4枚お預かりした古い額縁(絵画)も、2枚(その1・その2)を既にご依頼主にお返しし、
先日3枚目(その3)の修復作業を終えました。残る1枚の作業を急ぎます。最後の
絵は秋が深まる水辺から、遠くに山を眺める風景が描かれています。山のかたちから
筑波山ではないかと思います。2つの山頂が近接して見えるので、東寄り、常磐線の
高浜辺りでしょうか。手前の水辺は霞ケ浦の一部か、恋瀬川の河口かも知れません。
*修復後の写真をご覧下さい。
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4枚の中では最もシンプルな構造です。
隅の留めが壊れて隙間が生じています。
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控えめでマットなペイント塗装仕上げです。
経年で退色が進み汚れが広がっています。
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所々に小さな穴ができて
います。虫に食われた跡です。
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右下に作者名「光遥」とあります。斑点の
ように広がる汚れはカビによるものでしょう。
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背面を点検します。裏張りの
状態はさほど悪くありません。
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絵のタイトルは「茂を刈る舟」でしょうか。
昭和32年10月、遠峰光遙氏の作です。
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額縁組の分解 |
キャンバスは額縁の内側に数本の釘で
固定されています。丁寧に抜き取ります。
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キャンバスが外れてきました。
裏張りはすっかり変色しています。
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キャンバスの周囲に余白が取られています。
修復作業の終了まで安全に保管します。
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窓枠の周囲を飾る細い桟が打ち
付けられています。釘を抜きます。
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縦方向と横方向でまるで幅の異なる材料が
使われています。有り合わせだったのでしょうか。
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経年による材料の狂いで、枠組みがかなり
ずれてしまっています。綺麗に修復します。
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額縁本体も枠組みが大きく壊れかけています。裏側で
薄く小さな三角形の合板で補強されているだけです。
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額縁の大きさに対して不十分で、
ほとんど補強の働きをしていません。
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釘を抜き、接合力を失った
接着を引き剥がして行きます。
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当時の接着に含まれていた成分が引き寄せた
のでしょうか、虫食いの跡が広がっています。
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四隅の留めにも釘が入っていますが、ほとんど
効いておらず、玄能で軽く叩くと分解してしまいます。
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額縁組の補修 |
補強材(三角の合板)の真下から留めの接合面に
かけて、虫食いによる侵蝕が広がっています。
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留めの45度を切断し直して、新しい
接合面を作らなければなりません。
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スライドソーにかけて接合面を整えます。切り過ぎると
キャンバスが入らなくなるので最小限に留めます。
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元の材料を可能な限り再利用し、新しい
材料との置き代えや追加は避けます。
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フレームの接着前に、内側の斜面部分を研磨
しておきます。接着後では作業しにくくなります。
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侵蝕による凹凸が残っているので、充填も
兼ねてタイトボンドを多めに塗り付けます。
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接合時に接着剤がはみ出してくる
ようにします。固化後に削り取ります。
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隣接するフレームどうし平面になるよう
高さを調整し、マスキングテープで固定します。
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狂いを伴う不安定な材料を接合する際、マスキング
テープは有用です。微妙な位置合わせが容易です。
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4隅を同時に接合することは避けます。2回に
分けて、位置を確かめながら作業します。
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前半2か所の接着が十分固化するのを待ち、
後半2か所の接合面に接着剤を塗り付けます。
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はみ出てくる程度に十分接着剤を入れ、
2か所の接合位置合わせに集中します。
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一度に4か所を接合しようとすると、一部の寸法誤差に4か所で同時に対処しなければ
ならず、微妙な狂い(隙間など)の押さえ込みが非常に困難です。1か所を残しておき、
最後に接合する方法を取りたいところですが、これでは接着剤が入れられません。
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接着剤の乾燥・固化を待ってマスキングテープを剥がします。
留めを作り直しているので、ほとんど隙間なく接合しています。
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タイトボンドの硬度(乾燥固化後)により、
フレーム全体に剛性感が出ています。
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しかし、それで安心はできません。補強材を
当てるため虫食いによる侵蝕部分を削り取ります。
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板材を小さく三角形に切った
補強材を、4隅分用意します。
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接着剤を十分に塗り付けます。酢酸ビニル
樹脂を好む害虫は、まぁいないと思います。
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外側縁取りの材料にも当たるよう
補強材に厚みを持たせました。
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クランプを掛けて乾燥・固化する
まで、しっかり固定します。
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枠組みの強度・剛性が一挙に向上します。
今回は簪(かんざし)による補強は見送ります。
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額縁組の再塗装 |
オービタルサンダー(#120)により
額縁表面を徹底的に研磨します。
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4隅の接合部分では、はみ出した接着剤を
削り落とし、残る僅かな段差を解消します。
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側面についてはハンドツールに持ち
替え、垂直を保ちながら研磨します。
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接合面の状態が完全ではないため、
まだ細かく隙間が残っています。
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ペイントによる不透明着色塗装なので、
躊躇なく木工パテを使用できます。
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残る隙間や虫食いの跡を
パテで埋めていきます。
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再びオービタルサンダーで研磨します。はみ出した
パテを一挙に削り落とし、塗装前の下地を整えます。
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隙間が解消されるとともに、僅かに残っていた
表面の起伏にもパテが入り込んでいます。
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丸みを帯びたり凹みができていた角部分も、
パテによる補修でシャープさが戻ります。
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外側縁取りのダークブラウンに着色された
斜面部分を、最後にハンドツールで整えます。
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掃除機で表面のダストを吸い取り、下地調整を
終えた表面に、最初のプラサフを吹き付けます。
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まだ起伏が残っていたようで、材料の
木目が浮き上がってきました。
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プラサフを数回重ね塗りする
ことで覆い隠してしまいます。
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#240ペーパーを付けたオービタル
サンダーで全体を軽く研磨します。
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残っていた起伏はほとんど解消した
ようです。一部で木地が見えています。
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最後にもうひと吹きプラサフを塗り付けて下地の完成です。
大きく隙間が開いていた4隅も、完全に仕上がっています。
仕上げ塗りの前に、ハンドツールに
付けた#800ペーパーで表面を整えます。
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元の塗装色は、ブルーからグリーンのごく薄い有彩色
です。しかし汚れと退色のため正確には分かりません。
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艶消しホワイトにほんの少量の宇治色と
グリーンを加え、無難な色合いを作ります。
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このような微妙な色は、とてもスプレー缶には
求められません。刷毛塗りするしかありません。
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手早く全体を塗り上げ乾燥を
待ちます。悪くない色合いです。
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最初の1回塗りでは、塗膜が薄く
下のプラサフが斑に見えています。
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2回目を塗り重ねます。不透明さが
増して、下地が隠れていきます。
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塗料に少量の水を足しながら
3・4回目を塗り重ねていきます。
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5回目を塗り終えたところで仕上がりとします。マットで
控えめな印象ですが、有彩色の華やかさも漂います。
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桟の補修と取り付け |
額縁の内窓を縁取る桟を補修します。
外に出る部分のみ白く塗装されています。
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全体にペーパーをかけて研磨します。
古く劣化した塗装膜を落とします。
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プラサフで下塗りするので、ある
程度平滑になれば十分です。
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平滑になった古い塗装膜を下塗りの一部と
して再利用します。上からプラサフを吹きます。
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スプレー塗装なので、刷毛塗りのように
見える部分だけ塗装とはいきません。
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プラサフの上から元と
同じホワイトを吹きます。
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額縁表面をマット(艶消し)に仕上げて
いるので、光沢ホワイトに塗装します。
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マスキングテープで固定しながら
いったん仮組み立てします。
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裏側から瞬間接着剤を流し込み
枠組みとして一時固定します。
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これで、取りあえず枠組みの状態で
取り回し・移動することができます。
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枠組みを維持した状態で額縁の内窓に嵌め込んで
みます。桟の状態では位置決めが非常に面倒です。
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釘打ちではなく接着剤により固定します。
枠組みの外周に適量を塗り付けます。
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枠組みにしてあるので位置合わせが簡単
です。クリップで挟み全体を密着させます。
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額縁表側の塗装面を汚さないよう、予め
クリップの内側にマスキングテープを貼ります。
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全周にわたりクリップで均等に圧着します。塗装が新しく
なり、清潔感があり絵画を引き立てる雰囲気が出てきました。
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縁取りライン入れ |
内窓桟の接着中に、額縁外周稜線
部分にラインを入れる準備をします。
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全周にわたり斜めにカットされています。
無理をせず相対する2辺ずつ塗装します。
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マスキングを終え、元の色に近づくよう塗料を調合
します。ローズウッドにチョコレートを混ぜます。
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赤が強く出ています。元の色は
ダークブラウンに近い色です。
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チョコレートの量を増やします。
色が落ち着いてきました。
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マスキングの中に、細めの
刷毛で塗り付けていきます。
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相対する2辺を先に塗ります。4辺を一度に
塗ろうとするとマスキングが難しくなります。
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乾燥を待って、2辺分のマスキングテープを
剥がします。塗料が上手く乗っているようです。
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スッキリとしたラインが現れました。
最初の2辺は何とか成功です。
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残る相対する2辺の塗装に入ります。マスキングテープが
互いに重なる部分がないので、綺麗に仕上がるはずです。
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小さな刷毛で2回重ね塗りします。ムラは
ほとんどできないか、できても目立ちません。
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マスキングテープを剥がします。ラインが折り
返すコーナー部分も綺麗に仕上がっています。
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額縁自体の修復作業は終了です。非常に落ち着いた
印象で、いかにも絵を引き立てそうな安定したデザインです。
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絵画の取り付け・完成 |
保管してあった絵を戻します。
額装後の見栄えが楽しみです。
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見た目以上に裏張りの劣化が進んでおり、紙の
一部が崩落してきます。ですが特に補修はしません。
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ごく小さな真鍮釘を打って
キャンバスを固定します。
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打ち込むのではなくラジオペンチで
静かに差し込んでやります。
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修復により見栄えが一新された額縁に絵画が収まりました。
水面、樹木、遠くの山々が、表情を一段豊かにしたように思います。
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内側を縁取る白い桟と、外周を縁取るダーク
ブラウンが程よいコントラストを成しています。
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作者名「光遥」が書き込まれた右下の
コーナーです。爽やかな印象です。
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修復結果が、元の額縁のデザインにどれだけ近付いたのか判断のしようもありません。
しかし、修復により絵画がこれだけ表情を向上させるということは、元々絵を観て額縁が
製作されているということでしょう。絵が分からなければ額縁も製作できないのです。
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絵画のことはからきし何も分かりません。ですが、額縁の修復を通して絵画に込められた
「表現」の奥深さと、額縁をデザイン・製作する人の、「奥深さ」を読み取る視覚の鋭さに
触れることができたように思います。このまま眺めていたいのですが、納品せねばなりません。
*修復前の写真をご覧下さい。
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