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・デルタ型3Dプリンター改良(2018.4.13) |
メンテを施した中国製低価格リニアガイドを用いて、先日キャリッジスライド機構に改良を 加えたデルタ型3Dプリンターです。キャリッジ周りの剛性が飛躍的に向上し、フレームに 対するキャリッジのガタはほとんど解消しました。しかし、キャリッジとエフェクタを連結する ロッドはボールジョイントとロッドエンドをネジで微妙に固定する方式で、しかもその機械的 精度が低いため、結果エフェクタの最終的な剛性は十分改善されずガタが残っています。 |
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イースター用のウサギを依頼されていた こともあり、この段階で製作を進めます。 |
リニアガイドへの交換以前と比べると 積層痕がはるかに綺麗にそろっています。 |
しかし、ウサギの額から前頭にかけて、 充填が不足し隙間が見えています。 |
また、ウサギの両耳のように分離した部分 では、細く糸を引き、積層痕も目立ちます。 |
このボールジョイントとロッドエンドの組み付けに ガタがあり、細いカーボンロッドはかなり撓みます。 |
タイミングベルトを外しネジを緩めると、ロッドを保持して いるホルダー部のみがキャリッジから外れてきます。 |
ボールジョイントとロッドエンドをマグネットジョイントに 変更します。カーボンロッドもひと回り太いものに変えます。 |
カーボンロッドの両端に、軸付きの スチールボールを取り付けます。 |
ロッドを保持する新しいホルダーを製作します。 stlデータはThingiverseで簡単に見つけられます。 |
強度を高めるためinfill100%で出力します。 品質が今ひとつですが機能すれば十分です。 |
窪みの部分にボールのキャッチャーを、金属用接着剤 メタルロックで接着します。強力なネオジウム磁石製です。 |
ネジ穴が開いていますが、どうしてもネジの頭が出るので 接着するしかありません。スチールボールが密着します。 |
カーボンロッドとマグネットジョイントは、かなり以前にオークションで手に 入れておいたものです。キャリッジ側の取り付けはとても簡単で助かります。 |
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厄介なのはエフェクターの方です。ホットエンドや 冷却ファンの固定方法を工夫しなければなりません。 |
Kossel用のマグネット式エフェクターもデータは簡単に見つけ られます。ホットエンド固定プレートはアクリルから切り出します。 |
エフェクターの構造が単純なので、マグネットジョイントと相まって剛性に優れ ガタが皆無です。スチールボールとキャッチャーの間にグリスを入れます。 |
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冷却ファンのシュラウドは元のものを再利用します。エフェクターに ネジ穴を開け、高さ調整用のプレートを挟んでネジ固定します。 |
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キャリッジ、ロッド、エフェクターの交換を終え、あらためて出力 してみます。糸引きが少ないのはリトラクト調整の影響です。 |
両耳の分離して細くなっている部分の 積層痕がかなり目立たなくなっています。 |
改良前の出力と比べてみます。積層痕の乱れが小さくなり、全体的に安定した 出力品質です。額から前頭にかけての充填も整っており、隙間が見えません。 |
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改良前のコーンの出力結果です。積層痕が かなり目立ち、全体形状に歪みがあります。 |
改良後の出力結果です。積層が緻密に形成 されており全体的に精密に成形されています。 |
デルタ型は直線や円など規則性のある積層で比較的安定した 出力が得られます。それでも改良前は積層痕が乱れています。 |
改良後も積層痕は残りますが、均質で あるため外観や手触り感が滑らかです。 |
改良前後でのコーンの出力を並べてみます。どのような3Dデータでも この程度の出力品質を得ることが出来るのか、テストを繰り返します。 |
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過去何百個出力したか分からない ピルケース、かつてないほど綺麗です。 |
最下面のラフトが上部に連続する部分も 段差がなく正確に出力されています。 |
タービンを模したアクセサリー(キーホルダー)です。ブレードの 成型が難しく、これまで数え切れないくらい失敗してきました。 |
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ブレード間で非常に細い糸を引いていますが、 ほとんど邪魔にならないか、取り除くことも簡単です。 |
先端ほど捻られた薄いブレードが、翼面に 多少の積層痕を残して成形されています。 |
ブレード以上に出力が難しいのがハウジングです。タービンに 差し込む中心の突起の成型で、成功したことがありません。 |
3分割された突起が精密に成形されています。 回転を妨げる糸引きやバリが見えません。 |
これまでは突起やタービン側の穴をしばらく切削加工していましたが、 今回は躊躇なくいきなり嵌め込んでしまいます。摺動部に潤滑剤を 軽く吹き付け、コンプレッサーでしばらく強い風を吹き当てていると・・ |
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摺動部が馴染み、口から息を吹きかけただけで「ヒューン」というタービンを思わせる 音を立てて、滑らかに回転します。デルタ型は3軸の挙動が完全に同一で、出力品質に 軸方向による相違が出にくい基本構造を与えられています。しかし、エクストルーダーや ホットエンド、温度管理やフィラメント品質など改良の余地はまだ山ほど残っています。 |
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