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全自動洗濯機から異音(2017.2.28)

この全自動洗濯機、以前に修理させていただいたことがあります。
前回と同様、洗濯中に中から異音がするとのことです。ただし、
別のフロアに設置してある同型機での不具合です。一度内部を
見ているので、故障原因が同じであれば簡単に修理できそうです。
 

試運転してみると、前回と同じ辺り
からけたたましい音が聞こえてきます。


タッタッタッ・・という回転に同期した打撃
音です。回転軸の周囲が発生源でしょう。
 

洗濯・脱水槽を回転させる
従動側のプーリを外します。
 

クラッチを構成する金属製歯車(下側)と樹脂製歯車(上側)
です。樹脂製歯車の上半分はブレーキを構成しています。
 

樹脂製歯車をこのアームにより上下させ、
金属製歯車と連結したり切り離したりします。


分解の途中で気づきましたが、
樹脂製歯車をよく見ると・・
 

1か所で完全に割れています。トルクがかかるとこの部分が開き、下側
歯車との噛み合いが外れて空回りします。異音はその際に発生します。
 


同型機のアセンブリ図を入手しました。
メーカーでは構造説明図と呼んでいます。
 

ドラム下部から延びる展開をたどって
いくと、No.60の部品が該当します。
 

交換用部品が届きました。部品の
正式な名称は「スライドカラー」です。
 

補修部品の保有期間内限りとはいえ、
部品が手に入るのは有難いことです。
 

新旧を並べてみます。洗濯物と大量の洗濯水が入り50kg近くにもなるドラムが、反転
しながら回転します。その強大なトルクを受けるのですから、割れても不思議はない・・?
 

割れないよう金属製にすることもできるで
しょうけど、今度は別のどこかが破損します。
 

元通りにクラッチ・ブレーキ周りを組み付けます。
このスプリングの取り付けが非常に厄介です。
 

セロテープなどでスプリングを仮止め
しておくと、簡単に作業が進みます。
 

下側の金属製歯車を嵌め込みます。
停止時はクラッチが切れています。
 

従動側のプーリを取り付け、Vベルトを
かけます。ベルトの張りは問題ありません。
 

洗濯機本体を寝かせたり起こしたり、
床に漏れた水を拭いたり・・が大変です。
 

電源を入れ洗濯コースを選んで試運転します。問題ないようです。静かさが売りの日立製
洗濯機が復活しました。その数日後、別の同型機から異音、の連絡をいただきました。

 
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