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ヘッドフォン修復(2017.10.20)


CDプレーヤPD-5070修理のご依頼をいただいた際に、ついでにお預かり
してきたヘッドフォンです。イヤーパッド(耳当て)の損傷と汚れが進み、
依頼主様はご自身でセロハンテープを貼るなどして使い続けてこられました。

 

イヤーパッドは両面粘着テープで本体に接着
されていますが、テープは劣化・黄変しています。

 

左側は完全に脱落してしまったようで、
セロハンテープでつなぎ留められています。

 

PIONEER製SE-50DⅡ、ダイヤフラムにチタニウムが
使用され、50kHzに及ぶ高音域再生性能を誇ります。

 

オーディオ再生には特に問題ありません。
両側ともイヤーパッドを取り外しました。

 

ダイヤフラム(振動版)の周囲を丁寧にクリーニングします。両面
粘着テープのスラッジを落とし、一部に生じていた錆も取り除きます。

 

問題はこの劣化したイヤーパッドをどのように
修復するかです。スポンジはへたり切っています。

 

取りあえず、外側を覆うクロスを
洗剤で水洗いしてみます。

 

すすぎ水が黒く濁りながら、付着して
いた汚れがみるみる落ちていきます。

 

予想外に綺麗になりました。クロス
自体はほとんど傷んでいません。

 

内側に付着しているテープの
スラッジを丁寧に取り除きます。

 

パッドのスポンジは復活できないので
新たにスポンジを補うことにします。

 

5mm厚のエアフィルター用スポンジ
シートを、径46mmの円にカットします。

 

左右2枚の補修用パッドが出来ました。フィルター用
なので音響特性にほとんど影響はないと思います。

 

元のイヤーパッド、外側のクロス、
追加するパッドを組み合わせます。

 

スポンジシートをひと回り小さく
切り出して丁度良かったようです。

 

表側(耳に当たる側)の状態を確認します。程良い
高さが保たれており、外観的にも悪くありません。

 

ヘッドフォン本体に仮組み付けしてみます。新品時の
形状は分かりませんが、バランスも良いと思います。

 

シート状の両面テープがないため、
ゴム系接着剤で貼り付けることにします。

 

ゴム系であれば、後で引き剥がして
再度補修することも可能です。

 

黒色に塗装された金属製のヘッド
バンドは所々で塗装が剥がれています。

 

金属の地色が見えると劣化した印象を
受けるので、サインペンで簡易修理します。

 

使い古しの印象が後退し、
格段に見栄えがします。

 

本体の樹脂部品も全体的にクリーニングして修復完了です。再生音域、
ダイナミックレンジともに十分な、音を楽しむことのできるヘッドフォンです。

 
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