9月20日にアップしました農産加工作業機配管の整備(現地下見編)の続編です。
手に負え
そうもない難題を引き受けてしまい、途方に暮れつつ帰途に就きました・・。帰りの車中、現地を
出発して間もなく、解決方法が思い浮かびました。しかも、専門知識や技術が必要な方法では
ありません。市販部品をうまく組み合わせ、必要な部分(5ポートの分岐ボックス)を製作します。
市販部品の規格を確認するため、工房に戻る前に近くのホームセンターに立ち寄りました。

現地で撮影してきた写真を元に、必要な作業機レイアウトを描き出してみました。
日立製5馬力のコンプレッサーが3台、計15馬力で駆動します。ネギの表皮を
瞬時に剥ぎ取る作業機(3馬力)が現在2台、近日中にあと2台が追加され、
計4台体制となります。駆動には計12馬力が必要です。さらに、瞬間的な圧力
低下、風量不足を補償するため、中間に260ℓのサージタンクを入れます。
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思い浮かんだアイデアは、流体圧送用の接手部品(汎用品)を組み合わせて、必要な分岐ボックスを
製作する方法です。基本的に、水道用のチーズ管とニップル管を次々組み合わせれば、どのような
分岐ボックスも製作可能です。求められている仕様を過不足なく満足するよう、部品の組み合わせを
描き出してみました。汚いメモですが、最適解を見出すにはこのごちゃごちゃしたメモで試行錯誤する
ことが非常に重要です。コストを抑えるため、既に保有されている部品はここから完全に除外します。
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コンプレッサー3台の圧搾空気をひとまとめにする、タンク
入力側の分岐ボックスです。エルボ管で方向を変えます。
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ホースニップルを介して内径19mmの
耐圧ホースで、コンプレッサーと接続します。
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タンク出力側の5ポート分岐ボックスも、チーズ管を
ニップル管で延々と接続して組み上げます。
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取り回しを考慮し、出力側は日東工器製ハイ
カプラ600SMと600PHを使用して接続します。
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サージタンクを中心に、3台のコンプレッサー、4台の作業機を配管接続した様子を描いて
みました(スケール比不同)。全ての接手部品が耐圧1MPを満たしています。ハイカプラ
以外鉄鋼製(水道用)ですが、浸食性流体が通過するわけではないので問題ありません。
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出力側5ポートのうち1ポートが空いていますが、ハイカプラは非接続時に内部で自動的に
ベーンが閉じているので、空気が漏れることはありません。将来的な予備とするそうです。
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必要な配管接手部品を買い揃えました。エアコン配管で4分(1/2インチ)管までは
使用したことがありますが、6分(3/4インチ)管を本格的に使用するのは初めてです。
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6分のねじ込みチーズです。業務用途
なので念のためステンレス製を選びます。
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同じくステンレス製のねじ
込み六角ニップルです。
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ステンレス製6分のねじ込みエルボです。ホーム
センターに並んでいたものより高品質です。
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日東工器製ハイカプラソケット(メネジ取り付け用)です。
既存保有部品と仕様を完全に揃えます。高価です。
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日東工器製ハイカプラプラグ(ホース取り付け用)
です。追加される2台の作業機用に用意します。
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コンプレッサーとサージタンク間の圧搾空気供給系は、ホース
ニップルにより常時脱着できない接続とします。真鍮製です。
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ホース取り付け用ハイカプラやホースニップルは
ホースクランプを掛けてホースの脱落を防ぎます。
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リーク防止用のテフロン製シールテープです。
これは近くのホームセンターで調達しました。
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接手のネジ部(テーパーネジ)にシールテープを巻き付けます。
水道工事の職人さんは1か所2・3秒で巻いてしまいます。
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チーズを万力固定してニップルをねじ込みます。
300mmのレンチを使い目一杯締め込みます。
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チーズの片側に六角ニップルを取り付けました。
この要領で全体を組み上げていけばOKです。
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チーズの両端に六角ニップルを入れました。
続けて隣のチーズ・エルボを接続します。
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チーズやエルボを1列に並べる際、開口部を
正確に同方向に向けなければなりません。
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ホースニップルを取り付ける準備をします。ネジ山を
ひと山残しねじ込みと同方向(右回り)に巻き付けます。
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コンプレッサー3台から供給される
圧搾空気をまとめる分岐部です。
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続いて出口側の5ポート分岐部を組み立てます。
タンクに接続するチーズのみ向きを逆にします。
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エア漏れはほどほどのトルクで止まりますが、
作業中に接続部が動かないよう強く締めます。
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計画段階のイメージとほぼ同じものが出来上がってきました。かなり重量が
あるので、タンクに取り付けるには補強用のステーが必要になると思います。
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ハイカプラソケットを取り付けます。テープの
巻き方がかなり上達してきたように思います。
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チーズ・エルボの開口部にねじ込みます。
手前側の六角ナットにレンチを掛けます。
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チーズとエルボではネジの奥行きに差があります。
ハイカプラソケットの飛び出しが微妙に違っています。
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追加用のハイカプラプラグを入れてみます。
何の問題もなく嵌まります、精密部品です。
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残りの3ポートは現場にある同一の保有部品を再利用します。工房でできる準備は
ここまでです。現地で必要になる他の資材、工具類を取り揃えて施工に備えます。
遠方なので準備不足や忘れ物は禁物です。社長と連絡し施工日は10月1日(日)と
決定しました。工房オリジナルの分岐部品を携えて、再び現地に乗り込みます。
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