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農産加工作業機配管の整備 準備加工編(2017.9.27)

9月20日にアップしました農産加工作業機配管の整備(現地下見編)の続編です。 手に負え
そうもない難題を引き受けてしまい、途方に暮れつつ帰途に就きました・・。帰りの車中、現地を
出発して間もなく、解決方法が思い浮かびました。しかも、専門知識や技術が必要な方法では
ありません。市販部品をうまく組み合わせ、必要な部分(5ポートの分岐ボックス)を製作します。
市販部品の規格を確認するため、工房に戻る前に近くのホームセンターに立ち寄りました。


現地で撮影してきた写真を元に、必要な作業機レイアウトを描き出してみました。
日立製5馬力のコンプレッサーが3台、計15馬力で駆動します。ネギの表皮を
瞬時に剥ぎ取る作業機(3馬力)が現在2台、近日中にあと2台が追加され、
計4台体制となります。駆動には計12馬力が必要です。さらに、瞬間的な圧力
低下、風量不足を補償するため、中間に260ℓのサージタンクを入れます。

 
 
思い浮かんだアイデアは、流体圧送用の接手部品(汎用品)を組み合わせて、必要な分岐ボックスを
製作する方法です。基本的に、水道用のチーズ管とニップル管を次々組み合わせれば、どのような
分岐ボックスも製作可能です。求められている仕様を過不足なく満足するよう、部品の組み合わせを
描き出してみました。汚いメモですが、最適解を見出すにはこのごちゃごちゃしたメモで試行錯誤する
ことが非常に重要です。コストを抑えるため、既に保有されている部品はここから完全に除外します。
 

コンプレッサー3台の圧搾空気をひとまとめにする、タンク
入力側の分岐ボックスです。エルボ管で方向を変えます。

 

ホースニップルを介して内径19mmの
耐圧ホースで、コンプレッサーと接続します。

 

タンク出力側の5ポート分岐ボックスも、チーズ管を
ニップル管で延々と接続して組み上げます。

 

取り回しを考慮し、出力側は日東工器製ハイ
カプラ600SMと600PHを使用して接続します。

 

サージタンクを中心に、3台のコンプレッサー、4台の作業機を配管接続した様子を描いて
みました(スケール比不同)。全ての接手部品が耐圧1MPを満たしています。ハイカプラ
以外鉄鋼製(水道用)ですが、浸食性流体が通過するわけではないので問題ありません。

 

出力側5ポートのうち1ポートが空いていますが、ハイカプラは非接続時に内部で自動的に
ベーンが閉じているので、空気が漏れることはありません。将来的な予備とするそうです。

 

必要な配管接手部品を買い揃えました。エアコン配管で4分(1/2インチ)管までは
使用したことがありますが、6分(3/4インチ)管を本格的に使用するのは初めてです。

 

6分のねじ込みチーズです。業務用途
なので念のためステンレス製を選びます。



同じくステンレス製のねじ
込み六角ニップルです。

 

ステンレス製6分のねじ込みエルボです。ホーム
センターに並んでいたものより高品質です。

 

日東工器製ハイカプラソケット(メネジ取り付け用)です。
既存保有部品と仕様を完全に揃えます。高価です。

 

日東工器製ハイカプラプラグ(ホース取り付け用)
です。追加される2台の作業機用に用意します。

 

コンプレッサーとサージタンク間の圧搾空気供給系は、ホース
ニップルにより常時脱着できない接続とします。真鍮製です。

 

ホース取り付け用ハイカプラやホースニップルは
ホースクランプを掛けてホースの脱落を防ぎます。

 

リーク防止用のテフロン製シールテープです。
これは近くのホームセンターで調達しました。

 

接手のネジ部(テーパーネジ)にシールテープを巻き付けます。
水道工事の職人さんは1か所2・3秒で巻いてしまいます。

 

チーズを万力固定してニップルをねじ込みます。
300mmのレンチを使い目一杯締め込みます。

 

チーズの片側に六角ニップルを取り付けました。
この要領で全体を組み上げていけばOKです。

 

チーズの両端に六角ニップルを入れました。
続けて隣のチーズ・エルボを接続します。

 

チーズやエルボを1列に並べる際、開口部を
正確に同方向に向けなければなりません。

 

ホースニップルを取り付ける準備をします。ネジ山を
ひと山残しねじ込みと同方向(右回り)に巻き付けます。

 

コンプレッサー3台から供給される
圧搾空気をまとめる分岐部です。

 

続いて出口側の5ポート分岐部を組み立てます。
タンクに接続するチーズのみ向きを逆にします。

 

エア漏れはほどほどのトルクで止まりますが、
作業中に接続部が動かないよう強く締めます。

 

計画段階のイメージとほぼ同じものが出来上がってきました。かなり重量が
あるので、タンクに取り付けるには補強用のステーが必要になると思います。

 

ハイカプラソケットを取り付けます。テープの
巻き方がかなり上達してきたように思います。

 

チーズ・エルボの開口部にねじ込みます。
手前側の六角ナットにレンチを掛けます。

 

チーズとエルボではネジの奥行きに差があります。
ハイカプラソケットの飛び出しが微妙に違っています。

 

追加用のハイカプラプラグを入れてみます。
何の問題もなく嵌まります、精密部品です。

 

残りの3ポートは現場にある同一の保有部品を再利用します。工房でできる準備は
ここまでです。現地で必要になる他の資材、工具類を取り揃えて施工に備えます。
遠方なので準備不足や忘れ物は禁物です。社長と連絡し施工日は10月1日(日)と
決定しました。工房オリジナルの分岐部品を携えて、再び現地に乗り込みます。

 
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