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お仏壇製作5(目止め・着色・上塗り)

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本体の塗装にかかります。ご依頼元のご意向を十分に考慮し
慎重に色合いを決めます。やはり茶系統の濃色が無難です。


砥の粉を引いて目止めします。目止めと着色を同時に行うこともできますが、白木なので
濃色での着色が斑になりかねません。着色は目止め後に別途行うことにします。
 

完全に乾いてから布で乾拭きしていきます。
最初は軽く撫でる程度に拭き取ります。
 


表面の泥状のこびり付きが無くなったら
少し力を入れて拭き取りるようにします。
 

木目方向に磨きこむように拭き取ります。
砥の粉が浮き上がってこなくなると終了。
  

最近は油性着色剤の品揃えが貧弱です。環境
対策もあるのでしょう。水性ステインを使用します。
 

シリーズの中で最も濃い茶系色はチョコレート色です。
まだ濃度が足りないので黒を加えて色合いをみます。
 

着色の1回目です。予想していた通り、白木の影響で
濃淡斑が出ています。しかし色合いは悪くありません。
 

2回目の着色です。まだ濃淡斑が残り
ますが、一挙に濃度が増してきました。
 

引き出しの面板も塗装します。このために
あえて組み立てを見合わせていました。
 

3回目着色後の状態です。どっしりした印象です。
主剤の合成樹脂のため結構光沢が出ています。
 

引き出しの面板も着色を終えました。斑の原因に
なるのでここでのペーパー研ぎは避けます。
 

透明ウレタンで上塗りにかかります。水性着色の上に油性
上塗りは推奨されませんが、水性での上塗りは躊躇します。
 

2回目の上塗りを終えました。着色剤で一定の
光沢面が出来ていたので、塗料が良く伸びます。
 

木質浸透性の着色ではないため、上塗り前にペーパー
研ぎは出来ません。上塗りが進んでからごく軽く当てます。
 

次の重ね塗りの前に、クリーナーで研ぎ
かすを入念に取り除いておきます。
 

耐久性にやや不安があるものの、やはりウレタン塗料による上塗りは
良好な塗装面をもたらします。品のある光沢に地の木目が映えます。
 

まだ上塗り作業の途中ですが、ここで扉を
取り付ける蝶番位置に溝加工を施します。
 


上塗りを全て終えてからでは、この作業によって
塗装面を傷める可能性がゼロではないためです。
 

既に箱組が完了しているので、機械にかける
わけにもいかず鑿を使って丁寧に手作業します。
 

材料が柔らかいため作業直前に鑿を研ぎ直し
ます。切れ味が悪いと材料を「引きずり」ます。
 

溝の周囲と底を交互に削り進めます。
 
 

溝の一つを削り終わりました。が、周囲(壁面)に
引きずり跡があります。まだ修行が足りません。
 

蝶番を実際に入れてみて
嵌り具合を確認します。
 

鑿を当てた面は白木が見えています。このままでは
非常に見栄えが悪いので着色剤を入れておきます。
 

上塗りも最終段階となりました。着色層まで届か
ないよう上塗り層だけをごく軽く研磨します。
 

部位により異なりますが3~5回の上塗りを繰り
返します。塗料の垂れや溜まりに留意します。
 

ウレタン樹脂塗料は乾燥に非常に時間がかかります。手指にべとつかない程度ではなく
ペーパー研ぎに耐える硬度に達するには3~4日、完全乾燥には1週間ほどかかります。


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