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ホンダ耕耘機こまめ(F200)の再生(2015.10.23~12.06)
  
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9.ブローバイ配管・ヘッドカバーの点検

シリンダバレルの本体右側面に、吸排気バルブのロッド部およびロッドスプリングの点検用
窓があり、ガスケットを介して通常はヘッドカバーで覆われています。2個のスプリングの
間からヘッドカバーを通してゴム製チューブが取り出されており、シリンダバレル内に
流入した未燃焼ガスをキャブレターに戻す(ブローバイ)仕組みです。特に問題ないよう
ですが、ヘッドカバーをシールするガスケットが完全に崩壊し、交換せざるを得ません。

 

同型のガスケットなど入手不可能ですので、
汎用のペーパーガスケットから自製します。

 


シリンダバレルの開口部に薄い紙を
当てて開口部の型を取ります。

 

スプレー糊でペーパーガスケットに仮留めし
カッターナイフで型通り切り抜きます。

 

ペーパーガスケットだけでは不安なので
高温用シール材を塗布し併用します。
 
 
開口部の周囲をクリーニングして、古い
ガスケットの残りを除去しておきます。

 
 
4本のボルトでヘッドカバーを固定します。接合面に
沿ってシール材が均一にはみ出ていればOKです。

 
10.ボトムカバーパッキンの交換

リダクションケース最下部のボトムカバー周りに、オイル漏れの形跡があります。
オイル漏れの原因として、ボトムカバーのガスケット劣化と、タインシャフトの
オイルシール(ウォーターシール)劣化が考えられます。先に前者を片付けます。
 

リダクションケースを元通り組み付けてから、
6本のネジを緩めボトムカバーを取り外します

 

ピニオンやべベルギヤ、タイン
シャフトの損傷はありません。
 

ボトムカバー側にガスケットが残っていますが、ほとんど
崩壊状態です。スクレーパー等で綺麗に除去します。
 

補修用パーツは入手できませんから、
ここでもペーパーガスケットを利用します。
 

ボトムカバーを当てて型を取ります。穴の位置を
正確に再現しないとオイル漏れの原因になります。
 

内側の輪郭は、後でリダクション
ケース側に当てて型を取ります。
 

残っていたガスケットを参考に
細部に修正を加えます。
 

カッターナイフで切り抜きます。データが
あればレザーカッターを使えるのですが。
 

カッターナイフでは穴を綺麗に抜くことができません。
同径のポンチもないので別の方法を考えます。
 

当て木を用意しボトムカバーを重ねてクリップで強く
固定します。そのままドリルを使って穴を開けます。
 

クリップとボトムカバーを外します。

 

ボトムカバーが穴の周囲を押さえて
いたので、綺麗な穴が開きます

 

ペーパーガスケットは厚みに乏しくオイルを封じ込めるには
多少の不安が残るので、ここでもシール材を併用します。
 

ガスケットをシール材で挟み込むことにします。
先にリダクションケース側にシール材を塗布します。
 

ボトムカバー側にもシール材を塗布します。
このシール材は酢酸のような刺激臭がします。 

シール材の乾燥・固化が進まないうちに、
手早くボトムカバーを組み付けます。
 

6本のボルトを締め付けます。対角線の
順に均一に締め込んで行きます
 

接合面の間からシール材が
はみ出てきました。
 

ほぼ均一にシール材が充填されているようです。もう一つ、タインシャフトのオイルシール
(ウォーターシール)劣化も心配ですが、外側から作業できるので後の機会に譲ります。


 
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