ぱっと見て分かる半田付けやランドの劣化であれば、実はほとんど誰でも修理できます(ただし、
その簡単な修理をメーカーは絶対にやりません)。ダメモト守谷工房のレベルは所詮この程度なの
でしょうか。ひと通り疑わしい個所を補修した時点で、プラズマテレビはまだ復活していません。
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とあるWEBサイトに、パナソニック製プラズマテレビのLED点滅によるエラー表示内容一覧が
掲載されているのを見つけました(別途、表にまとめ直したものです)。6回の点滅となったので、
「SCモジュールの異常検出 A-SC間FFC接続異常」を表示しており、対象部品は「SC/SN
/SS/Pモジュール」と、パネルも含めてほとんど全ての基板に不具合の可能性があります。
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ふとアイデアが浮かびました。大きな施設にあるテレビ
ですから、同じ製品が複数台購入されていないかと・・
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朗報です、ありました。故障したテレビを依頼元に
運び込み、同型テレビの横で分解します。
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同時期に購入された同型の
パナソニック製プラズマテレビです。
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背面を確認します。パナソニック
TH-P37X1に間違いありません。
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念のため正常に動作するか確認します。この正常な
テレビをドナーにして故障個所を割り出すのです。
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疑わしい基板を一つずつ交換すれば、不具合のある基板を
見つけることができます。移植手術のようなものです。
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まず電源基板を試してみます。
ドナー側の基板を取り外します。
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同型機なのでケーブルの配置や
コネクタも完全に同一です。
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ドナー側の電源基板を取り出し
ます。やはりカルキまみれです。
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故障側の電源基板を取り外します。万一にも両者を
取り違えないよう、「故障側」と記入しておきます。
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ドナー側(正常な方)の基板を
故障側の本体に組み込みます。
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アース配線の影響を考えて全てのネジを
締め付け、ケーブルを正しく接続します。
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電源コードを接続し動作確認に入ります。
前面の電源スイッチをONにします。
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LEDが緑色点灯から赤色の点滅に変わります。
同じく6回の点滅です。電源基板ではありません。
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次にチューナー部と反対側に取り付けられているSC
モジュール(スキャンドライブ基板)を移植してみます。
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ドナー側のSCモジュールを取り外します。
全6か所のコネクタが取り付けられています。
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隣接しているSMモジュール(スキャン出力基板)と
3個の特殊なジャンパー配線で接続されています。
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チューナー部からの映像信号が送られるフラット
ケーブルです。破損しないよう慎重に脱着します。
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ドナー側からSCモジュールを取り出します。
パワートランジスタと放熱器が並んでいます。
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故障側からSCモジュールを取り外します。
やはり間違えないように「故障側」と明記します。
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SCモジュールの移植が終わりました。
電源を入れて再度動作確認を行います。
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LEDが緑色の表示のままです。
赤色の点滅が起こりません。
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アンテナケーブルを接続してみます。
取りあえず地上デジタル波を接続。
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映像が正常に表示されています。音声も問題ありません。
不具合の原因が特定できました。SCモジュールです。
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一般的に製造メーカーは補修部品を単体では
販売しません。パナソニックも例外ではありません。
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しかし、ごく少数ですが、大手家電メーカーの補修
部品を取り寄せてくれる親切な電気店があります。
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注文した翌日に工房に届きました。パナソニックの
方針で、交換後の故障基板は返送することになります。
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再び工房内での作業です。新しい
SCモジュールを組み込みます。
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故障した基板を取り外した後に
新しい基板を取り付けます。
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隣のSMモジュールと相互に固定する
ネジが4本あります。しっかり締め込みます。
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コネクタを元に戻します。これは
電源系のケーブルです。
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抜き差しを数回繰り返して、接点に
付着したカルキの影響を排除します。
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SC・SMモジュールを相互に接続するジャンパーは、SC
モジュールに付いているので再利用の必要はありません。
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電源コードを差し込み、再度
動作確認を行います。
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電源スイッチを入れます。作業ミスや見落としが
なければ、問題なく動作するはずです。
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LEDが緑色に点灯しています。
赤色のエラー表示は出ません。
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アンテナケーブルを接続していないので映像や音声は出ま
せんが、受信チャンネルや映像モードが表示されています。
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背面カバーを取り付け、各部を簡単にクリーニング
します。スタンドは外したままで納品に出かけます。
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ご依頼元に到着しました。カートに
載せて設置場所まで運び込みます。
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現場にてスタンドを取り付けます。原因究明に
時間がかかりご迷惑をおかけしました。
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正常に放送を受信しています。プラズマ
テレビの画面は何となく温かみを感じます。
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故障診断に3万1千円~2万5千円と出ていましたが余りに高額です。パネル
交換でさらに数万円など現実的ではありません。極端な低価格を強いられる
新品販売だけではなく、維持や修理にも競争原理を働かせて欲しいものです。
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