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カップボード製作4(塗装仕上げ)

   製作1
(木取り)
製作2
(部品加工)
製作3
(組み立て)
製作4
(塗装仕上げ)
製作5
(装飾仕上げ)
 

本体および中央の開閉窓枠が組み上がりましたので、続いて塗装作業に入ります。
タモ材の重厚な木目が可能な限り引き立つ塗装方法を採りたいものです。

考えられる一つ目の方法は、ステインによる着色の後、透明ウレタンで
上塗りして仕上げる方法です。間にシーラーを入れると、平滑な塗膜が得られ
鏡面に近い 仕上げも期待できますが、肌触りとしての木目感は失われます。
もう一つは、オイルフィニッシュによる仕上げで、木目がほとんど潰れず
自然木の 風合いがそのまま残り、木製品に上質感を与えてくれます。

今回は前者の方法を採用し、シーラーは挟まずに透明ウレタンの重ね塗りで
塗装膜を完成させます。同時に食器棚としての耐久性を持たせます。
 

 


表面を十分にペーパー研磨した後、オイルステインにて木地に
着色します。木目とのバランスで濃い目のウォールナットを選択。

 

少量ずつ布きれに取り、木地に擦り込むように
少し力を入れて塗り付けていきます。
 

木目が深く、特に平面部分では表面を撫でる
だけでは内部まで着色剤が入り込みません。
 

凹凸部分やコーナー部には濃淡が出やすいので、
布きれを小さく折りたたんで丁寧に作業します。
 

ステインが乾き切らないうちに大きめの布で表面を拭き
取ります。手早く作業しないと着色斑の原因になります。
 

作業範囲を一定の面積に限りながら
濃淡が出ないよう徐々に進めていきます。
 

上塗り前の木地を布等で強く擦ると、組織の一部が
ささくれて剥離してくることがあるので注意します。
 

着色が不十分な場合、複数回作業を繰り返すことが
あります。今回は1回で程良く着色されています。
 

透明ウレタン樹脂塗料による上塗り作業に
入ります。シンナーによる希釈は5%以下です。
 

30mmの目地刷毛を使用しています。合成繊維製ですが、
腰がしなやかで塗料の伸びが良く重宝しています。
 

説明順が逆になってしまいました。刷毛の
動かしにくい内側から先に塗っていきます。
 

塗料の希釈度が低く原液に近いため、塗装膜が
厚くなりがちです。塗料の垂れに注意を払います。
 

ウレタン樹脂塗料は乾燥時間が長く、表面が研磨可能に
なるまで最低1昼夜、できれば2昼夜乾燥させます。
 

1回目の上塗り塗装を終えたところです。
 
 

塗装膜が完全に乾燥するのを待って研磨します。#320の
ペイント用ペーパーが目詰まりしにくく使いやすいです。
 

凹凸部分やコーナーの入り組んだところは
スポンジシート状のペーパーが便利です。
 

特にRの付いた面では、普通のペーパーでは
凸面の研磨が先に進み研磨ムラが出ます。
 

ペーパー研磨後に研磨粉を完全に取り除きます。
電気クリーナーにブラシを取り付けて吸い取ります。
 

2回目以降の上塗り塗装を進めていきます。塗料用シンナーを10%弱加えて希釈します。
塗装膜の形成状態が優先ですが、刷毛の運び易さやや塗料の垂れ方を重視しています。
 

塗装作業中および乾燥中は、作業場所の塵・埃等にも
留意します。窓は極力開放しないようにしています。
 

「上塗り塗装→ペーパー研磨→上塗り
塗装」を2・3回繰り返して行います。
 

塗装作業の終了です。もう2回ほど上塗りすれば、ほぼ鏡面仕上げが
得られます。この木地には半艶状態(半艶消しではない)が合います。
塗装膜が完全に硬化するには1週間ほどかかります。


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