BOSE製PLS-1410、取扱説明書に記載されている正式名称は単に「CD
レシーバー」です。先日の1310に続いてCDを再生できなくなっています。
やはり夏前に修理した1台はトレイローディングベルトの交換のみでしたが、
先日のPLS-1310同様、こちらも完全にピックアップが寿命のようです。
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電源を入れてみます。「Welcome」の文字が表示され、
モータードライブによりボリュームが30度ほど回転します。
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CDを再生するもTOCからして読み出せず、
「No DISC状態」と判断されます。
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外側カバーを外すと見たことのある風景が広がります。
この先の分解手順は夏前に修理した1台と同じですので、
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省略して最下部のCD
ドライブから続けます。
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1410は前面パネルを外さなくとも
ドライブを取り出すことが出来ます。
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本体基板との配線を抜き、
ドライブを単体にします。
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前面の少し奥まったところにトレイ
ローディング用ギヤの一部が見えます。
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指でギヤを回すとトレイが
スライドして出てきます。
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ピックアップはトレイの下に隠れている
ため、取り外しておく必要があります。
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トラッキングガイドシャフトの
固定ネジを緩めます。
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ガイドシャフトは他端も
ネジで固定されています。
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しかし、上部フレームが邪魔で
ドライバーを当てられません。
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ディスク固定用のマグネット内蔵キャップを
外すと、隙間を通してネジの頭が見えます。
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隙間にドライバーを入れて
何とかネジを緩めます。
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ガイドシャフトが
抜けてきます。
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シャフトを抜くだけで、駆動ギヤは外さ
なくてもピックアップを取り出せそうです。
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ピックアップユニットの金属フレームが
干渉するので、角の切り欠き部を通します。
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1310と同じくピックアップ
(レンズ部)のみ交換します。
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1410用のピックアップはSF-P101N、ユニットの
アセンブリもありますがレンズ部単体の方が安価です。
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いずれもAmazonで取り扱いがあります。
丁レンズ部分にカバーが付いています。
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カバーは簡単に脱着出来ます。輸送中や取り付け作業中、
レンズに触れる心配がありません。製品に信頼が持てます。
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カバーを付けたままで装着します。
レンズ部分を気にせずに作業できます。
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ガイドシャフトを差し込みます。ギヤを少し回転
させピックアップが移動することを確認します。
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シャフトの両端を
ネジで固定します。
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元のピックアップから
フラットケーブルを抜きます。
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新しいピックアップのコネクタに差し込みます。
ケーブルを折らないよう注意が必要です。
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ここまで作業を終えてから
レンズ部分のカバーを外します。
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元通りに組み上げてCDを再生してみます。
一発でTOCを読み込み正常に再生されます。
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さて、この1410にはさらに深刻な問題があり
ます。予めご依頼主から聞いておりましたが・・
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CD再生、ラジオ受信、外部入力・・に関わりなく、再生音にひどいノイズが混入します。
ご依頼主は「ザーザー」とおっしゃっていましたが、「ブーン」、あるいは「ブリブリ」という
ハム音由来のノイズです。また、ご依頼主は既にBOSE社カスタマーサービスに問い
合わせられたそうで、対するBOSEは「帯電の可能性があるので電源プラグを抜いて
暫く放置して下さい」という耳を疑うような回答をして来たそうです。ご依頼主は「2日間
電源を抜き、静電気・帯電防止のスプレーで全体を拭ってみた」とのことです。ノイズの
原因は、ピックアップ交換のため各基板を取り外す作業の途中で気付いておりました。
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本体内部、上から2段目に位置する
大型基板の左側、電源回路です。
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6800µFもある大容量電解コンデンサです。
頭頂部が軽く膨らんでいるのが分かります。
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そして、基板に接している底部の周りには
漏れ出た電解液が広がり、既に固化しています。
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整流ダイオードがかなり発熱するようで
電源部一帯が黒く変色しています。
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BOSEの言う帯電どころか、発火する寸前
です。隣の2200µF他も多分駄目でしょう。
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電源用の電解コンデンサをひと通り交換します。
吸引パイプ詰まりを修理した半田吸い取り器です。
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元の性能が蘇りました。ランドを
損傷することなく綺麗に処理できます。
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6800µFを抜き取ります。固化した
電解液がこびり付いています。
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もう1本の6800µFも抜き取ります。「KOREA
CHEMI-CON」は日本ケミコンの韓国拠点です。
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SMHシリーズの製品保証は
+85度C、2000時間です。
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大容量のものから取り外していきます。基板の黒変が不気味です。
整流ダイオードや他のパーツに損傷が及んでなければ良いのですが。
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6800µFを再度確認してみます。側面にひび
割れがあり、ここからも液が漏れたようです。
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固化した電解液を削り落とし
クリーナーで吸い取ります。
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基板表面がかなりマシに
なったと思います。
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2200µFから交換します。製品の改善が進み、
サイズに関してはかなり小型化しています。
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同じように耐久性も向上して欲しいもの
ですが、保証時間が正確になった程度です。
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6800µFに至ってはこの大きさです。
体積比で旧製品の半分以下でしょうか。
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半田吸い取り器でホールが綺麗に掃除
されているので、リードの差し込みが楽です。
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半田を多めに盛り、電流容量的
にも確実に接合します。
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この段階で一度動作確認してみます。やはり破裂した6800µFがノイズ
原因の張本人なのか、さらに部品交換の必要があるのか、判断します。
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ヘッドホンを接続して残留ノイズの有無を
慎重に確認します・・問題ありません。
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スピーカーセットも接続してみます。BOSEの
歯切れ良く迫力あるサウンドが響きます。
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