2021年10月に四国松山までマンションの宅配ボックス修理に出かけて
以来1年半になります。今回は横浜市磯子区にあるマンション、その管理
組合の理事の方から連絡をいただきました。松山と同様に宅配ボックスの
故障でお困りとのことです。松山の修理記事をご覧になったそうです。
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守谷市から横浜市まで、決して近くは
ありませんが車で十分日帰り可能です。
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部品の手配が必要になっても、あらためて
出直すことができるので幾分気楽です。
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エントランスを入り少し奥まったところに
宅配ボックスが設置されています。
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大中小と大きさが異なる
ボックスが5台あります。
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5台中4台が故障して残る1台(大)のみの利用と
なり、長い期間不便な思いをされてきたそうです。
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ボックスごとに「故障中」の
張り紙が付いています。
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折角の押印装置も
使われないままです。
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マンションの竣工と同時に施工され
以来20年ほど経過しています。
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管理組合が施工会社に修理を依頼されていますが、部品が
なく修理不能との回答。代わりに、現在のボックスを撤去した
上での総入れ替えを提案されたそうです。見積金額をみるや、
「びっくりし過ぎた」とおっしゃる気持ちは想像に難くありません。
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エントランス内側に入り、荷物の
取り出し側から点検を進めます。
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表の預け入れ側と同じキーパッドが取り付け
られています。暗証番号の表示器はありません。
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押印装置のドア面に、受け取り
方法について説明があります。
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専用キーをお借りして全ての
ボックスを手動で解錠します。
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エントランス外側(預け入れ側)から
錠前装置(ロックユニット)を確認します。
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この錠前装置1台に、預け入れ~取り出しに
かかわる全ての機能が組み込まれています。
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預け入れ・取り出し両側にあるキーパッドで、
暗証番号を確認し施錠・解錠を操作します。
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それらの操作が不能になっているので、
不具合の原因はほぼ錠前装置にあります。
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錠前装置を取り出すには、まず預け入れ側から
キーパッド周りのカバーを外さなければなりません。
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施工時にカバーの周囲に打たれた
コーキング材が、変質してドロドロです。
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エントランス外側から見て右下にある最もサイズが大きい
ボックスです。錠前装置の取り付け具合が分かります。
装置手前側に上下2本の壁面固定用ネジが見えます。
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エントランス内側に戻り、反対側での
錠前装置の固定方法を確認します。
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ドア開閉ハンドルの内側にこのようなフック金具が
あり、錠前装置内のツメが掛かる構造です。
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預け入れ側の扉を閉めた状態です。万一人が
閉じ込められると大変なことになりそうですが、
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錠前装置には非常脱出レバーが付いて
おり、内側から解錠することができます。
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田島メタルワーク社の製品(GXT)ですが、同社
WEBには旧製品としても掲載されていません。
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幸いなことに、管理組合の方が取付・
取扱説明書を保管下さっていました。
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錠前装置表面のカバーを外すと、乾電池ホルダーが組み込まれています。
単1乾電池4本を電源として動作し、各錠前装置は互いに完全に独立して
機能します。乾電池を交換した際に、一時的に動作するようになったことが
あるそうです。それを聞いて、何となく直りそうな気がしているのですが・・
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疑わしいのは、およそ端子類の接触不良です。乾電池
ホルダーを筆頭に、スイッチに含まれる全ての接点です。
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一度電源を切りその後電圧を印加すると、
一時的に接触が回復することがあります。
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あくまでも一時的な回復なので、多くの場合で
しばらくすると再び元の接触不良状態に戻ります。
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錠前装置を1台取り外し、金属製
外カバーを開けて内部を点検します。
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錠前装置の預入側ロック機構です。施錠・解錠を
検知するためマイクロスイッチが組み込まれています。
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取出側のロック機構です。こちらにもマイクロ
スイッチがセンサー代わりに使用されています。
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装置の中央部に乾電池ホルダーと並んで、この制御基板が収められています。
20年以上前の製品とはいえ、LSIチップ(PIC)を中心に構成されたなかなか
高密度な基板です。ロック機構のレバーはソレノイドで作動しますが、そこへの
電力をON・OFFするため、リードリレーおよびドライブ用のパワートランジスタも
含まれています。基板に故障がないことを祈りながら、コネクタも含めるとやはり
接点(接触不良を起こし得る)はかなりの数に昇ります。現地で全て点検・修復
するのは時間的にも無理なので、ボックス全5台分の錠前装置を取り外し(故障
していない1台も含む)、工房に持ち帰って十分なメンテを加えることにします。
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