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WMSに続きAWMのBT化(2024.2.25)


BOSE社レシーバーWMSのBluetooth化の記事を掲載して以来、
数件のお問い合わせやご用命をいただいています。同じ記事をご覧に
なったと思いますが、AWM(Accoustic Wave Music System)を
BT対応にできないかご依頼がありました。CDを正常に再生できなく
なり、ピックアップを交換する際にもし可能ならば・・というお話です。

 

AWM用のピックアップREA-0150ICは
現在国内にはほとんど在庫がないようです。

 

海外に発注したピックアップが到着する
までBT化の作業を先に進めておきます。

 

この頃のAWMは回路基板や配線が洗練
されておらず、分解に手間がかかります。

 

BTモジュールの信号を
どこから入力するか検討します。

 

入出力の考え方はWMSと共通している
ようで、結局AUXしか選択肢がありません。

 

背面パネルにRCAジャックが出ており、
右側の上下ジャックがAUX入力のL・Rです。

 

基板実装用のジャックで、配線は
メイン基板の裏側に出ているようです。


WMSでも使用したBTモジュールです。十分な
性能と使いやすさに加え、このサイズです。
 

この1月にアマゾンで4個1000円以下でしたが、
現在は、何と1個で1000円を超えています。

 

このモジュールをどこに収めるかです。例えば、背面
パネルの内側に取り付けられそうなスペースがあります。

 

ですが、本体・背面パネル間をケーブルが行き来する
ことになります。取り付け場所は後で再検討します。

 

取りあえずAUXに信号を送り込む
ケーブル(2芯シールド線)を接続します。

 

AUX端子はメイン基板の裏側に出て
いるので、基板を外して裏返します。

 

AUX用RCAジャック
取り付け場所の近くです。

 

表側RCAジャックの端子
配置と位置を確認します。

 

アースを挟んでLチャンネルと
Rチャンネルが並んでいます。

 

2芯シールド線の末端を処理します。シールド
網線は束ねて熱収縮チューブで保護します。

 

それぞれを端子に半田付けします。アースは
ノイズ混入の有無を見て必要ならば変更します。

 

次に電源をどこから取るか検討します。本体底部の
電源ユニット(これがまた故障が多い)から、何通り
かの電圧がコネクタを介して供給されています。

 

メイン基板のB電源から適当な電圧を探し
ます。BTモジュールは+5Vで動作します。

 

オレンジの配線に整流を経た
14Vほどの直流が来ています。

 

コネクタの裏側を確認します。取り出すのはわずか
数mAなので電圧降下など影響はまずないでしょう。

 

コネクタの端子から電源の
+・-を引き出します。

 

定電圧電源IC「78M05F」を
使い簡単に+5Vを作り出します。
 

78M05のデータシートを確認します。入出力両側に
コンデンサを入れたいところですが、実装が厄介です。

 

定電圧IC(レギュレータ)はメイン基板下側、
本体スピーカーボックスの天井に取り付けます。

 

電源を引き出したコード末端を処理します。
熱収縮チューブを深めに通しておきます。

 

コードを接続してレギュレータの端子を
熱収縮チューブで完全に覆います。

 

裏側に強力両面
テープを貼り付け、

 

本体の天井に固定します。数mA
なので発熱・放熱の心配もないでしょう。

 

念のために上からビニルテープを
貼り、メイン基板との接触に備えます。

 

音声信号、電源とも配線を引き出したところでメイン基板を
元に戻します。後継機種のAWMSⅡあたりでは、基板も
ケーブル類も見事に整理されてすっきりするのですが。

 

背面パネル取り付け用ネジ受けとの干渉を避けるため、
メイン基板の一部に切り欠きがあります。その隙間に
音声信号・電源コードとも通します。後はどこかにBT
モジュールを組み込むスペースを確保するだけです。

 

この時点で何か大きなミスを
しでかしていないか確認します。

 

本体の電源を入れ、各部が正常に動作するか、
レギュレータの出力に5Vが出ているか確かめます。

 

先にBTモジュールに電源配線を接続します。
基板上の青LEDが点灯しているので正常です。

 

次にAUXへ音声信号を送り出す
2芯シールド線を接続します。

 

先端を処理し、シールド網線に
熱収縮チューブを被せます。

 

BTモジュールに接続します。デジタルデバイスとは
いえ、ループを形成しないようアースポイントを選びます。

 

スピーカー出力アッテネータ基板の
手前に、丁度良いスペースがあります。

 

ここにBTモジュールを収めます。電解
コンデンサが並ぶ上に強力両面テープを貼り、

 

BTモジュール基板をそのまま固定します。万一、本体回路側に
何か影響が出たり、AUX系にノイズが載るようであればその時点
でモジュールの組み込み場所や配線の引き回しを工夫します。

 

上部のCDデッキ・カセットデッキ部を元に戻します。
モジュール周囲には空間が十分に残っています。

 

ケーブル類の干渉も
確認されません。
 

電源を入れると基板上のLEDが点灯~
点滅し、本体内でも正常に動作しています。

 

本体を完全に組み上げた状態で
スマートフォンにリンクさせてみます。

 

続けてミュージックプレーヤーで音楽を流してみます。NHKドラマ
正直不動産のエンディング挿入歌に使われている、小田和正の
so far so good。BT経由のデジタル音源は、想像を遥か超えて
AWMと相性が抜群です。パワフルでメリハリある冴えたサウンドが
響きます。難点は、内蔵デコーダーから漏れ出す高域ノイズが音声
ラインに乗ることです。アースポイントの変更によりかなり小さくでき
ましたが、ツイーターに耳を当てるとかすかに「チー」と聞こえます。

 

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