SONY製トランジスタラジオICF-SWのシリーズは、実に根強い人気が
あります。オークションでは完全に動作する中古機が、驚くほどの高値で
取り引きされています。一方で、電源が入らない、放送を受信できない、
音声出力が小さいなど、多くの中古機が何らかのトラブルを抱えている
ようです。昨年の12月、工房に送られてきたICF-SW55は、電源が
入らない1台です。開けてみると販売当時の製品梱包がそのままです。
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外装カバーの中から、樹脂製の
専用キャリングケースが現れます。
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ケース内にはラジオ本体以外にも
付属品がセットされていたようです。
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ラジオ本体の専用保護カバーもそのままで、
中から世界品質Made by SONYの登場です。
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よほど大切に丁寧に使われてきたようで、
本体にも傷や汚れがほとんどありません。
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オークションでは「極上品」となるでしょう。
ただし、完全に動作すればですが。
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電源が入らないのではなく、一度はONになるのですが
放送を受信することなく、しばらくするとOFFになる状況です。
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ICF-SWのシリーズは、筐体の構造設計に
共通性があり、割と簡単に分解できます。
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裏側カバーを外しました。ツメを解除
するだけで手前側の基板を取り出せます。
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当時は先進的デバイスのひとつだったのでしょう。
悪名高いSMDコンデンサが並んでいます。
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ICF-SWシリーズの修理事例は、その
ほとんどがSMDコンデンサの交換です。
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「ICF-SW55 修理」で検索すると多くの修理記事が
ヒットします。例えばこちらのmarukawatechnart's
blog。
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テレビ修理-頑固親父の修理日記にも
大きな写真で分かりやすく説明されています。
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以前にCRF-330Kの修理で紹介させていただいた
じんけいの修理日記でも取り上げられています。
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黒物家電館で紹介されている
修理もコンデンサの交換です。
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交換が必要なコンデンサは
6種類、実に25個に及びます。
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実装上小型のものが必要なので、通販ではなく
実際にサイズを確認しながら店舗で買い求めます。
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低周波増幅段周りは作業しやすいのですが
高周波周りは実装密度が高く厄介です。
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筐体内で頭がつかえることなく収まるか、
時々本体に戻しながら作業を進めます。
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コンデンサ交換作業の詳細は、先輩諸氏の記事に解説されているので略します。
そして、全コンデンサの交換を終えました(疲れました)。が、電源は入りゃしません。
他の事例はこれで解決しているのですが・・。いったんONになりしばらくして電源が
切れる現象は「marukawatechnart's
blog」に詳しく説明されていて、これもコンデンサ
交換により解決しています・・つまり原因はコンデンサ以外にあり得るということです。
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先輩諸氏の修理事例を真似るだけで修理しよう、という甘い魂胆は通用
しないようです。心を入れ替えて(・・諦めて)SW55の回路図を探します。
いつものように海外のサイトにありました。回路図中に各部の標準電圧が
示されているので、回路計を手に適当(テキトー)に当たっていきます。
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ICFシリーズでよく見かけるDC-DCコンバータ部
です。もちろんここのコンデンサも交換済みです。
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既に取り外していますが、表裏両側から
金属製のシールドカバーが取り付けられています。
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乾電池やACアダプターからくるB+電源とは別に
PLL回路を動作させる高電圧を作り出します。
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回路図によるとDDコンバータの
入力電圧は2.9Vのようです。
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回路計を当てるとほぼ3Vで、
元の電源回路は正常です。
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一方、DDコンバータの出力は電源の
電圧をはるかに超える16.3Vです。
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基板上のDDコンバータ回路部に
+16Vの表示があります。
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直ぐ上のアースと思われるランドとの
間に回路計を当ててみます。
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ここは金属製シールドケースがあって接地される
わけで、反対側のランドが本来のアースでした。
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さて、DDコンバータの出力16.3Vある
はずが、この通り1Vくらいしか出ていません。
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DDコンバータが正常に動作していないようです。発振の有無が疑われますが
回路図に発振の周期は100n秒と示されており、つまり周波数10MHzになる
わけで、とても工房の安物オシロスコープで追える相手ではありません。微細な
チップ部品やSMDコイルの動作を確認することもままならず、元の回路を修復
することは諦めます。代わりに16.3Vを供給する方法として、このような製品が
存在することを見つけました。単体のDDコンバータです、Amazonにあります。
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仕様は入力2~24V、出力5~28V、何より
36mmx17mmという小型サイズが好都合です。
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そうは言うものの、China製格安部品の実際の動作が
心配です。導入したての電源装置を2.9Vに設定します。
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入力側端子にクリップで
2.9Vを接続します。
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出力端子に回路計を
当てて電圧を確認します。
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基板上のトリマーの調整でかなり精密に出力
電圧を調整できます。16.3Vにセットします。
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SW55の回路上でも実際に同様の
電圧を作り出すことができるでしょうか。
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基板からビニルコードで2.9Vを
取り出し、入力端子に接続します。
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先ほどセットした通り出力に
16.3Vが出ています。
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次の段階に進めます。DDコンバータの
出力16.3VをSW55の回路に戻します。
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さぁ、今度はどうなるでしょう。電源を入れる前です、
バックアップ電源により液晶に時刻が表示されています。
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電源スイッチを押すと、「CAL」の表示と放送受信地域が
表示されます。以前はこの後で電源が切れていました。
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少し間をおいて、電源が入りました。「CAL」に代わって
受信周波数(初期値の150kHz)が表示されています。
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DDコンバータの動作不良が原因だったようです。
元の回路は使わないので不要な部品を取り除きます。
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電源供給と信号の経路を絶てば
余分な電力は消費しません。
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大きな部品の実装側(本体内部側)は、新しい
コンバータを組み込むため完全に部品を取り去ります。
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本体基板とDDコンバータを接続するビニル
コードを、実装に合わせて取り付け直します。
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基板から2.9V(黄)とアース(白)を
取り出し、16.3V(青)を戻します。
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新しいDDコンバータは、元のコンバータ
回路があった位置で僅かな空間に収めます。
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そのため、コンバータ基板両端にある
入出力端子部分を短く切り詰めてあります。
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ビニルコードによる配線も
必要最小限の長さに調整します。
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16.9V出力の配線を基板の
反対側ぎりぎりに引き寄せます。
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アースの配線を入力側・出力側それぞれで
取るべきでしょうが、共通の1本で済ませます。
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ここに、DDコンバータ基板が収まり
そうな僅かな空間があります。
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基板が剥き出しの状態なので、
太い熱収縮チューブを被せます。
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DDコンバータ基板全体を覆い、周囲と
電気的に接触しないよう絶縁します。
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熱を加えて収縮させます。この状態で
真下の空間に何とか収まります。
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電源が完全に入るようになりました。AM放送の
受信周波数も変更できます・・が、放送が聞こえません。
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電源が入りAM放送の「ザー」という局間ノイズも
大きく出ているのに・・、放送が聞こえません。
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ここまで辿り着くのにいくつも山を越えてきました。
最後は高周波回路、守谷工房の苦手分野です。
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バーアンテナの配線が切れていないか・・、
悲しいかなその程度の点検しかできません。
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高周波回路の大部分がこのようなチップ部品で構成されています。
しかも基板の表裏両面に部品が実装され、信号の流れを追うのも大変
です。回路計やオシロスコープのプローブを当てるにも、隣接する部品と
短絡させないよう神経を使います。低レベルな話ですが、写真のように
基板や部品の端子にあちこち指先を触れて、音声が変わりはしないか
確かめるくらいです。・・・とそうこうしている時です、一瞬ですが放送が
聞こえるではありませんか! 指を離すと聞こえなくなります。ヒントが
隠されているのですが、残念ながらどこに触っているのか分かりません。
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こうなれば繰り返し延々と触りまくるだけ
です。徐々に捜査範囲が狭まってきて・・
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このIFTコイルです! こいつに
触れていると放送が聞こえます。
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ルーペを持ち出して拡大してみると、何とコイルの一部が欠損しています。
何かが強く当たり巻き線がむしり取られたような感じです。よく確認すると
エナメル線数本分の切断端が見えます。ここで信号が途絶えているようです。
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交換または修復せざるを得ません。しかし、スルーホールに
半田付けされた微細部品を取り出すのは簡単ではありません。
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吸い取り器で半田を除去しても、どうしても
スルーホール内に半田が残るからです。
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ひやひやしながら熱を加え、何とか取り出しました。この
小さなコアリングにエナメル線を巻き直すのは不可能です。
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コイルが取り付けられていたホールを
綺麗にしておきます。
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回路図の該当部分を確認してみます。T3の記号があるコイルを探します。
2次側巻き線にセンタータップのあるコイルで、すぐ後にFET2個を使用した
プッシュプル回路が控えているので、音声信号を上下に2分割するための
結合トランスのようです(間違っていたら済みません)。入力信号を2分割
できればよいので、あまり厳密なスペックは問われそうにありません。
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以前に利用したICF-SW7600のジャンク
基板です。この中からコイルを探します。
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コイルがいくつも並んでいます。
同じT3のIFTはケース入りです。
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回路が異なるからもちろん同じ部品ではあり
ませんが、試しに外してみると、このザマです。
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IFTのピンが抜けて基板に残って
います。本命は左隣のコイルです。
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取り外して再利用することが目的なので、
絶対に部品を壊すわけにはいきません。
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半田面の側から丁寧に半田ごてを当て、
コイルのピンを少しずつ押し出していきます。
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裏側から見る分にはほとんど
抜けているのですが、まだです。
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ピンに半田がまとわりついた
状態でようやく抜けてきました。
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ピンを綺麗に整えます。取り出す際に
巻き線が損傷してなければ良いのですが。
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回路計でピン間の導通を確認します。
巻き線に問題はないようです。
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元の位置に取り付けます。この小さなコイル、ネット上では
見つけられません。7mm角のケース入りが最小です。
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裏側でしっかり半田付けします。
取り外すのは金輪際御免です。
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スペックが適当でも良いとは言え、このコイルが代替品として使用できるか
それは分かりません。巻き線の固定用に塗り付けられた塗料が元の部品と
同じ緑色をしているので、多分同等の部品ではないかと思うのですが・・。
電源を入れると放送が受信できます。内蔵スピーカーから放送の音声が
聞こえてきます。低周波周りのコンデンサを全て交換してあるので、音量・
音質とも本来の性能を取り戻しているようです。で・す・が・・、ここでまたも
問題が発生です。音声にひどいノイズが混入しています。可聴域ですが
かなり周波数の高い強烈なノイズで、それでも出処はすぐに判明しました。
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既に本体に収めてあるDDコンバータです。
元々金属製シールドで覆われている部品です。
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熱収縮チューブで保護しただけではノイズが出放題です。
自宅キッチンからアルミホイルの切れ端を持ってきました。
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予めマスキングテープで保護した
上から、アルミホイルで包みます。
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アルミホイルの外側をさらに
マスキングテープで保護します。
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凄まじいノイズが嘘のように消えました。局間では多少
残っていますが、放送周波数では十分抑制されます。
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放送局を変えながら受信
状態を確認していきます。
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NHK第1・第2に続いて和光の
AFN(米軍放送)を受信しています。
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954kHzTBSを受信しています。受信感度が高い
ので電波の弱い工房内でも十分に受信できます。
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2か月に及ぶ長期戦がようやく終わりを迎えます。越えてきた山の多さに溜息が
出る思いです。しかし、実は修理はまだ完全ではありません、FM放送がまだ
受信できないのです。FMの受信回路に対応する測定器の設備がなく、調整の
しようがありません。また、このラジオの売りであるSW(短波放送)は、アンテナを
用意・調整することができず、動作確認すら行うことができません。しかし、元の
ご依頼内容は「電源が入らない」でしたので、「電源は入るようにした」と言っては
身勝手極まりありませんが・・、AM放送の受信まで漕ぎ付けたことで何とか
ご容赦いただけると有難い限りです。恐る恐るご依頼主にお伝えしたところ
幸いにもご了解をいただくことができました。今後も精進して参ります。
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