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お仏壇製作3(正面飾り~扉部品加工)

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本体箱組まで作業が進みました。続いてお仏壇の内外装を製作していきます。
お仏壇の内側空間を外側と隔てるため、天板直下に天幕板を取り付けます。
正面は両開き(観音開き)の扉にて仕舞うことにします。扉もまた幅広材を用意
する必要がありますが、部品の変形(反り)を防ぐ対策を講じねばなりません。
 

 天幕板の按配をみています。


90mm幅14mm厚のエゾ松材から部品を取ります。
手前に大きくRを描いてシンプルな化粧とします。
 

工房がかつてレストアしたバンドソーにてRを切断します。
専用の作業台を誂えようと思いつつそのままです。
 

鋸刃の走行が1方向なので、糸鋸盤やジグソー
では出せない滑らかな曲線で切断できます。
  

バンドソーならではの大らかな
曲線を得ることができました。
 

本体の取付位置に当てて按配をみます。
 
 

曲線部分の切断面を仕上げます。ベルト
サンダーの端(ドラム外周部)を利用します。
 

120番→240番とベルトを替えることで
十分な下地に仕上がりました。
 

ここで天幕板の表面(表裏)を鉋がけして仕上げて
おきます。本体取り付け後では面倒な作業です。
 

天幕板の取り付け・固定は接着剤のみとしました。構造からして十分かと
思います。側板と慎重に面(つら)を合わせてクランプにて圧着します。
 

扉の製作にかかります。90mm幅板材3枚の
平接ぎにより、左右2枚の扉を組みます。
 

乾燥による変形(反り)が予想されるため、扉の
上下端に反り止め材を当てる必要があります。
 

先に扉の左右幅と上下高さを調整します。反り止めを
含めて後で再調整するので代を残しておきます。
 

反り止めには硬めの赤ラワンを使います。
扉との接合には雇実(やといざね)を入れます。
 

本体の箱組でも考慮したように、雇実の問題は
部材端面に実が露出してしまうことです。
 

そこで実を納める溝を部品の両端まで切り
込まず、両端を残しておく必要があります。
 

テーブルソーの鋸刃を必要な高さに調整し、
切り込む範囲を決めてフェンスにマークを付けます。
 

切り込み開始位置です。鋸刃は
ぎりぎり材料端の手前に当たります。
 

切り込み終了位置です。同じく鋸刃は
ぎりぎり材料端の手前で止まります。
 

反り止め材の接合面に実を落とす
ための溝が切り込まれました。
 

同様にして扉本体にも溝を切り込みます。平行を
保つためフェンスに強く押し当てながら切ります。


扉側にも溝が切り込まれました。

 

溝に落し込む実を加工しています。接着剤の置き
場所を考慮し溝の深さよりも気持ち狭くします。
 

溝の両端はR状に浅くなっているので
このままでは実はきちんと嵌りません。
 

溝の両端を掘り下げるのではなく、
実の両端をRに合わせて落とします。
 

Rのついた溝にぴったり嵌ります。
 
 

溝の内部と実の両側に接着剤を入れます。

 

相手方の扉側にも接着剤を入れます。

 

実を介して両者を接合します。扉側が既に反り始めて
いますが、反り止め材に合わせて強引に嵌め込みます。
 

反り止めの両端にクリップをかけて面一(つらいち)を
保持し、3か所に旗金をかけて圧着します。
 

接着剤が完全に乾いた後、締結具を外します。
お仏壇の正面ですので板目材を配しました。
 

オービタルサンダーで反り止め材と
扉の接合部を丹念に成形します。
 

2枚の扉を突き合わせて成形することで
端部の肩落ちを防ぐことができます。
 

扉の木端面を整えます。反り止め材が
少しはみ出るように組み立てておきました。
 

工作台の上で鉋を使い木端削りします。垂直に
切削できるよう予め鉋台を調整しておきます。
 

反り止め材の目違いが取れて
綺麗な端面が現れました。
 

扉の落し込み(微調整)は本体の塗装がある程度進んだところで
行います。柔らかい材料を使用していますが、重量感が出てきました。

 
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