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マンション宅配ボックス第2段(1)(2023.4.22)


2021年10月に四国松山までマンションの宅配ボックス修理に出かけて
以来1年半になります。今回は横浜市磯子区にあるマンション、その管理
組合の理事の方から連絡をいただきました。松山と同様に宅配ボックスの
故障でお困りとのことです。松山の修理記事をご覧になったそうです。
 

守谷市から横浜市まで、決して近くは
ありませんが車で十分日帰り可能です。

 

部品の手配が必要になっても、あらためて
出直すことができるので幾分気楽です。
 

エントランスを入り少し奥まったところに
宅配ボックスが設置されています

 

大中小と大きさが異なる
ボックスが5台あります。
 

5台中4台が故障して残る1台(大)のみの利用と
なり、長い期間不便な思いをされてきたそうです。

 

ボックスごとに「故障中」の
張り紙が付いています。

 

折角の押印装置も
使われないままです。
 

マンションの竣工と同時に施工され
以来20年ほど経過しています。
 

管理組合が施工会社に修理を依頼されていますが、部品が
なく修理不能との回答。代わりに、現在のボックスを撤去した
上での総入れ替えを提案されたそうです。見積金額をみるや、
「びっくりし過ぎた」とおっしゃる気持ちは想像に難くありません。
 

エントランス内側に入り、荷物の
取り出し側から点検を進めます。
 

表の預け入れ側と同じキーパッドが取り付け
られています。暗証番号の表示器はありません。
 

押印装置のドア面に、受け取り
方法について説明があります。
 

専用キーをお借りして全ての
ボックスを手動で解錠します。
 

エントランス外側(預け入れ側)から
錠前装置(ロックユニット)を確認します。
 

この錠前装置1台に、預け入れ~取り出しに
かかわる全ての機能が組み込まれています。
 

預け入れ・取り出し両側にあるキーパッドで、
暗証番号を確認し施錠・解錠を操作します。
 

それらの操作が不能になっているので、
不具合の原因はほぼ錠前装置にあります。
 

錠前装置を取り出すには、まず預け入れ側から
キーパッド周りのカバーを外さなければなりません。
 

施工時にカバーの周囲に打たれた
コーキング材が、変質してドロドロです。
 

エントランス外側から見て右下にある最もサイズが大きい
ボックスです。錠前装置の取り付け具合が分かります。
装置手前側に上下2本の壁面固定用ネジが見えます。
 

エントランス内側に戻り、反対側での
錠前装置の固定方法を確認します。
 

ドア開閉ハンドルの内側にこのようなフック金具が
あり、錠前装置内のツメが掛かる構造です。
 

預け入れ側の扉を閉めた状態です。万一人が
閉じ込められると大変なことになりそうですが、
 

錠前装置には非常脱出レバーが付いて
おり、内側から解錠することができます。
 

田島メタルワーク社の製品(GXT)ですが、同社
WEBには旧製品としても掲載されていません。
 

幸いなことに、管理組合の方が取付・
取扱説明書を保管下さっていました。
 

錠前装置表面のカバーを外すと、乾電池ホルダーが組み込まれています。
単1乾電池4本を電源として動作し、各錠前装置は互いに完全に独立して
機能します。乾電池を交換した際に、一時的に動作するようになったことが
あるそうです。それを聞いて、何となく直りそうな気がしているのですが・・
 

疑わしいのは、およそ端子類の接触不良です。乾電池
ホルダーを筆頭に、スイッチに含まれる全ての接点です。
 

一度電源を切りその後電圧を印加すると、
一時的に接触が回復することがあります。
 

あくまでも一時的な回復なので、多くの場合で
しばらくすると再び元の接触不良状態に戻ります。
 

錠前装置を1台取り外し、金属製
外カバーを開けて内部を点検します。
 

錠前装置の預入側ロック機構です。施錠・解錠を
検知するためマイクロスイッチが組み込まれています。
 

取出側のロック機構です。こちらにもマイクロ
スイッチがセンサー代わりに使用されています。
 

装置の中央部に乾電池ホルダーと並んで、この制御基板が収められています。
20年以上前の製品とはいえ、LSIチップ(PIC)を中心に構成されたなかなか
高密度な基板です。ロック機構のレバーはソレノイドで作動しますが、そこへの
電力をON・OFFするため、リードリレーおよびドライブ用のパワートランジスタも
含まれています。基板に故障がないことを祈りながら、コネクタも含めるとやはり
接点(接触不良を起こし得る)はかなりの数に昇ります。現地で全て点検・修復
するのは時間的にも無理なので、ボックス全5台分の錠前装置を取り外し(故障
していない1台も含む)、工房に持ち帰って十分なメンテを加えることにします。

 
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