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1.宅配ボックス操作に関する不具合を確認しました。受取側操作では、部屋番号を押す段階でテンキーの「1」が反応せず、「2」は反応しますが1と表示されアンサーバック音が歪んでいます。「3」も反応しません。届け側操作では、「1」、「2」、「3」のキーがいずれも反応しません。 2.テンキー基板を取り外し、内部タクトスイッチの導通を調べましたがいずれも正常でした。縦列・横列に配置されたマトリクスの全てで、キー操作時に導通が確認できました。 3.受取操作・届け操作のスイッチ基板を取り外しコネクタの接触を確認しました。念のためコネクタ基板端子のソルダー部を再ハンダしました。 4.ドア側基板とメイン基板を接続するケーブルを確認し、メイン基板側のコネクタ端子ソルダー部を再ハンダしました。ここまでの作業で不具合は何ら解消せず、スイッチやコネクタの接触不良の可能性がほぼなくなりました。 5.届け側と受取側でドア内側の基板セットがほぼ同じなので、基板のセットを互いに入れ替えてみました。その結果、「1」、「2」、「3」キーに対する反応が届け側と受取側で逆となり、不具合の原因がメイン基板にあることが判明しました。 6.メイン基板はPIC(専用にプログラムされたコンピュータ)を中心に構成されており、一連の不具合はほぼPICの誤動作によるものと推測されます。PICは完全に故障しているわけではなく、一部の入出力ポートが破損しキー入力が正常に機能しないものと考えられます。 7.PICを交換することは可能ですが、宅配ボックス制御用の専用プログラムが書き込まれているため、交換するだけでは機能しません(PIC表面のシールにファームウェアのバージョンが印字されています)。 8.PICの周囲に多くの論理ICが取り付けられており、どれかが破損したり配線に不具合がある可能性もゼロではありません。しかしソリッドステート化された基板内でそのような故障が起こる可能性は小さく、また見つけ出すことは困難です。 9.以上の状況から、当工房による修理は困難もしくは不可能と判断致しました。おそらく製造元でも修理ではなく、メイン基板の交換あるいはシステムを構成する全基板を交換することになると思われます。