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マンション宅配ボックス第2段(3)(2023.6.10)


マンション宅配ボックス第2段(2)の続きです、完結を目指し
たいものです。工房に持ち帰り整備した錠前ユニットを携え、
再度横浜へ向かいます。工房内では5ユニットとも動作して
いるので、他に問題がなければこれで完了できるはずです。
 

修理でお邪魔しているだけですが、以前に必死で
作業した現場にはどこか懐かしさが漂います。

 

開閉できないようテープで固定され
使用不可の掲示が貼られたままです。
 

仮止めしておいた外側フレーム
(化粧カバー)を取り外します。
 

保管が面倒なので関連部品は
ロッカー内に収納してあります。
 

修理・整備を終えた錠前ユニットを元の位置に
戻します。他に問題がなければ、5台分を
取り付けるのにさして時間はかかりません。
 

取り出し側の固定
ネジを締め付けます。
 

化粧カバーを取り付けロック
金具の当たりを確認します。
 

すんなり奥まで入ります、が実際にロックが
機能することを確認しなければなりません。
 

キーパッドの周囲をフレームの
開口部に正しくフィットさせます。
 

右側の容量が一番大きい
ボックスにかかります。
 

外側フレームのサイズが大きく、施工時に
打たれたコーキングが劣化して邪魔です。
 

ほとんどネジを締めるだけの作業を繰り返し、錠前
ユニットおよび周辺フレームの取り付けを完了します。
外観的には元通りの状態です。ここから実際に荷物の
出し入れと施錠・解錠の動作を確認していきます。
 

特に問題がなければ・・の問題です。
いきなりロックが動作しません。
 

内部のツメが施錠状態から解放されず
ドライバーを入れてこじ開けるも・・
 

調子の悪いユニットを急遽取り外し、
その場で分解し点検します。
 

工房でしっかり整備してきたはずの
マイクロスイッチがまだ不完全です。
 

状態に問題がないので交換を見合わせた部品
です。導通が完全ではなく抵抗が生じています。
 

ケミカル処理を試みます。隙間から大量の
接点復活剤を吹き込み、接触を回復させます。
 

間もなく回路計が0オームを示し、しかも指針の
振れ方が機敏です。現場ではこれで良しとせざるを
得ません。マイクロスイッチは状態に関わらず全て
新品に交換しておくべきだったと後悔が募ります。
 

結局、2カ所でマイクロスイッチの動作不良が
見つかり、いずれも現場処置で復旧しました

 

ところが、ここまで来て新たに深刻な問題に直面
します。1台のユニットが正常に機能しません。
 

預け入れ側から荷物を入れてロックする動作は正常です。
例えば暗証番号「1111」をセットしてロックしたとします。
ところが、取り出し側から荷物を出そうとして同じ暗証番号
「1111」を入れてもエラー音が鳴り解錠できません。
マイクロスイッチやソレノイドは点検済みで不具合はない
ので、これは制御回路の動作自体に問題がありそうです。

 

作業時間がみるみる延びていく中、面倒でも正常なユニットから
制御基板を取り外し、相互に交換して動作を確認します。一挙に
不具合の原因が判明します。基板を交換すると正常に動作する
側と動作しない側が完全に逆転するので、この高集積度で実装
された制御基板が正しく動作していないことが明らかです。同時に
キーパッドや接続ケーブル類に何ら問題がないことも明らかです。

実は新たな問題に直面して、再度錠前ユニットを工房に持ち帰る
ことに。工房内で制御基板の不具合を調べるも、結論は預け入れ
側で設定された暗証番号が、取り出し側から照合できないという
ほぼプロセッサを働かせるソフトウェア(制御プログラム)の問題と
いうことです。妙な話、暗証番号の照合処理部分で、プログラムが
誤動作していることになります。PIC内のROMに書き込まれた
コードのごく一部が、何かが原因で書き変えられたのでしょうか。
PICを使用したデジタル系の実装技術では、およそ想像できない
状況です。ROMが損傷すると、普通PICは無反応になります。
 

製造元であれば正常な基板と交換して修理完了でしょう。
残念ですが手の打ちようがなく、ロッカー1台は修理不能です。

 

後日再々度出向き一番小さいロッカーに基板を戻します。時間が
あればこのドアの歪みも修復して差し上げたかったのですが。

 
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