ランドクルーザーに搭載されたデジタルプロポーショナルを修理していて、その昔この技術を
勉強した本のことを思い出しました。ラジコン技術社(現在は電波社)が発行する技術雑誌
「ラジコン技術」です。「鉄道模型趣味」と並んで本棚に保管してあった1冊を、数十年ぶりに
取り出してきました。1968年(昭和43年)6月の臨時増刊号で、当時私は中学生でした。
今回のデジタルプロポーショナル回路の修理に非常に役立った資料を以下に紹介します。
団体名義著作物の保護期間は公表後50年間ですので、転掲載は可能と考えますが、もし
当方の理解不足や電波社様他に支障がございましたら、ご指摘下さいますようお願いします。
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同誌P61~67に「シングルデジタルプロポ送受信機の製作」が掲載されています。送信機・
受信機ともに回路基板のエッチングパターンや部品配置が示されており、懇切丁寧な解説が
自作を十分に可能なものにしています。上図はP65の第5図に示されている「受信機回路図と
ブロックダイヤグラム」です。TTL-ICが出現する以前なので、パルス列の間隔をパルス幅に
変換するFF(フリップフロップ)はTRのペアとCR・Dで組み立てられています。
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P68からP79まで12ページにわたり掲載されているのが「その特長から動作
原理まで-デジタル・プロポのおはなし」です。タイトル通り特長や原理を完全に
網羅しており、かつ解説が非常に分かりやすいです。上図はP74第10図に
示されている多チャンネルに対応するデジタルプロポのブロックダイヤグラム
です。必要なチャンネル数分のFFが搭載され、ダイオードマトリクスによる
デコーダーが、各FFの出力からチャンネルごとの駆動信号を取り出します。
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パルス列が4個のデジタルプロポシステム用デコーダーの
例です。ダイオードによるAND回路が組まれています。
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8個(7+1)のパルス列が3個のFFに送り込まれ、
マトリクスにより8チャンネルの制御信号を取り出します。
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8チャンネルデジタルプロポシステムが、FFによりパルス列を分周する
タイムチャートです。これらの信号処理を全てTRなどディスクリート部品に
よる回路で対応していたわけです。回路設計や実装が大変だったでしょう。
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P70第2図に示されている「送信機・ブロックダイヤグラム」です。7個のモノマルチ
回路が連続するパルス列を作り出します。記事文中に「最近はNPNのシリコン・
トランジスタが1本100円前後の安価となり・・」とありますが、それでもこれだけの
回路を構成するには、TRだけで数千円から1万円近い(50年以上前)出費になります。
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P70第2図ブロックダイヤグラムの回路が作り出す各部信号のチャートです。
a点~k点は回路図と関連しません。最終的にパルス列で変調された
キャリア信号(高周波出力)がアンテナから発射されることになります。
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