
CDプレーヤPD-5070修理のご依頼をいただいた際に、ついでにお預かり
してきたヘッドフォンです。イヤーパッド(耳当て)の損傷と汚れが進み、
依頼主様はご自身でセロハンテープを貼るなどして使い続けてこられました。
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イヤーパッドは両面粘着テープで本体に接着
されていますが、テープは劣化・黄変しています。
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左側は完全に脱落してしまったようで、
セロハンテープでつなぎ留められています。
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PIONEER製SE-50DⅡ、ダイヤフラムにチタニウムが
使用され、50kHzに及ぶ高音域再生性能を誇ります。
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オーディオ再生には特に問題ありません。
両側ともイヤーパッドを取り外しました。
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ダイヤフラム(振動版)の周囲を丁寧にクリーニングします。両面
粘着テープのスラッジを落とし、一部に生じていた錆も取り除きます。
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問題はこの劣化したイヤーパッドをどのように
修復するかです。スポンジはへたり切っています。
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取りあえず、外側を覆うクロスを
洗剤で水洗いしてみます。
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すすぎ水が黒く濁りながら、付着して
いた汚れがみるみる落ちていきます。
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予想外に綺麗になりました。クロス
自体はほとんど傷んでいません。
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内側に付着しているテープの
スラッジを丁寧に取り除きます。
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パッドのスポンジは復活できないので
新たにスポンジを補うことにします。
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5mm厚のエアフィルター用スポンジ
シートを、径46mmの円にカットします。
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左右2枚の補修用パッドが出来ました。フィルター用
なので音響特性にほとんど影響はないと思います。
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元のイヤーパッド、外側のクロス、
追加するパッドを組み合わせます。
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スポンジシートをひと回り小さく
切り出して丁度良かったようです。
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表側(耳に当たる側)の状態を確認します。程良い
高さが保たれており、外観的にも悪くありません。
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ヘッドフォン本体に仮組み付けしてみます。新品時の
形状は分かりませんが、バランスも良いと思います。
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シート状の両面テープがないため、
ゴム系接着剤で貼り付けることにします。
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ゴム系であれば、後で引き剥がして
再度補修することも可能です。
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黒色に塗装された金属製のヘッド
バンドは所々で塗装が剥がれています。
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金属の地色が見えると劣化した印象を
受けるので、サインペンで簡易修理します。
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使い古しの印象が後退し、
格段に見栄えがします。
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本体の樹脂部品も全体的にクリーニングして修復完了です。再生音域、
ダイナミックレンジともに十分な、音を楽しむことのできるヘッドフォンです。
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