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LED自動点滅常夜灯(2017.2.9)

常夜灯も省電力のLEDタイプに置き換わっています。
センサーで周囲の明暗を検知し、暗くなると自動的に
点灯し、明るくなると消灯・・のはずが、点いたままです。
 

背面にACプラグがあり、コンセントに
差し込んで直接取り付けます。


株式会社オーム電機製、
AN18-A型、0.2Wです。
 

コンセントに差し込んでみると、明るい室内でも確かに
点灯したままです。青色LEDで常昼夜灯の状態です。
 

内部の回路に問題があります。分解に
かかりますが、固定ネジが特殊です。
 

最近、特殊ビットを備えたドライバーの
セットを手に入れていました。出番です。
 

おそらく一度も使われない
ビットがほとんでしょうけれど。
 

このスター型ビットの1本が
ネジ溝に合致するようです。
 

ハンドルにセットします。
マグネットで固定されます。
 

ネジ溝と形状は合致していますが、
溝の深さが浅くしっかり噛み合いません。
 

強めに押さえ付けながら
4本のネジを緩めます。
 
 
背面側のカバーが
外れてきました。
 

外れた背面側のカバー内に、青色LED
4個を含む点灯回路が収められています。
 

ACプラグから抜き取ります。トラッキング防止用の
保護材を介してきつく組み付けられています。
 

プラグ金具の先端側
から押し込みます。
 

ACプラグに続いて
回路基板を抜きます。
 

背面カバー内から回路
部分を取り出しました。
 

最小限の部品構成で、実に
コンパクトに組み上げられています。
 

センサーは何ともレガシーなデバイス、
「CdS」です。しばしば経年劣化がみられます。
 

動作条件(印加電圧・電流)や使用環境が適切でないと、明暗による抵抗値変化幅が次第に
狭まってきます。ろくに確かめもせず交換するも・・、CdSが原因ではありませんでした。
 

あらためて問題個所を探ります。表面実装
部品が使われたかなり微細な回路です。
 

回路をトレースしました。2段のトランジスタで
急勾配のスイッチングを行っているようです。
 

コンセントに接続し、CdSの周りを明暗
させながら各部の電圧変化を確認します。
 

CdSの非プルアップ側、明暗に
より電圧がはっきり変化します。
 

次に1段目トランジスタの
コレクタ端子を当たります。
 

回路図ではこの部分です。ここでも電圧変化が確認でき
ます。2段目トランジスタのエミッタに直結されています。
 

2段目トランジスタのコレクタで
出力電圧を確認します。
 

回路図ではこの部分です。2個の
トランジスタには問題ありません。
 

見た目ではツェナーダイオードと思われ
ますが、その入力側でも確認します。
 

ツェナーを出たところ、SCR(サイリスタ)の
ゲート端子にも電圧変化が届いています。
 

回路図ではこの部分です。原因が特定
できました。SCRが動作していません。
 

大きさ・形状ともにトランジスタと
そっくりで、見間違えていました。
 

スイッチング素子なしでON・OFFできるわけが
ありません。基板裏面で半田を吸い取ります。
 

ホール周囲のランドを破損しない
よう丁寧にSCRを取り外します。
 

使用されているSCRは
「MCR100-6」です。
 

ネット上にデータシートがありました。
耐圧400V、800mAの小さなSCRです。
 

同一部品は見つかりませんが、有難いことに
秋月電子で同等部品が1個40円です。
 

秋月電子のWEBにデータシートがあります。
600V、1.25Aでスペックは十分です。
 

「X0202MA」を元の位置に取り付けます。
K・G・Aの端子並びは旧部品と同じです。
 

高さが元の部品と同じになる
までリードを差し込みます。
 

半田付けします。ランドが狭いので、先日
購入した細いコテ先を装着しています。
 

この状態でテストしてみます。
LEDが点灯しません・・。
 

CdSの受光部を手で覆い光を遮ると、LEDが4個とも点灯しま
した。先ほどは光が当たっていたので、点灯しなくて正常です。
 

表側の樹脂製カバーを、洗剤とコンパウンドでクリーニングして作業終了です。
1個40円の部品に送料500円、買いに出かけると交通費1500円以上・・です。

 
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