ものが内外に付着し、表面は一様に経年劣化しています。
 


4個の穴が開けられたゴム製パッキンで、
燃料の流路を決め、不要な部分を密閉します。
 

長年の使用でガソリンのスラッジが
蓄積し、酸化膜が成長しています。
 

クレンザーを入れてブラシで
汚れを強く擦り落とします。
 

エアを吹いて流路に残る水分を飛ばします。固着
した酸化膜等はドライバーの先でこそぎ落とします。
 

ゴム製パッキンをよく観察してみます。穴の周囲は僅かに盛り上がって縁取りされて
いますが、所々潰れています。成長して厚みを増した酸化膜に押されたのでしょう。


コックレバーの基部は、レバーの回転位置により
流路が開通・閉鎖する可動バルブとなっています。
 

可動バルブの摺動面が平滑でないと、ゴムパッキン
との密着性が低下し燃料漏れを引き起こします。
 

サンドペーパー上で研磨し、成長した
酸化膜を取り除いて平滑にします。
 

ハウジングの外カバーは鉄製のようで
表裏に錆が発生して黒ずんでいます。
 

同じようにサンドペーパー上で
研磨して錆を落とします。
 

綺麗になりました。表側はON-OFFの
表記がとても見やすくなりました。
 

元通りに組み付けます。ゴムパッキンを
押さえつけるスプリングワッシャを入れます。
 

ゴムパッキンは、穴の縁周りの状態が
比較的良い方を流路側にしてセットします。
 

コックレバーを押し込みます。スプリング
ワッシャにより押し戻されてきます。
 

カバーをはめ込みます。カシメ部分を
ハンマーで軽く叩き込みます。
 

いったん壊してしまったカシメは
再利用できません。そこで・・
 

カシメ突起部の中に、ピンバイスを
用いて2mm径の小さな穴を開けます。
 

タッピングネジを、突起部を破損させないよう
少しずつ締め付けてカバーを固定します。
 

見てわかるほどの隙間はないよう
です。何とか元通りに復元しました。
 

本体に取り付けます。チューブクリップが1個破断
してしまったため、針金を巻いて代用しています。
 

2時間ほど放置した後で燃料漏れを確認します。
大丈夫です!全く漏れていません、リペア成功です。

 
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