守谷工房のリペア3へ                守谷工房Topへ

BOSEミニコンポCDプレーヤー(2019.4.21)


このところBOSE製品は一体型のWAVE MUSIC SYSTEMばかり修理しています。
コンポーネントのCDプレーヤーとお聞きし、BOSEにそのような製品があるのだろうか
と思っておりました。修理品が届いてみると確かにコンポーネントの構成品です。

 

BOSE COMPACTDISC PLAYER
CDA-12が製品型番のようです。

 

商品名「アメリカンサウンドシステムAMS-1Ⅱ」の
コンポーネントとして販売されていたものです。

 

アンプ、レシーバー、CD一体型レシーバー、スーパー
ウーハーなど様々なコンポが用意されていたようです。

 

今回はCDプレーヤー単体で動作の
確認・修理を進めなければなりません。

 

電源を入れた直後、内部からウィーンという
モーターが空回りするような音が聞こえてきます。

 

その後はいずれの操作ボタンも反応しません。
電源を入れ直してもウィーンを繰り返すだけです。

 

固定ネジを緩め上側カバーを外します。内部はCDドライブユニットが
大半を占め、BOSEのイメージに反して何とも簡単な構成です。

 

異音を発生させているのはCDドライブユニットなので
ユニットに直接アクセスできなくてはなりません。

 

いったん前面パネルを外します。
左右側面に固定ネジがあります。

 

念のために選局用ツマミを引き抜いておきます。
抜かなくても良かったことが後で分かります。

 

右端で信号接続用のフラットケーブルを
引きずりますが、何とかパネルを離します。

 

ドライブユニットの手前下部に、CD
トレイ駆動用のギヤが見えています。

 

このギヤを指先で回すと、CD
トレイを引き出すことができます。

 

途中まで引き出したところで、中央の穴から
ローディング用のプーリーが見えます。

 

右側の白色のプーリーにモーターが付いており、
ゴムベルトを介して黒色のプーリーを駆動します。

 

このゴムベルトによる伝達が上手く機能していません。ドライバーの先で
ベルトの張りを確認すると、明らかに伸び切っています。交換が必要です。

 

運が良いことにトレイの開口部
からベルトの交換が可能です。

 

在庫の新品ベルトの中から、径が
ひと回り小さいものを選びます。

 

ベルトの張りも十分です。
プーリーに密着しています。

 

前面パネルを元に戻し、トレイの
出し入れを確認してみます。

 

なんの躊躇もなくシュルっと出て
きます。収納も全くスムーズです。

 

実際にCDをセットして動作を確認します。CD
ピックアップの具合も調べるよう依頼されています。

 

問題なくローディングされます。
収納完了後間もなく回転し始めます。

 

再生時間が刻まれていきます。背面のRCA端子にクリアな
音声が出力されています。ピックアップも問題ないようです。

 

普段は手が届かない位置にあるので、ピックアップレンズをクリーニングします。
綿棒の先をピンセットでほぐし適量のアルコールを含ませます。レンズを支える
ダンパースプリングを傷めないよう、表面を軽く撫でるように拭き取ります。

 

上側カバーを元に戻します。以前の一体型WMSの
SMD交換
に比べると嘘のように簡単な作業でした。

 

カバーの固定ネジを締め込み
修理作業の完了です。

 

Google検索に「CDA-12」と入力すると、「CDA-12 修理 ベルト」といった
予測候補が自動的に出てきます。Googleに登録されるほど故障が多いと
いうことでしょうか。ゴムベルトの耐用年数は知れていますので、逆にベルトの
メンテナンスを続けていくことで、長期間の使用に耐え得るとも言えます。

 
守谷工房のリペア3へ                守谷工房Topへ