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ホームサウナの応急修理(2023.1.20)


ホームサウナが使用できないと連絡をいただき、都内西部
まで出かけます。社長のお話しでは会長が毎朝お使いになる
そうで、起床後の日課をお楽しみになれないとのことです。
 

お伺いしてみると、住居内にサウナ専用の部屋が
設けられています。National(松下電工)の製品です。

 

通電時間を設定するタイマーのツマミ(写真左下)が
空転しONにならない、割と単純な不具合です。

 

通電タイマーはーブンレンジやトースターでいくつも
修理しています。もちろん部品ごと交換も可能です。

 

化粧用の木枠と操作パネルを外します。内部に
専用のブレーカー(漏電遮断器付)を備えています。

 

単相200Vをヒーターに通電し、
電磁開閉器によりON・OFFします。
 

操作パネル側と接続する
ケーブル・コネクタです。
 

操作パネルの内側も
シンプルな設計です。
 

故障したタイマーです。デロンギ製オーブントースター
使われていたのと同じ機械時計式の精巧なものです。

 

ツマミを回しても空転して元の位置に戻ってしまうので、
バネ・ツメ・ラチェットあたりの変形か摩耗が原因でしょう。
 

取り外して工房に持ち帰れば修理可能だと思います。
同様の働きをする部品も、何か見つけられるでしょう。
 

ところが、傍らで作業をご覧になっていた社長から「もしかして
タイマーを使えなくてもいいので直結にできるか?」と聞かれ
ます。タイマーを経由する・しない、どちらにせよ電磁開閉器の
制御信号をON・OFFするだけなので、それは十分可能でしょう。
操作パネル上に「サウナ電源」ボタンが別に付いており、取りあえず
問題ありません。パネル内側に貼り付けられている回路図も入念に
確認します、当時の製品はしっかり情報が公開されていたものです。
 

先ほど半田を溶かして外した2本の
信号線を、先端を処理して寄り合わせます。
 

単芯線用の圧着端子ですが、これしか手持ちが
ありません。ビニルテープ巻きよりもマシでしょう。
 

コネクタ類を元に戻します。サウナ室の外にボックスが
取り付けられているので、防湿的にさほど厳しくありません。
 

通電してみます。問題なく電源が入ります、
もちろんタイマーの操作は影響しません。
 

サウナ室内です。蒸気を発生させる装置が
組み込まれていないドライサウナでした。
 

ヒーターが内蔵された熱源部分です。
手をかざすと熱気が立ち昇っています。
 

社長のご要望通りにタイマーをスキップし信号線を直結する
作業を終えました。その場で復旧はできたのですが、作業中
何かしっくりしない思いがしておりました。タイマーがなくても
特に問題ないように思えますが、これは一種の安全機能かも
知れません。最長でも180分で必ずOFFになるので、3時間を
超えて高温のまま室内に留まる状況は想定されないのです。
タイマーの切り替えポジションに連続ONがないことに、作業を
終えてから気付きました。社長にはその旨を丁寧に説明申し上げ、
いずれタイマーの修理または交換を検討されるようお願いしました。

 
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