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ホンダ耕耘機こまめ(F200)の再生(2015.10.23~12.06)
 
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11.外装部品の再塗装

フライホイールカバーやメインフェンダなど外装品のほとんどは、塗装が劣化して
退色し、錆が進行したり樹脂材表面が荒れています。みすぼらしい印象を受けます。
 

フューエルタンクのサイドカバーは
樹脂復活剤を吹き付けて艶を戻します。
 


エンジンストップスイッチのツマミは、マスキングして
先にプラサフを吹き付け、元のレッドに塗装します。
 

マフラー横のエアガイド板です。ワイヤブラシで
錆を落とし、プラサフで下処理しておきます。
 

元の塗装色であるシルバーに塗装します。

 
 
存在感あるフライホイールカバーです。足付けを兼ねて
全体にワイヤブラシをかけ、その後プラサフを吹きます。
 
 
鮮やかななレッドで一挙に塗り上げます。
樹脂材表面の荒れは残っていません。
 
 
外装品表面に貼り付けられていた注意書きシールで
再生が困難なものについては写真に残しておきます。
 
 
トップカバーの注意書きシールはさほど劣化して
いません。温存するためマスキングしておきます。
 
 
メインフェンダの2枚のシールも
マスキングをして残します。

 
 
塗装中のトップカバーとメインフェンダです。再塗装は
新品時に近づける可能性が最も高いので楽しみです

 
12.キャブレターの分解清掃

塗装により見た目での新品感を取り戻したところで、機械は動かなければ無意味です。
エンジン不具合のもう一つの要因は、キャブレターの不調です。分解整備にかかります。
 

キャブレターに関して何も資料がないところ、「マダイ
野郎の独学での鮎とフライ
」が大変参考になりました。
 

当時の整備書の引用が多数掲載されており、
特にこの解説などは貴重かつ素晴らしいものです。

マニホールドを外してキャブレター単体にしました。
材料表面の劣化が著しく骨董品のような印象です。
 

ガバナロッドおよびスロットルリターン
スプリングを取り外します。
 

フロートチャンバ底のセットボルトを緩めます。
シーリングワッシャが残っています。
 

フロートチャンバを開けると、内壁全体に錆が広がって
います。整備や保管状態が良くなかったようです。
 

樹脂製のフロートは変色しています。
ラジオペンチでフロートピンを抜きます。
 

フロートを除くとメインジェットの下端が見えます。ねじ溝が
崩れておりメインジェットを取り出すことができません。
 

フロートバルブを確認します。頭部の摩耗はないようです。
フロート室への燃料流入までは問題ないと考えられます。
 

簡単な構造なので分解できる範囲が限られます。洗剤と
ワイヤブラシで清掃したのでかなり綺麗になりました。
 

内部には専用洗浄剤(キャブレタークリーナ)を
十分吹き付け、届く範囲はブラシ等で清掃しました。
 

燃料や空気の通路に圧縮空気を通し、繰り返し洗浄剤とエアを
吹き付けて通路に残るゴミやスラッジを徹底的に清掃しました。

 
13.仮組み立てと試験運転

キャブレターのクリーニングを終えたところで、エンジンの
試運転を行うため、必要最小限の範囲を仮組み立てします。
 

ロータ、ハンドルおよびハンドルコラムを
取り付けてしっかりと自立させます。
 

マフラを復元しました。マフラプロテクタは
錆を落としてメッキ面を軽く研磨しました。
 

プラグの点火装置(CDI)周囲の配線を組み直します。
熱収縮チューブでコネクタ露出部分を確実に絶縁しました。
 

配線の接続部をスリーブ内にまとめて保護し、
さらに金属製フックでCDIの横に取り付けます。
 

スロットルケーブルおよびクラッチケーブルを
元の位置まで引き回してきます。
 

スロットルケーブルの終端をコントロールベースの
レバー端に掛け、リンケージを確認します。
 

フューエルタンクを取り付けて燃料配管を接続し
点火プラグにハイテンションコードを接続します。
 

空気取り入れ口にスポイトで
ガソリンを数滴注入します。
 

チョークを完全に閉めておきます。スロットルレバーを
少し開けた状態でリコイルスタータを引きます。
 

何とかエンジンは始動しますが、チョークを
僅かでも戻す(開ける)とすぐに停止します。
 

チョークが閉じた状態でエンジンが回るのは、メイン
ジェット以外から燃料が供給されているからです。
 

つまり肝心のメインジェットから燃料が出ていないのです。
このように空気取り入れ口を塞いでいると停止しません。
 

メインジェットは、取り外すことができないので完璧にクリーニングできたか疑問が
残ります。メインジェット以外にも手の届いていない部分があるのかも知れません。

 
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