江戸川区のとあるマンションにお邪魔します。宅配ボックス
修理のご依頼をいただいています。3年前に遠路松山市まで
出かけ幸運にも修理に成功したものの、昨年6月横浜磯子区
の件は中途半端な結果に終わり、鼻をへし折られた状態です。
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エントランスを入り右手に回り
込むとボックスが見えてきます。
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外側からガラス越しに見えていた
スペースに設置されています。
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配達側と受け取り側の区別はなく、
同じドアから荷物を出し入れします。
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宅配ボックスの操作方法が張り出されています。
指示通り正確に操作しなければなりません。
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不具合のあるボックスのは2か所で、正確に
操作しても出し入れができずエラーが出ます。
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荷物を入れる操作をしますが
ドアがロックされません。
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ドアの裏側にロックユニットが取り付け
られています。こいつから調べます。
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部屋番号をセット後、施錠
セットボタンをスライドし、
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その後ドアを閉めれば自動的にロック
されるはずなのですが・・、されません。
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ロックユニットをドアから
取り外してみます。
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セキュリティ性を高めるため、ステン
レス厚板による堅牢な構造です。
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目につくネジから
緩めていきます。
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この金属カバーは外部引き出し
コードを保護するだけのようです。
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その外側にある皿ネジを緩めます。
ネジ頭がステンレス板と面一です。
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ステンレス板とは対照的に、防塵目的の
柔らかい樹脂製カバーが外れてきません。
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両サイドにピンがあります。
これを抜く必要があります。
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ロックユニットをいくつか見てきましたが、これまで
同一構造の製品はほとんどありません。今回の
ユニットも初めて見るものです。現時点では動作の
仕組みがまるで分からず故障原因も当然不明です。
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施錠セットボタンを操作してみます。セット
前の状態、ドア奥側にスライドしていると、
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内部のソレノイドが飛び出て
接続するアームが伸びています。
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施錠セットボタンをドア手前側に
スライド(施錠操作)させると、
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ソレノイドが引き込み、アームも
ソレノイド側に移動しています。
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いくら眺めていても理解できないので、
正常に動作する隣のボックスを調べます。
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ソレノイドが引っ込んでいると、
真下にある金具を連動させます。
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ユニット下部のアームが、ドアラッチが
スライドできないよう固定されています。
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施錠セットボタンをスライドさせるとロックが
解除され、ラッチがスライドしてドアが閉まります。
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ドアが閉まるとソレノイドに通電し、ラッチが
固定されてロックされる仕組みです、なるほど。
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ご依頼主の説明によると、操作してもドアが閉められ
ないそうです。つまりラッチが開放されていません。
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動作音が聞こえるのでソレノイドは正常
です。カバープレートの裏側を点検します。
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このスプリングの付いた突起は、表側の操作
ボタンと共にシャフトに沿ってスライドします。
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スライド前つまりボックスを使用
していない時はこの位置に、
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施錠セットボタンをスライド
させるとこの位置に移動します。
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突起内の穴をシャフトが移動する際に、
いくらかの抵抗があります。潤滑剤を入れます。
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すっきり解消しないので、突起部の
曲がりを修正してみますが解決しません。
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そうこうしているうちに、もう一つロックの
ための仕掛けが存在することに気付きます。
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先ほどのドアラッチとは別に、突起と一緒にスライド
するプレートがあり、その先もまたラッチ様の形状です。
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摺動抵抗が生じて動きが鈍くなっているのはこの部品
です。2本の大径平頭ピンで固定されていますが、その
固定がかなりきつくなっているようです。何とかします。
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大径平頭ピンの正に平頭部分をこじり、潤滑剤をべしょべしょに
入れて本体カバー側とプレートとの滑りをひたすら回復させます。
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ドアの開閉をロックしているのはむしろこちらです。施錠
セットボタンをスライドさせるといったん押し込むことができ、
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その後手を離すとラッチが元に戻り
ロックされて押し込めなくなります。
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修理作業よりお勉強している時間の方が長い・・。
もう1台、すぐ下にあるボックスも修理します。
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こちらは内蔵されているマイクロスイッチのレか劣化
・接触不良が原因です。接点復活剤で解決します。
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現場対応の作業なので、完全に修理できているかその場では
分かりません。これから数週間・数か月は「やはり具合が悪い
ようです」という連絡が来ないか、不安が続くことになります。
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今回はお勉強こそ大変でしたが、何とかなりました。
時間の許す限り現地で動作確認を繰り返し、「どうか
このままでいてくれ」の気持ちを抱えて引き揚げます。
実はもう1件、昨年夏の猛暑のさ中、岐阜県関市まで
宅配ボックス修理に出かけています。惨敗に終わり
WEB記事にするわけもなく現在に至っていますが。
成功例ばかりアップしていては本当の信頼を得ること
にならないでしょう、記事タイトルの「リベンジ」とは
そういう意味です。ご興味がありましたら、こちらへ。
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