ゴミ集積所屋根葺き替え工事の続編です。屋根板を載せる前の基礎工事は既に完了
しています。ここからが工事本番のようですが、タイトフレームを交換する作業に比べると
そうでもありません。ただし、正確に取り付けるにはそれなりの手順が必要です。
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手配した屋根板、折板と呼ばれます。現状と
同じ働き巾600mm(3折)を使用します。
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板厚は現状0.5mmのところ0.8mmを使用します。
重量が6.28kg/m2から9.87kg/m2に増えますが、
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断面係数は19.4cm3/mから38.0cm3/mと倍増し、
おそらく人が乗っても問題ない強度が得られるはずです。
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折板長は現状と同じく2400mmです。前後の
タイトフレームボルト間は実測1970mm前後です。
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手前側タイトフレームからの張り出しが255mmなので、
前後の張り出し長さ43mmから奥側の張り出しを求めます。
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端から175mmの位置に奥側
タイトフレームのボルトを通します。
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175mmの位置を正確に
割り出しペンでマークします。
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ボルトは折板の山折部を通ります。
幅方向の中央をマークします。
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マークした位置にポンチを打ちます。
0.8mm厚鋼板を強めに叩きます。
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折板1枚に山折部が4か所あるので
4か所ともポンチを打ちます。
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ポンチ位置に8mm径のドリルで穴を開けます。
0.8mmの薄板なので簡単に穴が開きます。
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O氏が考え出した作業手順により、
手前側にはボルト穴を開けません。
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奥側のボルト穴だけが開いた
状態で折板を屋根に運び上げます。
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手前側のタイトフレーム上に、予めボルト
位置に穴を開けた角材を差し込みます。
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そのままでは折板を持ち上げる際に
ボルトの先(剣先)で裏面を傷付けます。
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角材に開けられた穴にボルトが嵌まることで、
角材が固定されると同時に折板を保護します。
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角材の表面には養生テープが貼られており、
折板を移動させる際の滑りを改善しています。
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折板に開けられた穴位置が、奥側の
タイトフレームに一致するよう調整します。
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穴位置が合ったところで4本のボルトを穴に通します。ボルトの位置は
タイトフレームに依存しており、タイトフレームと折板は工業製品として
寸法が厳密に管理されています。結果、何ら問題なく穴に収まります。
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折板の手前側には、まだ
ボルト穴が開いていません。
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従って、手前側はタイトフレームの
ボルト上に折板が載っているだけです。
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タイトフレームはC型鋼材に溶接留めされていた
ので、前後の間隔は必ずしも一定とは限りません。
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そのため、片側は現物合わせの
方が正確に位置決め出来ます。
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折板の上に角材を置いてハンマーで
叩くと、ボルトの先に突起が出てきます。
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その突起位置で、突起を逆方向に
凹ませるようにポンチを打ちます。
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ボルト(剣先)が多少ぶれていても、その
ぶれに追随した正確な位置を割り出せます。
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ポンチを打った位置に
8mmの穴を開けます。
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先ほどの角材を下に入れて
折板を少し浮かせています。
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この調子で穴4個を「タァーッ」と
開けてしまいます。
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折板の穴にボルトを通し、特殊なゴムパッキンがセットされた専用のナットを締め込み
ます。ゴムパッキンはブチルゴム製で、締め込まれると潰れて広がりボルト穴の周囲を
シールするようになっています。ボルト穴の内側を錆止め処理する必要もありません。
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パッキンを潰しながら強く締め込む
ため、ボックスレンチが必要です。
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折板に穴あけした際に生じた切り屑をブロアで
飛ばします。放置すると貰い錆びの原因になります。
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続いて奥側のボルトにも
ナットを締め込みます。
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途中まで締め込んだ状態です。
パッキンを潰しながらさらに締めます。
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屋根上から降りてきて
2枚目の折板にかかります。
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山折り部4か所に奥側から
175mmで穴を開けます。
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折板を含む大部分の資材は、竜ケ崎市内に
ある老舗の金物店に手配してもらいました。
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現場用資材の中には、ネット通販で
簡単に入手できないものがあります。
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工務店や職人さん御用達の店舗なので
資材に関して色々と教えてもらえます。
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1枚目折板の隣に
2枚目を載せます。
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山折り部を一つ分、手前の
折板に重ねて載せます。
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再び地上に降りて次の
折板を準備します。
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屋根前面を覆うには6枚の折板が
必要で、同じ作業を繰り返します。
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地上で穴あけ → 屋根上へ持ち上げ → 嵌め込み
→ 残りの穴あけ → ナット固定 を6回繰り返します。
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手前の折板との重なり部は、鋼板の端が
強めに折られていて雨仕舞となります。
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屋根板が広がると、小屋と
しての体裁が戻ってきます。
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5枚目、最後から2枚目の折板です。
山折り部の重ね方を変更します。
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最後の2枚は、全働き巾の帳尻を
合わせるため山折り部を二つ分重ねます。
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最後の1枚を載せます。この通り折板の
上に乗っても全く問題ありません、頑丈です。
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この1枚を固定すれば、折板の
取り付け作業は完了ですが・・
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最後になって問題が出てきました。小屋のすぐ
脇に立つ金属ポールに、折板の端が干渉します。
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解決策は・・、金切り鋏を取り出し
干渉する部分に切り込みを入れます。
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金属ポールを回避できる間隔で
2か所に切り込みを入れます。
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次にペンチを使って切り込み部を
下方に折り曲げてやります。
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これで金属ポールとの当たりを避けることが出来ます。折板を切り込んだ
部分は、錆が発生しないよう切り口をペイントで補修しておきます。
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地上から見上げても
自然な印象です。
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最後の折板を固定します。
ボルト位置にポンチを打ちます。
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ナットを取り付けます。反対側では
K氏が既に締め込み作業中です。
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ボックスレンチを使用して
最後のナットを締め込みます。
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折板の関連資材としてこのような
樹脂パーツがあることを知りました。
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ボルトおよびナットの飛び出し部分を完全に覆う
キャップです。防水と防錆、さらに美観を向上させます。
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元の屋根にはありませんでしたが、あらためて取り付けて
みると外観がすっきりしてデザイン的にも悪くありません。
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作業は仕上げ段階に入っています。これは折板の
三角計の隙間を塞ぐ「見切り面戸」という部品です。
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折板の隙間に合わせて
取り付け位置を決め、
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C型鋼材にタッピングネジを
数本打って固定します。
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見切り面戸は元々取り付けられていた
もので、全て新しい部品に交換します。
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見切り面戸を取り付けておかないと、隙間
から鳥や小動物が侵入する恐れがあります。
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奥側の隙間にも同様に取り付けます。
エキスパンドメタルは再利用します。
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この時点で元の状態に修復されたことになります。折板と見切り面戸が真新しくなり、
新装された雰囲気が十分に出ています。ですが、さらにもうひと手間かけます。
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これも資材調達中に見つけた部品で
「化粧フレーム」と呼ばれます。
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同系統色のシール材をコーキング
ガンにセットし、内側に塗り付けます。
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折板の手前端に取り付けます。
シール材は接着剤替わりです。
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折板の折り曲げ形状に合わせて
作られているので、ピタリと嵌まります。
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シール材が固化するまで
時間がかかるので、
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養生テープで仮止めしておきます。
後日撤去することにします。
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取り付けてみて、一同その効果に驚きました。屋根端に厚みが加わった印象で、
鋼板の薄い板厚のままよりも、明らかに丈夫そうで安定感が漂います。
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全作業が終わりました。まだ化粧フレームの仮止めテープがそのままですが。
人様の所有物を修理・修復してきたのに、綺麗に仕上がってみると自分ごとの
ように嬉しく感じるものです。同時に「完成=別れ」でもあり、どこか寂しく感じ
たりもします。O氏やK氏がどうお感じになるのか、分かりませんけれど・・。
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作業を終え現場の撤収に入ります。
発電機や脚立も含め大量の道具です。
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O氏とK氏は8月末から週末ごとに
全4か所の工事を進めてきました。
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今回はその4か所目、最後の
ゴミ集積所工事となりました。
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仕上がった屋根を上から見下ろして
みます。真新しいグレー色が映えます。
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折板の縁に取り付けた化粧フレームが、想像していた以上に品質感を
高めています。前面のサッシ製スライドドアにほとんど経年劣化がない
ので、全体的にも老朽感がありません。気持ち良く利用いただけそうです。
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9月に入り最初の週末に工事した、2か所目のゴミ集積所です。
猛烈な暑さの中での作業でした。こちらも綺麗に仕上がっています。
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9月第2週の週末に工事した、3か所目のゴミ集積所です。
周囲から樹木が覆い被さり、伐採しながらの作業でした。
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8月月末に工事した自治会々館近く、1か所目のゴミ集積所です。最初の工事
だったため、手順を確認しながらの作業となり丸2日を要しました。振り返るとこの
4月に最初のお問い合わせをいただき、7月に入り資材調達や工法の検討を開始し
8月末に着工した(工房にとって)大仕事が、秋の気配を感じ始める9月下旬に
ようやく完了となりました。工事を完遂された工房テクニカルパートナーのO氏と
K氏に感謝申し上げます。機会を頂戴した自治会役員の方々に御礼申し上げます。
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