駅前の高級マンションから食器洗浄乾燥機修理のご依頼です。以前にも別のお宅で
ディスポーザーの修理に伺ったことがあります。築10年が経過し、備え付けの機器が
軒並み耐用年数を超えています。製造元が修理に対応してくれれば良いのですが。
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型番はナショナル製食器洗い乾燥機NP-P45R1PS、前面パネルの
色違いで末尾がK・S・Hとなる中の1台です(多分)。前面ドアが完全に
閉まらず、引き出しを押し込んだ後でドアをロックできないそうです。
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引き出しを開けてみます。スライド
レールが機能しスムーズに動きます。
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引き出しを押し込むもドア1枚分を残して
止まり、ドアロックレバーが動きません。
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引き出しを開けた状態では
問題なくレバーを操作できます。
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レバー位置の本体側です。ドア側の突起を受ける
キャッチャーが見えます。指で押しても動きません。
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ドアキャッチャー部に何か原因があるようです。
確認するには本体を取り出す必要があります。
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本体を左右で固定している金具
(前ズレ防止金具)を外します。
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本体左右の化粧覆い(フィラー)も外してみます・・が、何か
引っかかっているのか本体を引き出すことが出来ません。
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無理をして取り返しが付かなくなる前に、いったん
現場を引き上げて施工書を確認することにします。
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幸いネット上に施工書(据付工事説明書)を見つけることが出来ました。
本体の出し入れについては15ページに記載があります。前ズレ防止金具
以外には特に固定されていないようです。力の入れ方が足りなかったようです。
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日を改めてお邪魔します。足腰を踏ん張り気合を
入れて本体を引くと、すんなり出てきました。
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本体上端のフィラーを外します。
止めネジが1本脱落しています。
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本体上面のカバーを外します。
周囲4本の固定ネジを緩めます。
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上面カバーは金属製薄板です。さほどの強度も
無く、かろうじて筐体を構成している程度です。
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上面カバーを取り除きます。ドアの
キャッチャー側構造が見えてきます。
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一見しただけでは構造が理解できません。
ご依頼主の眼前でこの時間は辛いものです。
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本体上面に組み込まれているプレート、および
プレートに取り付けられているスプリングに注目します。
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ここで、前回は全く動く様子の無かった
キャッチャーが、指で押すと後方に動きます。
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ここまで分解する途中で、固着状態が解消されたようです。
キャッチャーとともにプレート全体が後方に移動します。
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プレートは周囲4か所でスライド
する機構が組み込まれています。
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後方にスライドすると同時に、プレートは下方にも移動します。
プレートは洗浄中に水漏れしないようボックスの蓋となります。
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ようやくドアおよびキャッチャーの機構が
理解できました。ドア側の突起が移動し、
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キャッチャーに接触し押し込むことで、プレートを後方
および下方へ移動させて洗浄ボックスを密閉します。
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プレートが動くようになり、不具合は解消したはず
ですが・・、まだドアが完全に閉まりません。
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原因はキャッチャーから突き出た金具です。
金具がレバー自体のロックを解除します。
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金具が変形しドア側の解除ポケットを外れて
いました。フィラーを取り付け本体を固定します。
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ドアが閉まらないまでも、閉まり辛い状態がしばらく続いたはずです。洗浄ボックス
上部プレートの固着は、ドアを繰り返し無理に閉めようとしてきた結果だと思われます。
設備屋さんに依頼すると、経過年数からして間違いなく新品に交換となり、20万円
前後の出費となるはずです。洗浄機構や電気回路は正常なのにもったいない話です。
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